6.初仕事(参)
いつも読んでいただいてありがとうございます。可哀想な人のお話が出ます。そこまで気持ち悪くない...ない、はず、です。長いのでお時間のある時にお読みください。まだ読んだことの無い方は零話目から読んでいただけると嬉しいです。誤字脱字は確認はしましたがありましたらすみません。
___僕、こんなところで死ぬのかな、いやもうとっくに死んでる可能性だってあるんだから死んだっておかしくないか。
眼の前が真っ暗、音もなにも聞こえない、体の感覚はある。水の中にいる感じがする、まぁ血溜まりの中に突っ込んだんだから当たり前なのかもしれない。
暫くそうしていると暗闇から光るものがあった。取り敢えず死んでなくてよかったと思う、何故か眩しいのに目は痛くなくて、なんでだろう、そこになにかこの異変の答えがある気がした。そして光は僕のことを飲み込んだ。
『ここは...。』
動こうとして動けない。いや、違う、これは僕の目線じゃない、これは誰かの...。よくわからないがどうやらこの誰かは先生らしい、目(?)に写るのは職員室の光景、なんだかうちの学校の職員室と似てる気がする、
「お前なんでできないんだよ!全く、お前はなんでそんな無能なんだ。生徒の問題ぐらいお前が解決しろ!」
誰かの叫び声がする。体の主はその方向に目線を向けた。怒られている人は若くてなんだかぼろぼろで包帯まみれだった。怒っているのは位置的に恐らく教頭だろうか、なにがあったかは知らないけれどそんな怒んなく鳴っていいのに...。
「やだ、また怒られてる、」
「ほんと、生徒にイジメられてるっだなんて男性教師のくせに情けないよねwwww。」
「てか見た目不潔すぎない?なんか性理的に無理なんだけど」
近くの女性達からそんな声が聞こえる。どうやら体の主はなにか言いたそうにしていた。
「あんな無能を押し付けれて教頭も大変だよな、いい加減やめればいいのにさ」
庇うのかと思ったがどうやらそういうわけでもないようだ。なんだかいい気分は全然しない。
そうして記憶はそこで途切れ今度は場面が変わる。
「痛った...。」
今度はどこかの窓際恐らく二階だろう、底から見えるのは先程の男性教師だ。窓が空いているからだろうか、痛い、そう呟く声が聞こえた。先ほども言ったがここは僕が通っている学校の造りによく似ている。
「あははは、だっさーぁ」
「ちゃんとしてくださいよ、せんせーwwww」
上から聞こえた声今度は小学生のような声が聞こえる。そして言っている内容はあまり気持ちのいいものではない、どうやらその先生と呼ばれた男性は上の階から石を投げられたようだ。頭から血を流している。しかし、どうやら石を投げたの彼女たちではないようで、見える限りだと、その上の階にいる小学六年生くらいの男子たちが投げたようだった。彼らは『おっしゃ当たった!』、『ちぇー負けた、次は俺が当てる!』とまるでゲームでもしているかのように話している。
さらにこの馬鹿もそれを見ながらタバコを吸い、けらけらと笑っていた。
場面はまた変わった。
今度は見る限り小学生で、けれどその年令は低く恐らく低学年程度だと思われる、楽しそうな笑い声が聞こえた。よかったちゃんとした子もいるんだ、楽しそうでいいな、なんて考えた僕が悪かった。
ある子は誰かのスーツのジャケットに油性ペンで落書きをし、そしてある子は教卓に置かれたスマホを熱心に叩き割っていた。その中の子たちは悪気があるというよりも純粋に楽しんでいるようにしか見えない。どう教育したら人間はここまで腐るのだろうか。胸がとても痛くなる。そしてやっぱり自分にはなにもできないという無力感に駆られる。
そして映像は途切れる。今度は中学年程度の児童に教室だ。この胸糞悪い映像はいつまで見続ければいいのだろうかと思うが目を潰れるわけでも耳をふさげるわけでもなくてただこの視界を見続けなくてはならなかった。
ベチャッとなにかが垂れる音がする。ただ位置が悪くて中でなにが起きたかまではわからない。しばらくすると真っ青な顔をして頭に包帯を巻いた男性が教室から出てきた。その頭には給食らしき食べ物が垂れるほど乗っていた。教師という立場からやり返すことができないのだろうがどうしてもやり返せないのかと思ってしまう。男性はこいつの顔を見るとすがるような顔で見てくる、けれどこいつは
「は?なんで俺を見てるんだよ、気持ち悪りぃ、汚ねぇからとっとこの場からいなくなれ、そんな顔しても余計気持ち悪ぃんだよ、クソが」
ただそう暴言を破棄すてその場から去った。
それからは僕は何個もの”そういう場面”を見てきた。内容は反吐が出るようなものばかりだった。ただの小学生も集まるとあんなに恐ろしいものになるなんて思わなかった。
繰り返していたある時、全く雰囲気の違う場所に出る。
「やっやめろ、なんでお前にこんなことがっ...。」
眼の前にいたのはチェンソーを持った男、暗くてよくみえなかったが体格的に先程の教師だろう。教室はなんだか見覚えがあった。そうだ、これは僕たちが居た教室だ。灯りが点滅して、点いて、その表情と顔が見える。顔の造りこそ同じだが先程の弱々しい人物と同一人物とはとても思えなかった。血走った目には光はなくただ殺意だけが渦巻いていた。その形相はとても恐ろしい、それでも僕はそれに同情してしまう節があった。この男は必死で命乞いをする、それは惨めに、けれどその決心をした表情には勝てなくて男はなすすべ無く首を切断された。視界が回転する、そしてそれは床に転がった、視界に赤が広がる。そうして段々と視界がぼやけて、感覚がなくなる、最後に残った聴覚に響いたのは首を切った本人のすすり泣く声だった。
そこで感覚は途切れ気づけば僕は真っ白な空間にいた。そこではちゃんと体が見えて感覚があって声も出た。
「ちゃんと生きてる...よかったぁ」
先程の光景はなんだったんだろうか、いやそんなことよりまずは生きていることを噛み締めよう、僕は全力で伸びをした。
「それにしてもここはどこなんだ...。」
僕は歩みだそうとして足を止めた、何故なら声がしたからだ。
「おい、」
先程の体の主の声、僕は慌てて周りを見回してそれが後ろにあったことに気づく。
「貴方は...」
先程の体の主の声を発する生首、それは宙に浮いていて首からは絶えず血液が溢れ出していてけれどそれは真っ白な地面に吸収されていた。
「たっ助けてくれ、あんた俺が見えるんだろ?」
男は必死に僕に話しかけてくる、けれど...
「君がしていたことは許されることじゃない、助ける道理なんてない」
僕はきっぱり言い切った。
「いっいや、ちょっと待ってくれ頼む、」
「なに?」
僕はちょっとばかり怒った声で一応返事はした。
「あんた達ここで起きてることを解決しに来たんだろっ、あんな暴力的な奴等に事情を話したら確実放置されて終わりだ。あんただったら助けてもらえるって思って記憶を見せたんだよ、そっそれで、そうだ、ここ!、ここに起きてる変な現象はあいつが殺した奴等を強制的にこんな化物にしたんだ!、あいつがいる限り俺達は一生このままだ」
「だから?」
「だから、あいつを殺してくれ!あいつはまだ生きてるっ、恐、ろしい化物として、頼む、地獄でもいい、だから俺らをここから逃がして、成仏させてくれっ」
体はないが彼ら土下座でもするんじゃないかってくらい必死に話している。あんなに偉そうに笑ってたやつがこんな謙るとはあられなものだなと思った。僕が無視していこうとすると彼はひ弱な声で言った。
「もっもしやってくれないなら、お前の大事な友達はしっ死ぬと思え、俺、だったらあんなやつら殺せる」
最終的には脅しに出たとはなという感じだが、これが彼のできる精一杯の強がりなんだろう。友達と言われてもここから動くことのできない彼は友達を連れてこなければ別に攻撃できない。けれど先ほどの苦戦用からすると異変解平社の皆なのことは心配だ。だから僕は思った。
___ここでこいつを殺せば、皆なのこと、守れるよな。
少なくともこいつはここでは能力を使えない、もしできるんだったら僕のことを力ずくで脅せるはずだ。だったら無防備な彼をここで殺せばもし僕が現実世界に帰れなくても彼らは助かる。それだったら別に構わい。僕は懐に入れていたカッターを出す、カッターごときで人___怪異は殺せるんだろうか、よくわからないけれどやってみる価値はありそうだ。こんな腐れ外道を好きにさせるいわれはない。僕はカッターを無言で振り上げる。
「おっおい?やっやめ」
振り下ろそうとした瞬間だった。鏡が割れるように白い世界は割れた。粉々になって跡形も残らずに、
「皆な...?」
「瑠雨!!」
気がつけば僕は血溜まりの中心に立っていた。僕は途端にカッターを持っているのが怖くなってすぐにしまった。そして僕は怖くなった、これじゃあさっきの教師と同じじゃないか、ある意味状況を見たことで擬似的に同じ気持ちになっていたのかもしれない。なんであんなに簡単に殺そうという発想に至ったのか理解できない。なんならその時の僕の心情を思い出して、怖くまである。僕がその場に立ち尽くしていると
「よかったぁ、死んだかと思ったぁ」
喪模の声が聞こえた。
「瑠雨、顔色悪いけど大丈夫か?さっき血溜まりに引き込まれた時なにがあったんだ?」
露忌が心配そうに声をかけてくれる。
「上手く話せるかわからないけど...」
僕は皆に見てきて、聞いたことを伝えた。
「なぁるほど、あの子が先生に殺されたっていうのは本当だったわけね。」
「しかし、酷い(むご)い話しだな」
「つまり先生を叩かないとこの学校の異変は解決しないわけですよね...。」
「ってことは怪異を一体一体潰しても親玉倒さないとこの異変は解決しないってことか」
そう、つまりあの先生を探し出さないことこの異変は永遠に終わらないということ。
「ちなみ僕なんで助かったの?」
「嗚呼、本体?っていうか弱点的なのを探してたら天井から血が垂れてて上みたら心臓っぽいものがあったから試しに撃ったんだけどそしたらクリティカルヒットしてアンタが現れたってわけ」
もしそれで僕が永久に閉じ込められることになったらどうしたんだろうか、と思うけれど結果的に助かったのだからそれは考えないで置こう。
「そっか...。ありがとう?」
一応礼は言っておく。
「そうですね、となると警察にといつめるより昔からこの学校にいそうな先生を探して問い詰めた方が早いかもしれませんね」
幽羅は頬に手を当てて言う。
「今回は幽羅の出番は無さそうね」
喪模が微笑む、
「ええ、けれど先程の怪異が服従しなければいけないほど強い怪異なのでしたらワタクシ瑠雨を守り切るのは難しいかもしれないですし、倒すんでしたらワタクシも加勢した方がいいのではなくて?」
確かに少ない戦力を守りにふるのはあまりよくない気がする、
「僕が戦えれば...」
するとあっ、と誰かが声を上げた。
「この際だから瑠雨にも戦い方教えておこうかな」
「いいの!?」
まさかこんなあっさり教えてもらえる機会が訪れるとは。
「いや、だってどの道戦えないとこの先厳しいし...まぁ今は時間がないから軽くだけ説明するね」
戦い方を教えてもらえるなら願ったりである。是非ともよろしくお願いしたい。
「よろしく!師匠!」
「ふっ御託はいいわよ、丁度ここなら人は来ないし教えるには丁度いい。」
「確か瑠雨の武器だは大斧だったはず...。」
「斧?あの木を切るやつ?」
「はぁ...、そんなんで戦えるわけ無いだろもっとデカくて柄が長いやつだよ。ほらアニメでキャラがよく使ってるやつ、あんな感じさ」
露忌が手を広げて大体の長さを教えてくれた、どうやら結構でかいらしい。問題はそんなものを振り回せるだけの筋力が自分にあるのかとということだ。
「僕に扱えるかな...。」
「そこら辺は気にしなくても大丈夫ですよ!元々ワタクシ達、運動能力は高いですし、腕力の問題は自分の力で作るので重さはない、はず、です!取り敢えずそれ出して見ましょう」
なんがか不安なのだか大丈夫なのだろうか。
「出すってどうやって?」
出すってことは皆ながやってるみたいになにも無い所から出すってことだろうか、でも僕は方法を知らないしそんな一朝一夕でできるものなのだろうか。
「こう、3Dモデリング(?)みたいにその形をイメージしてあとはでろでろーってやる!」
説明が安直すぎるっ、出ろってたってそんな...
「けどこれは感覚に近いから説明しようとしてもしにくいんだよ、だから後は本人のセンスだ、頑張れ瑠雨。」
兎に角一度やってみよう、そう思ってやってみる。しかし残念ながら出ない。
「うっうぅ...、で、出ない」
何度か頑張ってみるがやはりそんな都合いいわけにはいかなかった。
「うーんこれは感覚掴むまでが難しいからなぁ。瑠雨、その教師と出会うまでには使えるように練習しておくこと、そしたら最低限自分のことだけ守る、おーけー?」
「おっおーけー」
若干引き気味で言う。
「よし、次は校長に話を聞きに行こうか。」
そう言って露忌は先頭を歩き出した。確かにここでは人が死んでるんだ、そんな長いできるような場所じゃない。そう思って僕も後ろについて行く。
旧校舎にはチャイムが無いのでわからなかったが幸いなことにすでに授業は始まっているらしい、廊下はしんとしていた。僕たちは廊下を進んで階段を降り、校長室まで移動した。あまり時間がかかることなく校長室の扉の前まで来ることができた。
すると露忌は校長先生が中にいることがわかったらしく扉を蹴破るような勢いで扉を開けた。露忌の足より扉が壊れないかの方が心配である。
僕が部屋に入ると何事だ、と仰け反った校長が居た。
「よう、校長。あんたここで起きてることに心あたりあるだろ?」
軽くヤンキーにも見える素振りで露忌は校長に近づいた。机に片方足を乗せ校長に攻め寄る。
「なっなんのことでしょうか」
明らかに冷や汗が出ている校長は目線をそらすことに必死だ。
「あんた見た限りだと結構年いってんだろ?じゃあここで起きた殺人事件だってしてるよなぁ?」
「ひいっ」
こんな態度とって大丈夫なのか、と思っていると幽羅耳打ちする。
「あの校長にはこのくらいの態度で接しなければ話さないでしょう?、こういうことは露忌に任せて置けば大丈夫です。」
にっこりと笑う幽羅にこれが日常茶飯時なのだろうか、と聞きたくなったが今は聞かないで置こう、兎に角僕は今は武器を出せるようにするのが最優先だ。そう思って話半分に僕は練習に入った。
「私達がそれを口外すれば学校の評判に関わるから言いたくないんでしょうけれど、このままでは死人が出るわ。」
「つまりそれは、そこにいるあいつのせいではない、ということでしょうか...。」
「薄々感づいていたのではなくて?瑠雨は偶々狙われやすかっただけのこと、これは仕組まれて生まれた異変ですわ。」
「あんた知ってるんだろ、イジメられて大量虐殺した教師のこと」
露忌はさっきのような威圧的な態度はやめ、足を下ろし落ち着いた声で話した。
校長は一瞬驚いたような顔をしたあとため息をついて
「どこで聞いたのかは知りませんがそこまで知られているならば隠すことはやめましょう。」
校長はいつもの自信に溢れた顔ではなく、なんだか重い話しをしそうな顔に変わる。
「あれは、もう三十年前のこと...」
そうして校長はぽつりぽつりと話し始めた。
読んでいただいてありがとうございます。可哀想な教師は怪異と成り果てた。この異変を瑠雨達はどう解決するのか、次回も宜しくお願いします。




