第5話 登場!アイテムガチャ
この作品では、会話文の前に登場人物名を表記す形式を採用しています。
読みやすさを重視したこと、そしてこの物語ならではの世界観を表現する
ための工夫です。もしこの形式が合わないと感じた方は、そっとブラウザ
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城門前にいた魔物――巨大な狼のような影が、こちらに気づいた。
低い唸り声。鋭い牙。そして、異様に赤い目。
甘蔵「うわ、絶対ヤバいやつじゃん……!」
俺がビビッて後ずさると、信長は逆に一歩前へ出た。
信長「甘蔵、見ておれ。」
そう言って、信長は愛刀、圧切長谷部を抜いた。
その動きは――速い。
風を切る音すら置き去りにして、
信長は魔物の懐に一瞬で踏み込んだ。
信長「――喝ッ!」
斬撃が閃き、魔物の巨躯が壁に弾き飛ばされる。
甘蔵「えっ、強っ!? なんで異世界の魔物に普通に勝てるの!?」
信長は平然と納刀した。
信長「魔物も所詮は獣よ。恐れるに足らん。」
いや、恐れるに足るよ!?
俺は心の中で全力でツッコミを入れた。
その横で、一部始終を観察していた光秀が言う。
光秀「……信長様、あの魔物。動きに規則性がございます。」
信長「ほう、申してみよ。」
光秀「攻撃の前に、必ず右足に重心を移します。
あれは“跳びかかり”の予備動作。つまり――。」
光秀は小石を1つ拾い、魔物の足元へ投げ込んだ。
カツンコ!と音が鳴る。
魔物が反応して跳びかかろうとした瞬間――光秀はその軌道を読み切って、
光秀が愛刀である明智近景の柄で側頭部を叩いた。
魔物「……!」
魔物は膝を折り静かに倒れた。
甘蔵「光秀さん!? なんでそんな冷静に弱点を突けるの!?」
光秀「甘蔵殿。相手の弱きを攻めるは、戦の基本でございまする。」
信長が満足気にげに笑う。
信長「うむ、相変わらず見事よ光秀!」
この時、甘蔵にお知らせメッセージが届く。
甘蔵(俺、レベルアップした…?なんで? あ、そうか!
さっきの戦闘がパーティーとしての戦闘として扱われたのか。
だから、経験値が増えてレベルが2になったんだ。)
レベル2になったし、とりあえず追加された項目を確認してみる。
確認中はどうやらポーズ扱いで、異世界の時間は止まっているようだ。
……で、ステータスは?どうなったのかというと……。
今回、レベルアップしても数値が一ミリも増えてない。
今までだって、開始ボーナスなんて当然のように存在しなかったな。
ガチャ士のステータスって、基本的に強化されないのが一般的なのか。
と思うから、ちょっと様子をみたい。
……いや、そのことを考えるとこれから先、生き残れるのか?が、
本当に心配になる。
……スキル欄を開いてみると、
「ガチャ士」という職能の説明が追加されていた。
チョット長いけど、使い方を知らんのも不便だから、
ちゃんと見ておきたい。
ガチャを呼び出すには“念じる”必要がある。
――これは、どのガチャにも適用か。
排出されるもの(人物・アイテム)は、運の要素大きいが、
ガチャ側でも自動で判断してくれる。
甘蔵「いやいや、別に判断しなくていいから!」
そして新しく習得していたのが「アイテムガチャ・初級」。
2度のガチャで、なぜ髪の毛を奉納させられたのかが、
不明だったが、それがようやく判明した。
このガチャ、等価交換を前提に作られているらしい。
今回は、ストレートだ。俺の体重を1キログラム、奉納すれば回せる。
とりあえず回すことにした。
念じるとガチャ機が落ちてきた。
何のガチャだろうと思い表紙をみた。
全4種 面白い罠シリーズ 光るよ♪
・落とし穴 (キッド)
・落とし板 (キッド)
・石落とし (キッド)
・毒ガス (キッド)
甘蔵「いやいや、1つだけ殺傷能力全然違うし!」
ガラガラガラガラガラ……ッ!
コトンッ!
甘蔵「落とし板か、使えるかな?よし早速試そう!」
城門の横に、古びた“木製のレバー”出現する「
甘蔵「レバーが光ってる。」
俺は恐る恐るレバーを引いた。
――ガコンッ!
城門の上から、巨大な板が落ちてきた。
ちょうど、奥から出てこようとしていた魔物の群れの上に。
甘蔵「うおおおおお!? なんか倒した!!」
信長と光秀が同時にこちらを見る。
信長「甘蔵、よくやった!」
光秀「見事な判断でございます。」
甘蔵「いや、俺、ただレバー引いただけなんだけど!?」
信長は豪快に笑った。
信長「戦とは“運”も実力のうちよ。」
光秀も頷く。
光秀「甘蔵殿の行動が、結果として我らを助けました。」
甘蔵「いや、褒められるのは嬉しいけど……なんか複雑!」
しかし、結果は結果だ。
城門前の魔物はほぼ壊滅し、
城門は俺たちの手に落ちた。
信長が刀を収め、堂々と宣言する。
信長「甘蔵、これで城門は確保した。
ここから先は、城内の掃討戦じゃ。」
光秀が静かに続ける。
光秀「この城を奪い返せば、拠点として十分に機能します。
建国の第一歩となりましょう。」
俺は城を見上げた。
崩れかけてはいるが、確かに立派な城だ。
(……本当に、ここから国づくりが始まるのか。)
信長が俺の肩を叩く。
信長「甘蔵、胸を張れ。
これは“おぬしの国”の最初の城じゃ。」
甘蔵「……なんか、急に実感湧いてきた。」
こうして俺たちは、
魔物に占領された城の奪還戦――その第一段階を突破した。
次は、城内の攻略だ。
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