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17.三瀬ダムの怪(陸)(三瀬ダムの怪完結)

いつもありがとうございます。

今回で三瀬ダムの怪は終了となります。今回は大分短いです。

宜しくお願いします。

 僕達が裂け目を通り抜けた後、すぐに裂け目は完全に閉じきった。

「はぁ...なんとかなったわね。」

 通り抜けたあとすぐに喪模は振り返って全員通り抜けたことを知るとその場に座り込んだ。

「全員無事でよかった。瑠雨が軽くて持ちやすかったから普通に動けた、助かった。」

「喪模は中々の功労者ですね。」

 僕達が一息着くと警官達が寄ってくる。

「あの、一体なにが...?」

 一人の警官が恐る恐る聞いた。

「ん?嗚呼、今回の異変は解決したわよ。原因はこいつ。」

 そう言って喪模は忌箱を掲げる。

「なんですか?それ、」

 別の警官が言う。

「一言で言ったら呪いの箱です。開けたら間違いなく死ぬ類のモノなので触らないようにしてください。」

 珍しそうに覗き込む警戒を他所に別の警官が

「これちょっと触って見てもいいですか?」

 と喪模に聞いていた。どうやら少年心が理性に勝ったようだ。許可を取った警官はそれを持ち上げようとして、『重っ』というとすぐ地面に置いた。これは作り出したのが自分だから重さを感じないだけなのだろうか、それとも単純に馬鹿力なのだろうか。

「で、これをどう処分するか、なんですけど...」

 そういうと喪模と幽羅がある一点を見つめた。

「...俺?」

 それは露忌だった。

 うんうん、と同時に頷く。

「だって露忌の家、神社でしょ?供養できるかと思って。」

「んーああ゛しょうがないな」

 非常に面倒くさそうに言った。家庭のことはこんなに簡単に触れて良いものなのだろうか。

 よいしょっと言って喪模が立ち上がる。

「そんじゃ異変もどうにかなったし帰ろっか。」

 スッと武器を消したので警官が驚いていた。まぁ魔法みたいだもんな、わかるよ。警察の中には半人外はいないのだろうか。それとも半人外は半人外でも能力が違ったりするんだろうか。

「あっ矢口さん!」

 その人の姿を見つけると幽羅が駆け寄る。

「お疲れさん、終わったのか?」

「はい。ワタクシはなにもできませんでしたが、無事終わりました。ちょっ」

 そこに喪模が入っていき幽羅の肩に腕を掛けた。

「なにもしてなくないでしょぉ?ここはワタクシが出ます、だって、ね?」

「っ恥ずかしいから言わないでくださいよ...///。」

 幽羅が顔を赤く染めながら照れくさそうに言った。

「それじゃあ、後のことは宜しくお願いします。」

 丁寧に頭を下げると矢口さんはわかった、というと警官達の所へ移動した。どうやらそこそこ職は高めのようだ。

 僕達は車まで移動する。


「あー疲れた。早く帰りたいわ。」

「運転するのは俺なんだからな?ちょっとは敬意を払え」

「わかったわかった。」

 喪模達がそんな話しをしながら無事車に乗り込んだ。


「出すぞ。」

 声と共に車が発車する。

 僕達は三瀬ダムを後にした。


 帰り道中、車内にて。


「まさかお姉ちゃんを出してた所に自分から入りに行くなんてね。これ、大分便利なんじゃない?」

「能力に発見があってよかったですね。」

 異変解平社の間柄でもまだ能力について完全には理解していないらしい。

「時間制限があるのだけどうにかできれば最高なんだがな。」

「そういえば幽羅は結局どういう能力なのさ?」

 回復したり破壊したりもうめちゃくちゃな能力じゃないか。

「ワタクシのロールは復証者、記憶した状態に戻して表したりもう一度それの始まりまで繰り返す能力です。破裂して見えるのは変化に耐えられなくて暴走して破裂したからで、便利といえば便利な能力なんですよ。」

 ニコニコとした顔で言っているが敵にしたらかなり怖そうな能力だ。僕は血の気が冷める。そうだ、ロールとは絶対神から授かった運命とか使命みたいなものでそのロールがわかるタイミングは人それぞれだ。大体は好意的な半神に教えてもらったりと色々ある。

「へっへぇ...。」

「そうだ、幽羅にも言われたけど私もちゃんと能力使えるようにしないと...お姉ちゃん召喚した時は大体お姉ちゃんに戦って貰ってるから今回みたいな時に大鎌、振れるようにしないとなぁ。」

「いや、でも見た感じぎこちなさ無かったし、銃みたい使ってるより楽しそうだったよ。」

「げっなんかそれ戦闘狂みたいじゃない?」

 嫌そうな顔をする。事実を言ったまでなので返答のしようがない。ロリータ服(?)で大鎌を振り回している姿はなんだか夢があって良いと思う。

「そういや、瑠雨はもうちょっと夏休みなんだろ?」

「うん、そうだけど。どうかした?」

「いや、なんでもn...」

「アンタは一人で実家帰るのが嫌なだけでしょ?」

 喪模がずばりと言う。

「なんでわかった!?」

 どうやら当たりだったようだ。今度はちゃんと前向いてる、よし。

「僕は行ってもいいけど?」

「おっしゃ。喪模と幽羅は...言わなくても来るよな。」

「「当然。」」

「うちのお嬢さん方はノリが良いからな、嗚呼、これで最悪は回避できそうだ。」

 そう言うと片手を胸に当てて胸を撫で下ろした。

「ところで露忌の実家ってどこにあるのさ?」

「「「京都」」」

「京都!?ってあの?」

「そう、俺の家京都にあんのよ。」

「...なんとかどすぅ、とか言うの?」

「言うか馬鹿。」

 ちょっとムキになった声で帰ってくる。僕は面白くて笑う。

「楽しみだなぁ、京都。」

 僕は誰にも聞こえない声で呟く。


 そうして僕の三瀬ダムの怪は終わった___。

読んでくださってありがとうございました。

次の舞台は京都です。宜しくお願いします。

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