表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生 職業がガチャ士だった俺の人間関係が複雑すぎて大変です!  作者: 紫蘭


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/15

第13話 光秀の未来!

 昨晩、光秀さんと俺がどんな話をしたのか――

 それを話しておかないと、今の光秀さんの心境なんて理解できるはずがない。

 だから、少しだけ説明しておきたい。


 光秀さんが知りたかったのは二つ。

 信長さんとの関係はこの先どうなるのか。

 そして 自分は出世できたのか。

 ただ、どんな最期を迎えたかまでは、さすがに聞けなかったのだろう。

 感覚的に、そこだけは踏み込まなかった。


 今の光秀さんは、室町幕府の幕臣でありながら信長さんの家臣でもある。

 二つの仕え先を持つ立場で、将来的には信長さん一本でいく覚悟もある。

 だからこそ、信長さんとの関係がどうなるのか――それが一番気になっていた。

 そして単純に、幕臣だろうが信長さんの家来だろうが、

 自分は出世するのか?

 そこも知りたかったのだ。


 俺は答える前に、まず前提を伝えた。


「俺の知っている光秀さんと、

 ガチャで召喚された“この世界の光秀さん”は別物だ。

 だから歴史通りになるとは限らない。」


 そう言ったのだが……今の落ち込みを見る限り、

 その前提よりも“そういう未来があった”という事実の方に、

 ショックを受けているらしい。


 それでも俺は、知っている限りの記録を伝えた。

 主君は信長さん一本になり、

 光秀さんは家臣の中で一番の出世頭になること。

 家来として家臣の中で初めて城を与えられ、

 朝廷や幕府との繋がりを活かして信長さんを支え、

 丹羽さんと並んで参謀として側近中の側近になること。


 現代風に言えば、

 光秀さんと丹羽さんが“副社長・専務”、

 柴田さん・秀吉さん・滝川さんが“領土拡大の営業部長”といったところだ。

 特に畿内平定では、光秀さんは十分すぎるほどの活躍を見せる。


 だが領土が広がるにつれ、

 光秀さんは“副社長”から“営業部長”へと仕事を回されるようになる。

 実質的な降格だ。

 その焦りが積み重なって謀反を起こしてしまったことを、

 ――俺は迷った末に、伝えてしまった。


 本当は黒幕説もあることを言おうかと思ったが、

 俺としては“降格説”が一番しっくりきたので、そちらを説明した。


 ……それが、昨晩の俺たちの会話のすべてだ。


 光秀さんは、俺の言葉を黙って聞いていた。

 表情は崩れない。

 けれど、焦点が定まってない視線がすべてを物語っていた。


「……そう、でございますか。」


 その声は、普段の落ち着きとは違い、どこか力が抜けていた。

 出世する未来を聞いても喜ばず、謀反の話を聞いても怒らず、

 ただひたすら、自分の胸の奥で何かを噛みしめているようだった。


 信長さんの家臣として誇りを持ち、

 幕臣としての責務も抱え、

 そのうえで“歴史の光秀さん”が辿った道を知ってしまった。


 光秀さんは、しばらく夜空を見上げたまま動かなかった。

 その背中は、いつもの冷静で真面目な光秀さんのものと違い、

 とても小さく見えた。


 正直、言わなきゃよかったのかもしれない。

 光秀さんのあの沈んだ顔を見るたびに、胸がチクッと痛む。


 俺は“前提が違う”って何度も言った。

 この世界の光秀さんは、俺の知っている光秀さんとは別だって。

 でも、そんな理屈は光秀さんの心には届かなかったのだろう。


「俺……余計なこと、言ったよな。」


 思わず小さく呟く。

 光秀さんの未来を守りたかったのか、

 それとも“知っておくべきだ”と勝手に思っただけなのか。

 自分でも分からない。


 ただ一つだけ確かなのは――

 光秀さんの落ち込みは、俺の言葉が原因だということだ。


 その事実が、じわじわと胸に重くのしかかってくる。


 だが今は、このスパイシーという魔王軍の軍団長をなんとかしなければ。


 彼女のガチャが光り、黒い狼――ペッパーウルフが飛び出す。

 炎が揺れ、スパイシーの影が甘蔵たちを覆う。

 スパイシーは甘蔵を見下ろすように言った。


「さあ、甘蔵くん。こちらからいかせてもらうわよぉ!」


 ガチャ士の真価が問われる展開。

 光秀の不調の中、ここから、戦いが始まる。

ご覧いただきありがとうございます!

もしよろしければブックマーク登録の方と後書きの下にあります

☆☆☆☆☆から好きな評価で応援していただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ