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レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
ミスト村編

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11/38

第11話 『風切り』

前回の投票結果です!


① 風切り


② 風歩


③ 風防


結果、


【① 風切り】


に決定しました!


ついにユーマ初の魔法修行がスタート!


風属性と剣を組み合わせた戦い方を学んでいきます。


それでは第11話をお楽しみください。



翌朝。


俺は訓練場に立っていた。


竹刀を握る。


向かいにはガルド。


相変わらず枝を持っている。


もう誰も突っ込まない。


「じゃあ始めるぞ。」


「ああ。」


俺は頷いた。


ついに魔法だ。


異世界らしいことが始まる。


「まずは見せてやる。」


ガルドは枝を構えた。


そして軽く振る。


「風切り。」


その瞬間だった。


ビュッ!


風が走る。


目には見えない。


でも確かに何かが飛んだ。


数メートル先の木。


葉っぱが数枚切り落とされる。


「おおおおお!」


思わず叫んだ。


「今のか!?」


「今のだ。」


「すげぇ!」


「基本技だ。」


「いや十分すげぇ!」


ガルドは呆れたようにため息を吐いた。


「これだから初心者は。」


「初心者だからな!」


俺は改めて枝を見る。


「というか。」


「なんだ。」


「なんでそんなに使えるんだ?」


ガルドは当然のように言った。


「俺も風だからな。」


「え?」


「風属性だ。」


「マジか。」


「マジだ。」


なるほど。


だから教えられるのか。


「昔は風神なんて呼ばれてた。」


「絶対自分で言ってるだろ。」


「違う。」


「怪しい。」


ガルドは笑った。


絶対怪しい。


「まあいい。」


ガルドは枝を向ける。


「やってみろ。」


「よし。」


俺は竹刀を構えた。


風を意識する。


魔力を流す。


そして振る。


「風切り!」


何も起きなかった。


「……。」


「……。」


「出ねぇ。」


「出ねぇな。」


もう一度。


「風切り!」


出ない。


三回。


五回。


十回。


出ない。


「風切り!」


出ない。


「風切り!!」


出ない。


「風切りぃぃぃ!!」


「うるせぇ。」


ガルドに怒られた。


昼になっても出ない。


夕方になっても出ない。


腕は痛い。


腹は減った。


心が折れそうだ。


「才能ないんじゃないか俺。」


「黙って振れ。」


「はい。」


俺は竹刀を握り直す。


そして振る。


もう一度。


もう一度。


もう一度。


百回目くらいだった。


竹刀を振る。


その瞬間。


ビュッ。


何かが飛んだ。


数メートル先の葉っぱが真っ二つになる。


「……。」


「……。」


「出た。」


「出たな。」


俺は飛び上がった。


「出たぁぁぁ!!」


「うるせぇ。」


「出たぞ!」


「見てた。」


「魔法だ!」


「そうだな。」


嬉しかった。


本当に嬉しかった。


異世界に来て初めてだった。


自分の力で。


何かをできた気がした。


その日の夜。


セフィがセーブした。


「おめでとうございます。」


「ありがとう。」


「でも威力は葉っぱ一枚です。」


「うるさい。」


「雑魚ですね。」


「うるさい。」


「レベル3ですし。」


「寝ろ。」


セフィはケラケラ笑っていた。



一週間後。


俺は訓練場で竹刀を振っていた。


「風切り!」


ビュッ!


風の刃が飛ぶ。


数メートル先の枝が切れる。


最初に比べればかなり成長した。


まだガルドには遠く及ばないけど。


確実に強くなっている。


ステータスを開く。


名前:ユーマ・カミサキ


レベル:4


「おお。」


思わず声が出た。


また上がっている。


「当然だ。」


ガルドが言う。


「お前なりに頑張ったからな。」


珍しく褒められた。


少し嬉しい。


かなり嬉しい。


でも顔には出さない。


「顔に出てるぞ。」


「出てない。」


「出てる。」


「出てない。」


ガルドは笑った。


腹立つ。


その時だった。


ガルドが真面目な顔になる。


「ユーマ。」


「ん?」


「今日で修行は終わりだ。」


俺は目を丸くした。


「え?」


「最終日だ。」


ついに。


ミスト村卒業か。


そんなことを考えた時だった。


ガサガサ。


森の奥から音が聞こえた。


何かが近付いてくる。


俺は竹刀を握る。


現れたのは。


緑色の肌。


鋭い牙。


汚れた棍棒。


見覚えのある姿。


ゴブリンだった。


だが。


今までの奴とは違う。


体が一回り大きい。


腕も太い。


威圧感も違う。


ガルドが口を開く。


「レベル3だ。」


俺は息を呑んだ。


レベル2のゴブリンに負けた。


その記憶はまだ新しい。


そんな相手よりさらに強い。


レベル3。


ガルドは腕を組む。


「最終試験だ。」


俺はゴブリンを見る。


ゴブリンも俺を見ている。


逃げるか。


戦うか。


【投票】


最終試験開始!


ユーマはどうする?


① 戦う


② 逃げる


第11話を読んでいただきありがとうございます!


ユーマは風切りを習得し、ついにレベル4へ到達しました!


そして修行の最後に現れたレベル3ゴブリン。


ユーマはこの壁を越えられるのでしょうか?


① 戦う


② 逃げる


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