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ガチャ士だけど、建国して魔王討伐します!  作者: 紫蘭


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第6話 ミッドナイトキング

この作品では、会話文の前に登場人物名を表記す形式を採用しています。

読みやすさを重視したこと、そしてこの物語ならではの世界観を表現する

ための工夫です。もしこの形式が合わないと感じた方は、そっとブラウザ

バックしてください。

 城門を奪還した俺たちは、そのまま城内へと足を踏み入れた。


 ――暗い。


 外から見たときよりも、かなり不気味な城内だ。

 埃を照らすのは、崩れた天井から差し込む光。

 奥から聞こえるのは、何かが這う音。


甘蔵「……絶対なんかいるよね?これ。」


 俺がそう呟くと、光秀が周囲を見渡し警戒する。


光秀「信長様。足跡がございます。複数体…… いえ、かなりの数です。」


信長「ふむ。ならば、まとめて掃討すればよかろう。」


甘蔵「いやいやいやいや! 敵の数、多すぎない!?」


 信長は刀を軽く構え、前を見据えた。


信長「甘蔵、案ずるな。

   余と光秀が前に立つ。おぬしは“主”らしく見ておれ。」


甘蔵「いや、主らしくって、どうすればいいの!?」


 その時――。


 ガサッ……ガサガサッ……!


 赤い目がいくつも光った。暗闇の奥。


甘蔵「うわっ!? また来た!」


 姿を現したのは、二足歩行の巨大なイタチ風の魔物。

 鋭い爪。長い尻尾。動きは随分速い。


甘蔵「さっきのより強そうなんだけど!?」


 光秀が刀を構えて言う。


光秀「……甘蔵殿。あれは狼の延長ではござりませぬ。

   一撃で仕留めねばなりませぬ。

   仕留め損ねれば、こちらが狩られる側となりましょう。」


信長「うむ。ならば、なおさら好都合よ。」


甘蔵「どこが好都合なんですか!?信長さん!!」


 魔物たちが一斉に飛びかかってきた。


信長「来るぞ!」


 信長が前に出て豪快に斬り払う。

 光秀は横から滑り込み、正確に急所を突いていく。

 その動きは――美しいほどに無駄がない。


 けれど、いかんせん敵の数が多すぎる。


甘蔵「やばい、これ……俺も何かしないと……!」

 

 俺は慌ててステータス画面を開いた。


甘蔵(……アイテムガチャ、もう一回だけなら回せるか?

   体重1キロなら……まだいけるはず!)

 

 咄嗟にガチャを回す決断をする。


甘蔵「ガチャを回したい! 顕現せよ!」


 ――ガコンッ!


 またしても、空からガチャ機が落ちてきた。


 —―ドキンコッ!!


 俺は、思わず心臓が止まるかと思った。


甘蔵「毎回落ちてくるのやめて!! 心臓に悪い!」


 すばやく表紙を見る。


『面白い罠シリーズ・第二弾 光るよ♪』


 ラインナップは――全4種。

 ・転ばせ床――(キッド)

 ・滑る床―――(キッド)

 ・落とし穴――(キッド・改)

 ・毒ガス—――(キッド・改)


甘蔵「いやいやいや、また毒ガスある!?気はたしかか!」


 でも、回すしかない。


甘蔵「頼む……安全なやつ来てくれ……!」


 ガラガラガラガラ……ッ!


 コトンッ!


 ――ッ、痛っ……!――甘蔵の体にビリッと痛みが走った。

 ガチャ士の力は等価交換。

 連続で回すなど、本来なら体が耐えられるはずがない。


 しかし、甘蔵は回した。

 俺だって……何かできるはずだろ……!

 という思いを胸に秘め……そして出たのは…。


甘蔵「……滑る床キッドだ!」


 早速、俺は採れたての罠アイテム、滑る床キッドを使う。

 その瞬間、城内の床の一部が光り出し、

 ツルッツルの氷みたいな床が出現した。


甘蔵「えっ、これ?どうなるのが正解?レバーとかないの?」


 魔物の一体が、その上に飛び込んだ。


 ――ツルッ!


 ――ドシャァァァァン!!


 見事にすっ転び、後ろの魔物たちも巻き込んで、

 ドミノ倒しのように壁へ激突していく。


甘蔵「うおおおおお!? なんか倒した!!」


 信長と光秀が同時にこちらを見る。


信長「甘蔵、見事よ!」

光秀「素晴らしい援護でございます。」


甘蔵「いや、俺、ただガチャ回しただけなんで。」


光秀「甘蔵殿、謙遜されますな。大手柄でございますぞ。」


甘蔵「そう……えへへ。」


 だが――このあと起こる“とんでもない出来事”を、

 彼らはまだ知る由もなかった。


 このフロアの魔物の群れはほぼ壊滅。

 光秀が冷静に話す。


光秀「信長様、これで城内の半分ほどは制圧致しました。」


信長「うむ。よい調子じゃ。

   甘蔵、これでまた一歩、国づくりが進んだのぅ。」


甘蔵「いや、実感なんてほとんどないけれどね……。」

 

 そう言いつつも、

 俺は少しだけ胸が高鳴っているのを自覚していた。

(……本当に、ここから俺の“国”が始まるのか。)


 ――その時だった。


 ズン……ッ。


 空気ごと押しつぶされるような揺れが、城全体を震わせた。


甘蔵「えっ……何この揺れは?」


 いや、違う。

 これは――


光秀「……足音、ですね。」


 光秀の表情は厳しかった。


光秀「しかも、先ほどの魔物たちとは比べものにならぬ重さです。」


 信長は刀を構え、前を見据えた。


信長「甘蔵、構えよ。

   どうやら“この城の主”が出てくるようじゃ。」


甘蔵「いや、構えって言われても、

   俺、武器ないんですけど!? こうかな?」


 甘蔵は、偽物の中国拳法のような構えで威嚇してみせた。


 暗闇の奥から、

 ――巨大な影がゆっくりと姿を現した。


 黒い外殻。

 角の生えた兜のような頭部。

 燃えるような金色の瞳。


 その存在感だけで、空気が重くなる。


甘蔵「……なんだよ、あれ……!」

 

 あまりの恐怖で、甘蔵は足がすくみあがって動けなくなった。


 影は俺たちを見下ろし、

 低く、地面が震わせるような声で名乗った。


魔王「――我が名は、魔王ミッドナイトキング。」


 次回、『決戦!立ち上がれ甘蔵!!』

 迫りくる魔王ミッドナイトキングに、男たちの熱い決意がぶつかる!

 見よ!甘蔵のガチャ士としての魂が、いま試される!!

ご覧いただきありがとうございます!

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