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レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
氷戦の街 グラディア編

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第110話 『本戦第一試合』

『氷闘祭本戦!!』


『第一試合ぃぃぃぃぃ!!』


観客席が揺れる。


大歓声。


大熱狂。


実況が叫ぶ。


『まず登場するのはぁぁぁ!!』


『予選突破の新星!!』


『風の剣士!!』


『ユーマァァァァァ!!』


歓声。


ユーマは闘技場へ歩き出る。


「おぉ。」


「本戦って感じだな。」


観客席からは野次も飛ぶ。


「新入りぃぃ!!」


「やられろぉぉ!!」


「いや勝てぇぇぇ!!」


応援も野次もごちゃ混ぜだった。


ユーマは笑う。


「嫌いじゃねぇな。」


そして。


実況が再び叫んだ。


『対するはぁぁぁ!!』


『グラディア北部氷河地帯の主!!』


『氷を喰らう魔獣!!』


『フロストイーターァァァァァ!!』


闘技場の巨大な門が開く。


ゴゴゴゴゴ・・・


重い音。


そして。


巨大な氷の魔物が現れた。


四足歩行。


全身が氷の結晶で覆われている。


赤い目。


鋭い牙。


レベル50。


ユーマが目を丸くする。


「え?」


「モンスターも参加してんのかよ!?」


実況。


『もちろんだぁぁぁ!!』


『氷闘祭は強ければ何でもありだぁぁぁ!!』


ユーマ。


「なんでもありだな・・・。」


観客席。


リリムは笑う。


「グラディアらしいじゃない。」


レイも頷く。


「珍しくはない。」


その時。


セフィが飛び出してきた。


『ユーマ!』


『気を付けて!』


『あいつ結構厄介かも!』


ユーマ。


「知ってる奴か?」


セフィ。


『攻撃吸収型モンスター!』


『攻撃されるたびにエネルギーを吸収するの!』


『そして!』


『溜め込んだエネルギーを破壊光線に変える!』


ユーマ。


「最悪じゃねぇか!」


観客席から笑いが起こる。


実況。


『それではぁぁぁ!!』


『試合開始ィィィィィ!!』


ゴングが鳴る。


ドォォォン!!


フロストイーターが突進した。


速い。


巨体とは思えない。


ユーマはカゼマサを抜く。


「風神流・風神斬り!」


シュン!!


風の斬撃。


直撃。


だが。


フロストイーターの身体が光る。


ズズズ・・・


風が吸い込まれていく。


ユーマ。


「は?」


セフィ。


『だから言ったのにぃぃぃ!!』


観客席。


「吸収された!」


「まずいぞ!」


「やっちまった!」


フロストイーターの身体が少し大きくなる。


そして。


口を開く。


青白い光。


ユーマ。


「嫌な予感しかしねぇ。」


ドゴォォォォォォン!!


破壊光線。


ユーマは咄嗟に飛び退く。


闘技場の床が吹き飛んだ。


ユーマ。


「威力高っ!?」


セフィ。


『だから厄介なんだってば!』


フロストイーターが再び突進する。


ユーマは避ける。


斬る。


吸収される。


避ける。


斬る。


また吸収される。


観客達もざわつき始める。


「相性悪いぞ。」


「剣士じゃ厳しい。」


「終わりか?」


だが。


ユーマだけは違った。


じっと見ていた。


観察していた。


そして。


小さく呟く。


「ん?」


セフィ。


『どうしたの?』


ユーマ。


「今見たか?」


『何を?』


「吸収する時。」


「一瞬止まった。」


セフィ。


『え?』


ユーマは笑う。


いつもの。


何かを見つけた時の顔。


「なるほどな。」


セフィ。


『何が!?』


ユーマ。


「クールタイム付きか。」


『くーるたいむ?』


「隙だよ。」


セフィが目を見開く。


ユーマはカゼマサを構えた。


「面白ぇ。」


「RPGのボス戦みたいじゃねぇか。」


フロストイーターが咆哮する。


再び突進。


ユーマは前へ出た。


「風神流・風走り!」


一瞬で懐へ。


カゼマサが閃く。


斬撃。


吸収。


だが。


ユーマは止まらない。


「やっぱりだ。」


吸収発動。


その瞬間。


フロストイーターの身体が一瞬だけ硬直する。


ユーマが笑う。


「もらった。」


二撃目。


「風神流・風神斬り!!」


ドゴォォォォォン!!


今度は吸収されない。


直撃。


フロストイーターが吹き飛ぶ。


観客席がどよめく。


「入った!?」


「ダメージだ!」


「見抜いたぞ!」


セフィ。


『本当だぁぁ!!』


ユーマ。


「攻略完了。」


その言葉と共に走る。


吸収。


隙。


斬る。


吸収。


隙。


斬る。


まるで敵のパターンを読むゲームプレイヤーのように。


完全攻略。


フロストイーターは対応できない。


最後。


ユーマは大きく跳んだ。


風が集まる。


カゼマサへ。


「終わりだ。」


観客席が静まる。


ユーマが刀を振る。


「風神流――」


風が唸る。


「風神斬り!!」


巨大な風の斬撃。


ドォォォォォォン!!


フロストイーターを真っ二つに切り裂いた。


沈黙。


そして。


実況が絶叫する。


『勝者ァァァァァ!!』


『ユーマァァァァァ!!!』


歓声爆発。


闘技場が揺れる。


ユーマはカゼマサを肩に担ぐ。


「楽勝。」


セフィ。


『絶対楽勝じゃなかったでしょ!!』


観客席。


リリムが笑う。


「気持ち悪いわね。」


レイも頷く。


「もう見抜いたのか。」


ルアは腕を組む。


そして。


少しだけ笑った。


「でも賢い。」


大歓声の中。


ユーマは手を振った。


本戦初勝利。


だが。


本当の戦いはまだ始まったばかりだった。

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