第118話 『炎姫vs炎姫』
『準々決勝第二試合ィィィィィ!!』
実況の声が闘技場へ響く。
観客席も異様な熱気に包まれていた。
炎使い同士。
しかも因縁あり。
盛り上がらないわけがない。
実況が叫ぶ。
『赤き炎のガンナー!!』
『リリムゥゥゥゥゥ!!』
歓声。
リリムが闘技場へ現れる。
腰には二丁拳銃。
Fire Eagle。
背中には大型ライフル。
AK2020。
その瞳は真っ直ぐルアを見ていた。
実況はさらに叫ぶ。
『対するはぁぁぁ!!』
『漆黒の炎姫!!』
『ルアァァァァァ!!』
歓声。
いや。
悲鳴に近い歓声だった。
ルアがゆっくり現れる。
長い黒髪。
妖艶な笑み。
圧倒的な存在感。
闘技場の空気が変わる。
ルアはリリムを見る。
そして。
少しだけ笑った。
「棄権した方がいいわよ。」
リリム。
「は?」
ルア。
「火傷じゃ済まないから。」
リリムの額に青筋が浮く。
「その台詞。」
Fire Eagleを抜く。
「そのまま返す。」
観客席。
ユーマ。
「怖っ。」
レイ。
「女は怖い。」
ユーマ。
「それな。」
実況。
『それではぁぁぁ!!』
『試合開始ィィィィィ!!』
ゴング。
ドォォォォォン!!
二人同時に地面を蹴った。
速い。
観客の目では追えない。
リリム。
「フレアブースト!」
炎が身体を包む。
身体能力上昇。
加速。
一瞬でルアの横へ。
Fire Eagleを向ける。
「魔炎弾!!」
パンッ!!
爆発。
しかし。
ルアは消えていた。
後ろ。
「遅い。」
黒炎。
ドォォォォォン!!
リリムが吹き飛ぶ。
だが。
空中で体勢を立て直す。
着地。
即射撃。
パンッ!!
パンッ!!
パンッ!!
魔炎弾連射。
ルアは炎を纏いながら回避する。
爆発。
爆発。
爆発。
闘技場が炎に包まれる。
実況も興奮していた。
『速いぃぃぃ!!』
『見えないぃぃぃ!!』
ユーマも目を丸くする。
「やばくねぇか?」
レイ。
「かなりな。」
リリムが笑う。
「どうしたの?」
「避けてばっかりじゃない。」
ルアも笑った。
「あなたこそ。」
「口だけじゃない。」
次の瞬間。
二人が激突する。
紅い炎。
黒い炎。
ドォォォォォン!!
爆発。
熱風が観客席まで届く。
ユーマ。
「熱っ!」
リリムは攻め続ける。
魔炎弾。
魔炎槍。
魔炎雨。
休む暇もない。
圧倒的な攻撃ラッシュ。
観客席がざわつく。
「リリム押してるぞ!」
「ルア相手に!?」
「マジかよ!」
リリム。
「終わりよ!!」
巨大な炎槍。
ルアへ放つ。
ドォォォォォン!!
爆発。
土煙。
観客席が息を呑む。
だが。
煙の中から。
ルアが歩いてくる。
傷はある。
しかし。
余裕は消えていない。
ルアはリリムを見る。
そして。
小さく笑った。
「なるほど。」
その声に。
会場が静まる。
「強いわね。」
リリムが目を見開く。
初めてだった。
ルアが素直に認めた。
観客席もざわつく。
ユーマ。
「お。」
レイ。
「珍しいな。」
だが。
ルアは続ける。
笑みを浮かべながら。
「でも。」
黒炎が揺れる。
空気が変わる。
「まだ甘い。」
ドォォォォォォン!!
ルアの魔力が爆発した。
黒炎が天へ昇る。
観客席が震える。
ユーマ。
「おい・・・。」
リリムも表情を変えた。
今までとは違う。
ルアが。
本気を出そうとしていた。




