第3話 まずは土地探しから始めます!
この作品では、会話文の前に登場人物名を表記す形式を採用しています。
読みやすさを重視したこと、そしてこの物語ならではの世界観を表現する
ための工夫です。もしこの形式が合わないと感じた方は、そっとブラウザ
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光秀が現れてから数十分経った頃。
俺はというと――信長の暴走。
さらに光秀の冷静担当大臣っぷりが加わったせいで、
会話がカオス過ぎて頭を抱えていた。
信長「光秀よ。まずはこの地の地形を見て、城を築く場所を定めるぞ。」
光秀「承知いたしました。
されど信長様、この地は未だ人も資材も整っておりませぬが……。」
(そうなんだよ、俺もさっき同じこと、言ったんだよな。
やっぱり、これが普通の意見だよね。)
信長「光秀、おぬしまでそんなことを言うのか。国づくりとは“気概”じゃ。」
光秀「気概だけで城は建ちませぬ。」
(それはそう!精神論では城は建たないのよ!)
信長「そこを建てるのが武将よ。」
甘蔵「理屈が強引すぎるよぉ!!」
俺は思わずツッコんだ。
信長は相変わらず前向きすぎるし、光秀は光秀で冷静に正論をぶつけてくる。
この二人、性格は真逆なのに、なぜか会話が成立してしまうのが怖い。
光秀「甘蔵殿。」
光秀がこちらを向いた。
光秀「先ほどの“ガチャ”とやら……人材を呼び出す術なのですね?」
甘蔵「あ、うん。まあ、そんな感じ。だと思っている。」
光秀「なるほど……。では、他の武将も呼び出せる可能性があると。」
甘蔵「いや、さっき回したから、今は回せない……。
次回せるのは、10日ぐらい後じゃないと回せないね……。」
信長「甘蔵よ。」
信長が肩を叩いてくる。
信長「そんな深く考えなくともよいではないか。
試してみよ。なるようになるはずじゃ。」
甘蔵「いやいやいやいや!!回せないどころか、
無駄髪になるかもなんだよ。責任取れる!?」
信長「取る。」
甘蔵「即答!?」
光秀が小さく咳払いした。
光秀「信長様。甘蔵殿の髪の問題はさておき、国づくりには“民”が必要です。」
信長「うむ。だから甘蔵に回させる。」
甘蔵「いやいや、俺の髪の話、さておかないで!? めっちゃ重要だから!」
信長は腕を組み、うんうんと頷いた。
信長「甘蔵、次は誰が呼べる?」
甘蔵「いやいやいやいや!!まだ回すとは言ってないけど!?」
光秀「甘蔵殿。……。」
信長と光秀、二人の視線が俺に突き刺さる。
―――圧がすごい。
甘蔵「2人とも前向きになってくれているのは、ありがたい?
今後を考えたら有り難くないな。どちらにしても、
ネガティブな意見じゃないのは分ってるつもりさ、
だけど本当に今回、回せないんだ。ごめん。」
信長「次回に期待じゃのぅ。甘蔵よ。光秀もそうであろう。」
光秀「……信長様のお言葉の通り、次に望みを託すほかございますまい。
甘蔵殿、今は無理を重ねる時ではありませぬ。」
甘蔵、信長、光秀の三人は振り出しに戻り、
城を建てるのに適した土地を求めて、再び歩き始めた。
広がる草原を、ただ黙々と進む。
どれほど歩いただろうか。光秀が立ち止まり、遠くの一点を指さした。
光秀「……甘蔵殿。あれをご覧ください。」
視線の先には、丘の上にそびえる“城”があった。
甘蔵「えっ?……城? 既に建ってるの見つけちゃった?」
それを聞いた信長が言った。
信長「ほう……誰かが先に築いたか。ならば奪えばよい。」
甘蔵「いやいやいや、物騒過ぎ!信長さん!」
だが、近づくにつれて、空気が一気に引き締まった。
黒い煙が立ち上り、城壁はところどころ崩れ、
門の前には異様な影がうごめいている。
甘蔵「うわ……なんか、魔物が占領してるっぽいんだけど。」
理想の土地を探してたら、まさかの“完成済みの城”を発見。
……ただし魔物が絶賛占拠中。なんでや?
建国どころか、まずは“城の取り返し”から始まる…らしい。
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