第8話 激突 魔王×甘蔵
この作品では、会話文の前に登場人物名を表記す形式を採用しています。
読みやすさを重視したこと、そしてこの物語ならではの世界観を表現する
ための工夫です。もしこの形式が合わないと感じた方は、そっとブラウザ
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魔王の右腕を焼き裂いた信長と光秀の大技は、
この窮地を脱し、反撃のきっかけを作った。
だが、魔王ミッドナイトキングは焦げた腕を見下ろし、
拳を握っては開き、指先に力が戻っているか確かめる。
魔王「うむ……見事な一撃だった。だが――。」
次の瞬間、魔王の腕が淡い光に包まれ、元の形へと戻っていく。
甘蔵「うそんーっ!? 何それ、再生すんのかい!? ヤバイだろ!!」
信長と光秀は、力を出し切った反動で膝をついていた。
魔王が軽く腕を振っただけで、2人は、たやすく吹き飛ばされてしまった。
甘蔵「信長さんっ! 光秀さん!!」
光秀「甘蔵殿……ゲボッゲボッ。ここからいち早く逃げて、生き延びられよ……!」
光秀が血を吐きながら言う。信長も続く。
信長「……甘蔵よ、そなたは逃げよ……」
甘蔵(こんなに頑張ってる人がいるのに、俺は逃げ出すのか。ふざけんな!)
〃 「ここで逃げたら、いけないような気がするんですううう!!」
甘蔵は叫んだ。
2人を置いて逃げる。そんな選択肢は最初から存在しない。
魔王はその様子を見て、
面倒くさそうにゆっくりとこちらへ近づいてくる。
魔王「……その気配。なるほど、貴様……ガチャ士か。厄介だな。」
甘蔵の背筋に冷たい汗が流れる。バレてる。だが、もうやるしかない。
甘蔵「だったら……見せてやるよ。ガチャ士の意地ってやつを!」
甘蔵は震える声でガチャ機を呼び出そうとする。
しかし、空からガチャ機は降ってこない。
髪の毛が……足りない。今の甘蔵の髪は8〜10センチほどで、
ガチャを回すには僅かに短い。
甘蔵「くそっ……! やはり回せないっ……!」
魔王が近づくたび、空気が重くなり、甘蔵は息が詰まった。
魔王「終わりだ、ガチャ士。」
その瞬間、甘蔵の視界の端でステータス画面がちらついた。
レベル2の時に読んだ説明欄――その下に、
まだスクロールできる箇所があったのだ。
甘蔵「……えっ? まだ続きが……?」
震える指でスクロールすると、そこには新たな情報があった。
【※ガチャ士は、2名の英雄を『ガチャる』ごとに、
“時間限定――英雄引換券:(シングル・チケット)”を獲得します。
このチケットは任意のタイミングで使用可能。
※排出内容はすべてシークレット。】
甘蔵「……これだッ!!」
甘蔵は嬉しさのあまり声を張りあげた。
そして、チケットを手に入れた。
魔王の表情が一瞬だけ曇る。
第六感が、得体の知れぬ不快な気配を感じ取る。
魔王「貴様……何をする気だ?」
甘蔵「決まってんじゃん……! 今からガチャを回すんだよッ!!」
甘蔵の前に、いつもとは違う重厚なガチャ機が現れた。
金属の質感は鈍く光り、内部で何かが脈動している。
この状況に緊張してガチャ機を回す指が震える。
だが、迷いはない。ただ回すのみである。
甘蔵「来い……! スゲー英雄ッ!!」
ガチャ機が回転を始めた瞬間、空気が震えた。
魔王が一歩後ずさる。
ガラガラガラガラガラ……ッ!
コトンッ!
魔王「……この気配、まさか……!」
カプセルが、 バチッ……バチバチッ……!
と、今まで見たことのない光を放ち始める。
甘蔵「な、なにこれ……!」
カプセルの光はさらに強くなり、 俺は思わず目を覆った。
――そして。パァァァァァァァァァァァン!!
破裂音とともに、光が弾け飛んだ。その中心に――人影が立っていた。
魔王は盛大に笑った。
魔王「面白い。“英雄”を呼ぶとはな。
ガチャ士よ……貴様、やはり只者ではないな?」
甘蔵「いや、ただのごく普通の大学生さ!
プラスで異世界初心者でもある!」
だが、その姿はまだ光に包まれて見えない。
光が、次第に収まっていく。
―― その人物の姿が、はっきりと現れた。
(だ、誰なんだ……? 俺が呼んだ“英雄”って……。)
その人物は、ゆっくりと顔を上げて、
??「…………。」
圧倒的な存在感を放ちながら、
俺たちを見つめ返した。
この英雄は一体?
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