第11話 『風切り』
前回の投票結果です!
① 風切り
② 風歩
③ 風防
結果、
【① 風切り】
に決定しました!
ついにユーマ初の魔法修行がスタート!
風属性と剣を組み合わせた戦い方を学んでいきます。
それでは第11話をお楽しみください。
翌朝。
俺は訓練場に立っていた。
竹刀を握る。
向かいにはガルド。
相変わらず枝を持っている。
もう誰も突っ込まない。
「じゃあ始めるぞ。」
「ああ。」
俺は頷いた。
ついに魔法だ。
異世界らしいことが始まる。
「まずは見せてやる。」
ガルドは枝を構えた。
そして軽く振る。
「風切り。」
その瞬間だった。
ビュッ!
風が走る。
目には見えない。
でも確かに何かが飛んだ。
数メートル先の木。
葉っぱが数枚切り落とされる。
「おおおおお!」
思わず叫んだ。
「今のか!?」
「今のだ。」
「すげぇ!」
「基本技だ。」
「いや十分すげぇ!」
ガルドは呆れたようにため息を吐いた。
「これだから初心者は。」
「初心者だからな!」
俺は改めて枝を見る。
「というか。」
「なんだ。」
「なんでそんなに使えるんだ?」
ガルドは当然のように言った。
「俺も風だからな。」
「え?」
「風属性だ。」
「マジか。」
「マジだ。」
なるほど。
だから教えられるのか。
「昔は風神なんて呼ばれてた。」
「絶対自分で言ってるだろ。」
「違う。」
「怪しい。」
ガルドは笑った。
絶対怪しい。
「まあいい。」
ガルドは枝を向ける。
「やってみろ。」
「よし。」
俺は竹刀を構えた。
風を意識する。
魔力を流す。
そして振る。
「風切り!」
何も起きなかった。
「……。」
「……。」
「出ねぇ。」
「出ねぇな。」
もう一度。
「風切り!」
出ない。
三回。
五回。
十回。
出ない。
「風切り!」
出ない。
「風切り!!」
出ない。
「風切りぃぃぃ!!」
「うるせぇ。」
ガルドに怒られた。
昼になっても出ない。
夕方になっても出ない。
腕は痛い。
腹は減った。
心が折れそうだ。
「才能ないんじゃないか俺。」
「黙って振れ。」
「はい。」
俺は竹刀を握り直す。
そして振る。
もう一度。
もう一度。
もう一度。
百回目くらいだった。
竹刀を振る。
その瞬間。
ビュッ。
何かが飛んだ。
数メートル先の葉っぱが真っ二つになる。
「……。」
「……。」
「出た。」
「出たな。」
俺は飛び上がった。
「出たぁぁぁ!!」
「うるせぇ。」
「出たぞ!」
「見てた。」
「魔法だ!」
「そうだな。」
嬉しかった。
本当に嬉しかった。
異世界に来て初めてだった。
自分の力で。
何かをできた気がした。
その日の夜。
セフィがセーブした。
「おめでとうございます。」
「ありがとう。」
「でも威力は葉っぱ一枚です。」
「うるさい。」
「雑魚ですね。」
「うるさい。」
「レベル3ですし。」
「寝ろ。」
セフィはケラケラ笑っていた。
◇
一週間後。
俺は訓練場で竹刀を振っていた。
「風切り!」
ビュッ!
風の刃が飛ぶ。
数メートル先の枝が切れる。
最初に比べればかなり成長した。
まだガルドには遠く及ばないけど。
確実に強くなっている。
ステータスを開く。
名前:ユーマ・カミサキ
レベル:4
「おお。」
思わず声が出た。
また上がっている。
「当然だ。」
ガルドが言う。
「お前なりに頑張ったからな。」
珍しく褒められた。
少し嬉しい。
かなり嬉しい。
でも顔には出さない。
「顔に出てるぞ。」
「出てない。」
「出てる。」
「出てない。」
ガルドは笑った。
腹立つ。
その時だった。
ガルドが真面目な顔になる。
「ユーマ。」
「ん?」
「今日で修行は終わりだ。」
俺は目を丸くした。
「え?」
「最終日だ。」
ついに。
ミスト村卒業か。
そんなことを考えた時だった。
ガサガサ。
森の奥から音が聞こえた。
何かが近付いてくる。
俺は竹刀を握る。
現れたのは。
緑色の肌。
鋭い牙。
汚れた棍棒。
見覚えのある姿。
ゴブリンだった。
だが。
今までの奴とは違う。
体が一回り大きい。
腕も太い。
威圧感も違う。
ガルドが口を開く。
「レベル3だ。」
俺は息を呑んだ。
レベル2のゴブリンに負けた。
その記憶はまだ新しい。
そんな相手よりさらに強い。
レベル3。
ガルドは腕を組む。
「最終試験だ。」
俺はゴブリンを見る。
ゴブリンも俺を見ている。
逃げるか。
戦うか。
【投票】
最終試験開始!
ユーマはどうする?
① 戦う
② 逃げる
第11話を読んでいただきありがとうございます!
ユーマは風切りを習得し、ついにレベル4へ到達しました!
そして修行の最後に現れたレベル3ゴブリン。
ユーマはこの壁を越えられるのでしょうか?
① 戦う
② 逃げる
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