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2.崩れ始めた日常

前作を呼んでいなくてもなんとなくなら読める作品になりました。前作を読んでくださった方本当にありがとうございます。今回は書いていて楽しかったです。面白いかどうかはわかりませんが今回も是非よろしくお願いします。

 その後は特に変わったことはなくて、地図通りに電車に乗っていつもとちょっとだけ違う道を通って家に帰った。口裂け女が居た場所を見ておきたかったという気持ちもあるがもしまた別のなにかが出たら溜まったもんじゃないと思い寄り道もせず一直線に帰ってきた。林上のところで降りて左に真っ直ぐ行って商店街の入口を曲がってすぐそこにあるマンションに僕は住んでいる。エントランスに入ってエレベーターで二階まであがった。

「ただいま」

 誰もいない部屋の灯りをつけて静かにただいまとこぼす。残念なことに広くない家はあまり物のない家で住んでいて愛着のわかない家だ。家があまりに静かだからだろうか隣の戸建てからは子供と母親らしき人の笑い声が聞こえる。これをうるさいという人もいれば落ち着くという人もいる。僕は勿論後者だ。微笑ましいなと思いながらそこそこの重みのある鞄を置いた。そのまま真っすぐ進んで部屋の扉を開ける。全身鏡に写った自分は普段とは全く違くてそこそこ面白い。なぜか無駄に飾りの多い服だがちょっとおしゃれだと感じてしまうあたり昔とは同一人物なのだろうか。服を丁寧に脱いぐ、実はこの服を着るのは結構難しい。ゲームのキャラとかもこんな気持ちなのかもしれない。そのまま服を畳んで備え付けてあるクローゼットの奥にしまった。そして僕は大変なことに気づいた。

「制服...どうしよう」

 今僕は借金をして生きている。だから無駄にお金は使えない、しかし制服が完全に無い今、今度買うしかないだろう。暫くはジャージ登校になりそうだ。

 今日は変なことが多かったな、しかしあの怖かった瞬間を思い出すと恐怖で体が軋む、一人だけだと余計怖い。怖くて動けなくなってしまったは元も子もない僕は適当に夕飯を食べて風呂に入った。

 その時見たけれど本当に肩は綺麗に治っていた。もしかしたら折れたものが嘘だったのかもと思ったけれどあの痛さは本物だ。だとしたらあれは本当に特殊能力で、ってことは僕にも使えるのかもしれない。魔法じゃないなら異能とかって呼ばれているんだろうか、想像するとそれってちょっと格好いいかもしれない。僕の友達でも使えるって言ってたということなら明日聞いてみようと思った。

 風呂から出てそう遅くならないうちに僕はベッドに入った。宿題は勿論やっていないが明日青花にでも頼んで移させて貰おう。そう思って布団を被ると強烈に眠気が襲ってきた。そして僕はそのまま朝までぐっすり...寝たかった。

「朝...?」

 そう思って目を開けたのはいいが残念ながら朝ではなかった時間は四時四十四分なんとも不吉な時刻だ。まぁ暫く目を瞑っていれば勝手に寝るだろうと思って布団を被る、しかしいくら経っても眠りにつくことはできなかった。そして一つ気になっていたことがある。

 僕はベッドに潜りながらも誰かからの視線を感じていた。そういったらなんだか厨二病臭いかもしれないがとにかく誰かから見られている気がしたのだ。気の所為かもしれないがさっきより部屋が涼しい気がする。夕方のことがあったからだろうか、怖い妄想が頭から離れない。もしなにか、彼らの言っていた怪異が居たら僕はどうすればいい、叫んで、逃げて、でもあの時僕は逃げられなかった。このままじっとしていれば時期に朝が来る、耐えよう。そう思った。でもそんなに簡単な話じゃなかった。

 あれから体感ですでに三〇分は経った。なのに薄目で見た窓からは光が入って来ない。

___おかしい。

 そう思って時計を見る、しかし時計は動いていなかった。壊れたか、とも思ったが窓を見る限り本当に時間が進んでいないと思った。

 だったらいっそ飛び起きればいいのではないかと思ってくる、そうだきっと変な妄想に決まってる。そんな頻度で怪異に合うなんておかしい。起きたらいつもの味気ない部屋が待っている、そう信じて体を起き上がらせた。

 目線を左から右に動かす。最初の方はなにも見えなくてよかった、ほら何も居ないじゃないか。大丈夫やっぱり寝ようそう思って視線を右に動かした時だった。

___居るっ!!

 顔は女がんぎまった目がこちらをじっと見ている。女の髪はとても長くて床に着くギリギリだ。そしてその体は細く箪笥と箪笥の隙間に挟まっていてありえないぐらい細いのにそれが自然に見えるところがまた

恐怖心を煽る。驚いたが特になにかしてくるわけでもない、いつも通りただいるだけの怪異かと思って再び布団に戻ろうとするそして僕自身が動けないことをし知った。目も体も頭も指一本さえ動かなかった。それはつまり存在を認識されたということ。どうしよう、夕方の時のような恐怖が襲う逃げようとしても逃げられない。どうすれば、どうすればこの状況をどうにかできるんだろう、電話する?、いや動けないんだからできるわけがない。いや、もしかしたらこのまま放っておけばどこかに行くかもしれない。

 あれなんだろう、気持ちわるい、さっきからどんどん頭が痛くなって視界がブレる。耳鳴りもしてきた、このまま見続けたら気がおかしくなりそうだ。そう思っても体は動かない、必死で目をそらそうとするがいくらそうしても動かなかった。そして僕の耳に聞き覚えのある音がなった。

___ピロンッ

 その音がなったのと同時に僕の体は動くようになった。助かった、ひとまずそう思いながらベッドサイドに置かれていたスマホを手に取る。目をそらしてからはブレていた視界が段々元に戻ってきた。すると画面に映る文字が鮮明になってきた。

『貴方は....好きですか?』

 ロック画面のはずなのに広告が出てきた。よくわからないと思っているとピロンッとまた音が鳴る。

『貴方は赤い...好きですか?』

 今度はそんな文字が上に重なるようにして表示される。そしてまた音がなった。

『貴方は赤い部屋が好きですか?』

 ....が埋まるようにして次々と文字が表示されていった。次そしてまた次。次とどんどん速いペースでその広告は表示されるようになった。

 そして最後に表示されたのは赤い背景に黒い文字で大量に人の名前が書いてあった。それがどんどん下にスワイプされていき最後に表示されたのは

『隙間女』

 そう書かれていた。

「あ゛あ゛あぁあ」

 後ろから声が聞こえる。

___さっきの奴....

「え?」

 眼の前にいたのは何故が具現化している先ほどの広告、それが先程の女を取り囲んでいる。そして苦しそうに悶える女。自分にはどういう状況だかわからなかった。そうしている間にもその具現化した質問は増え続けていてその度に唸り声が聞こえてくる。

 なにをどうすればいいのかさっぱりわからない、今ここにある謎の現象は僕のことを助けているのか、それもとも偶々僕が標的にならなかっただけか取り敢えずなにかあっては駄目だと思いスマホに表示されてるそれの✕ボタンを押した。

 それとどうじだった。

 バンッグシャッ

 破裂した。有り得ないと思うほどの血を流して、破裂した。いろいろなものが飛び散って僕の体と顔面にかかる。この時あっ怪異ってちゃんと内蔵あるだとか思っていた僕はきっと馬鹿だろう。でも、現実逃避せずにはいられなかった。眼の前の惨状があまりにも酷すぎて。

 視界がぼやける、アイツのせいじゃない僕は気を失ってその場に倒れた。


 飛び起きた、悪い夢でも見たようだった。しかし自分の目に写るのはただの寂しい部屋、あのグロテスク場惨状も謎に具現化した画面ももうそこにはなかった。もしかしたら本当に悪夢だったのかもしれない。ベッドの横に置いてあるスマホを手に取った。時間は六時半、今日は遅刻しないだろう。そして昨日見た広告の形跡も一切ない。


 僕は不穏な気持ちを抱えながら学校へ向かった。今朝のあったかもしれない記憶が怖くて俯きながらあるいく。不意に背中が叩かれた。

「おっはさん瑠雨!どうした?暗い顔してホラー映画でも見たのか?」

 紫貴、学校の友人だ。

「おっおはよ紫貴、いやまじでまいったことにめっちゃグロい夢見て...」

「どんまいすぎるwwww、てかなんでジャージなわけ?」

 そうだ取り柄あえずあれは夢、そう夢なんだ。というか怪異が人間とコンタクトを取ってくる方法として都市伝説があるのなら昨日のあれも都市伝説なのかもししれない。しかしそれを調べたとてなにかいいことはあるのだろうか、もしかしたら対策方法とかわかるかもしれないしいや、対策方法って一体いくつあるんだ。今はとにかくもう遭遇することはないという前提で動こう。

「瑠雨?」

「っ!ごめん、ちょっと考え事してただけ、で、ええとジャージ!そう、転んで駄目にしたんだよだから暫くはこのままなわけ、最悪」

「ふーん、そういえばさ昨日お前の家の近くで女の死体が二人見つかったらしいんだけどその後警察が来たら消えてたらしいぜ、本当血の一滴も残さずにさ」

「えっ消えた?」

 死体というのはあの口裂け女のことで間違いない、恐らく近くに通りかかった人が通報したんだろう、それにしても消えたってどういうことなんだろうか、

「そう、死体だけ消えたとかそんなレベルの話じゃなかったって、一瞬目を話した隙にみーんな消えてたらしいわ。俺も気になって夜見に行ったんだけど封鎖されててよくわかんなかったわ」

 消えた、これが本当なら今朝僕が見たあれも死んだ後消えたのかもしれない。悪夢の信憑性が増してしまった。あの光景がフラッシュバックして顔の血の気が一気に引く。動けなくておかしくなりそうでそれもすごく怖かったけれどそのあとに見た凄惨な現場が頭にこびりついて離れない。

「お前、本当に大丈夫か?顔真っ青だぞ」

「大丈...」

 大丈夫、そう言おうとした所、僕はその場に崩れ落ちた。


 僕が次に目を覚ましたのは学校の保健室だった。僕は保健室のベッドで目が覚める。そこには心配そうに顔を覗き込む紫貴の顔があった。

「あれ?紫貴?僕...」

「よかった。突然倒れるからびっくりしたんだぜ?」

 ゆっくりと起き上がる。紫貴は背中を支えてれた。どうやら僕は気を失って倒れたようだ。

「ありがとう。」

 取り敢えず礼を言うすると紫貴は小っ恥ずかしそうに頭を掻きながら

「授業サボれてるからそれちゃらな」

 と言った。僕の友人はなんて優しいんだろう。

 そして暫く僕たちは他愛ない話をした。保健室の先生は会議で席を外していたから先生が帰ってくるまではほぼ自由時間だ。部活の話だったりこれから来る夏休みの話をした。そうしていると今朝の怖さも少しずつひいてくる。取り敢えず僕はあれは夢だと思い込むことにした。事実だろうが夢だろうが今の僕は無事なのだから変に怖がるほうがよくない。そうして暫くしていたらなんだかトイレに行きたくなってきた。

「悪い、紫貴ちょっと便所行ってくるわ」

「あっじゃあ俺も行く」

 先生が戻ってきたら怒られるだろうが勝手に教室に戻っても怒られるだろうし待っていたら行きたくなったからちょっとだけ席を外したと事実のまま伝えればそこまで怒られることはないはずだ。ベッドから降りて廊下に出た。

 次に変なことが起きたのは手を洗っている時だった。

 なかなか個室から出てこない紫貴に声をかけようと顔を動かした時だ。一瞬鏡の動きが僕より遅くなった気がした。不思議に思いもう一度鏡に向き直って体や目を動かしてみる、特に変わったことはなかった気の所為かも、と思っていたら個室のドアが開いて紫貴が出てきた。僕は手を洗い終わってハンカチで手を拭く先出てるそういってトイレのドアに手を掛けた。

___バチンッ

 そう音を立てて蛍光灯が消えた。

「なんだ!?」

 紫貴が驚いて上を見上げる。

「故障じゃない?ほらこの校舎オンボロだし...」

 そうであってくれと願いながら僕は言った。

「そっそうだよな...。なんだよ驚かせやがって」

 乾いた笑いを見せながらドアを開けようとして、

「あれっ開かないっ」

 ドアが開かなかった。押しと引きを間違えたかと思って反対に押してみるがびくともしない。体重をかけて全力で引っ張っても押してもドアはびくともしなかった。

「おいおい、なんだよ」

 紫貴がこっちに歩いてこようとして僕は気づきたくないものに気がついてしまった。

「紫貴逃げろ!!」

「は?」

 鏡だ、鏡に写った紫貴の姿が鏡に大して横に向いていたはずの紫貴をじっと見つめている。僕がそう叫んだ時その顔不気味に頬を釣り上げた。

「わっなんだこれ、ちょっ離せっ」

 鏡から紫の手が伸びてくる。その手は紫貴の体を掴んで鏡の中に引きずり込もうとしていた。怖くて立ちすくんでいた僕に紫貴の声が響く。僕は急いで彼のもとに向かって紫貴の体を引っ張った。だけど沢山生えている手には僕は抵抗できなくて一緒に引っ張られていく。それだけじゃなくて鏡は紫色に光り、新たな手が生えてきて僕のことも引っ張ってきた。

「っなん、で、またこんな目にっ」

 そうだ、電話__!!。その時思いついた。けれど今のこの状況でかけられる余裕はない。電話しろってたってできない状況ばっかりじゃないか、打つ手無し、と思った時だった。

『ブラッディマリー』

 どこからかそんな声がした。どこかで聞いたことあるよな声、なんだそれそう思っていると紫貴がハッとしたような顔をして

「ブラッディマリー、ブラッディマリー、ブラッディマリー!!」

 大声で復唱した。僕にはよくわからなった、けれどそれのよくわからない単語はすぐに効果を発揮した。紫色に輝いた鏡は突如色を失ってパリンッと音を立てて割れる。そしてそこには血まみれの女が写る。その女は段々と近づいてくる。普通の人間と同じくらいのサイズになってそれは手を伸ばしてきた。その手は紫貴と僕を掴んでた手を掴んだ。そして僕たちを掴んでいた手はその女の手に引っかかれ皮膚が裂けた。瞬間、ものすごい叫び声がして、痛い痛い痛い、そう声がして2つの怪異は鏡の中に引っ込んでいった。そして放り出されるようにして僕たちは将棋倒しのように転んだ。同時に電気が点く。どちらも引き込まれないように全力だったから息が切れている。

「はぁ、はぁ...今、のは、なん、だったんだ...。」

「わ、かん、ない」

 僕たちは顔を見合わせて、恐怖が今になって押し寄せてきて17歳とは思えない悲鳴を上げてトイレから二人で走って全力で逃げた。今度はちゃんとドアが開いて外に出ることができた。

 

 その後悲鳴を聞きつけた先生達が集まってきて理由を聞かれて、話すことには話したがだれも信じてはくれなかった。たださっきのが夢じゃないとわかるのはあの手が出てきた鏡が粉々に壊れていたこと。僕たちは怖かったね、そう言われるどころかふざけてガラスを割った犯人として職員室で怒られることになった。

 その後は友達皆と合流して僕と紫貴は肩を寄せ合って怯えながら帰った。因みに帰りながら聞いたけれどブラッディマリーとは外国の都市伝説らしい、都市伝説に助けられる、そんなこと本当にあるのだろうか。


 僕の願いはただ平穏に生きること。

___でも僕の恐怖はこんな所では終わらないし、平穏からはどんどん遠ざかっていった。

呼んでくださってありがとうございます。できるだけ面白くかけるように頑張りますので今後ともよろしくお願いします。本当は怖く書きたいのですが書き方はさっぱりわかりません、ですので勢いで読んで面白い作品にできるように精進してまいります。

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