表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生 職業がガチャ士だった俺の人間関係が複雑すぎて大変です!  作者: 紫蘭


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/15

第11話 魔王×ラプ=ラプ!

 青い渦に飲み込まれる最後の瞬間、

 寸前で魔王は体をねじり、封印の儀の芯をずらした。

 そして、不気味な笑みを残したまま、渦の中へ沈んでいく。

「英雄、ラプ=ラプよ…………技は不完全だ。

 覚えておくがよい!我は、また戻ってくるぞ……。」


 ズォォォォォン!!

 魔王の姿が完全に渦の中に消えた。


「えっ?俺には何も言わんのかーい!!」

 複雑な気持ちでツッコミを入れる。


 ラプ=ラプは膝をつき、息が荒くなっている。もう立つ力すら残っていない。

 それでも――その『封印の儀』は、確かに戦局を変えた。


 甘蔵のツッコミが飛んだ瞬間、ラプ=ラプはかすかに笑った。

 ――ああ、うまくいったみたいだ。


 甘蔵がツッコむのは、余裕が戻った証拠だ。

 つまり、自分の『封印の儀』が“戦況をひっくり返した”ということ。

 敵が消滅し、味方の士気が戻っている。戦場の空気が、明らかに変わった。

「……なら、これだけで十分だ。」


 その背後で、封印の渦が静かに消えていく。

 それは、魔王が戻るまでの“猶予”ができた証でもあった。

 封印の残滓(ざんし)が空へと散っていく中、

 誰も気づかぬ場所で、魔王の意志が言葉となって形を成す。


「……英雄よ……敵ながら見事であった。だが――。」

 黒い霧が渦の奥で蠢く。

「封印は永遠ではない。 いずれ、必ず戻る……。」

 魔王ミッドナイトキングが青い渦へと飲み込まれたあと、

 戦場には一瞬だけ、嘘のような静けさが訪れた。


 ラプ=ラプは振り返り、穏やかな目で甘蔵を見た。

「守れたぞ。甘蔵君達の未来を…。」

 彼は確信していた。甘蔵の声が止まない限り、

 甘蔵達の戦いもまた終わることはないのだと……。

「ラプ=ラプさん!!」


 光の粒となり、ラプ=ラプは消えた。

「ラプ=ラプさん……どこに……?」

 ラプ=ラプの姿は、もうどこにもなかった。

 ただ、彼が立っていた場所にだけ、潮風の温かい気配が残っていた。


 何故、甘蔵がラプ=ラプを気にかけているのか?

 信長と光秀は気にはなっていたが、あえて口に出さずにいた。


 信長と光秀もようやく息を整え始める。

「……助かった、のか……?」

「いえ……あれは、ひとまず退いただけにございます。

 あの魔王、まだ本気ではございませぬ……。」


 突然、甘蔵はその場に崩れ落ちた。

 学生だった甘蔵には、いきなりのラスボス戦は、

 対峙するだけでも大変なことだった…。

 すっと信長は立ち上がり、甘蔵の肩を支える。

「甘蔵よ、まずは町へ戻るぞ。そなたが倒れては元も子もない。」


 光秀も頷く。

「魔王復活まで、わずかながら時は稼げ申した。

 ここはまず、態勢の立て直しが肝要にござる!」


「……そうだよね…。」

 三人は互いに支え合いながら、ゆっくりと町へ向かって歩き出した。


 落日がその余韻を消して、そして、次第に空が闇に覆われていく。

「町、まだ結構遠いよね。今日はここで休んで、明日にしよ。」


 その夜は、三人で野営することにした。

(ただの野宿なんだけれど、一応二人は武将なんでね。)


 そして、甘蔵が眠りに就こうとした時、耳元で、かすかな声がした。

『……甘蔵君……。』

「……ラプ=ラプさん?」

「さあ行け、甘蔵君。そなたの戦いはこれからだ。

 己の強さを信じ、未来を掴み取れ。……忘れるな、

 私はいつだって、君のすぐ傍にいるということを。」

 甘蔵は目を開けたが、まわりには誰の姿もなかった。


 翌朝、明け方前に町へ向けて歩き出した。

 町が近くなってきたあたりで……なんか、空気が変だ。


 山道を下る途中、風の匂いが違った。

 この匂いは、焦げた匂い。煙の匂い。

「…なんじゃ。これは…一体、何が燃えておる?」


 信長が険しい顔で前方を指す。

「まずいのう。町の方角から煙とは…。」


 甘蔵は、状況と思考がうまくかみ合わない。

 木々の隙間から、黒い煙柱が立ち上っている。

 それを見た甘蔵は呟いた。

「うそ……だろ……?」

 甘蔵は駆け出した。嫌な予感が、全身を駆け巡る。


 町の門は破壊され、地面には巨大な爪痕。

 家々は炎に包まれ、逃げ惑う人々の叫び声が響く。


「誰が……こんな……!」


 甘蔵が叫んだその時――。

 ガチャのハンドルが回る音が響いた。


 瓦礫の上に、ひとりの女性が立っていた。

 赤と黒のコート。片目に魔王紋のアイシャドウ。

 杖の先には、ガチャのハンドル。


 炎の中で、その姿は異様なほどに美麗で、

 同時に冷酷さも秘めていた。


「……あら。帰ってきたのねぇ、甘蔵くん。」

 甘蔵は動けなくなった。

「誰だ……おおめーは!」


 女性は微笑む。その笑みは、炎よりも冷たかった。

 この女性は、一体何者なのか?謎が深まっていく。

ご覧いただきありがとうございます!

もしよろしければブックマーク登録の方と後書きの下にあります

☆☆☆☆☆から好きな評価で応援していただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ