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11.5 間話(変わった日常とそっくりさん)

読んでいただいてありがとうございます。間話ですが読まないと次の話に入った時に違和感があると思うので宜しくお願いします。異変には次回突入します。

今回は短いです。

宜しくお願いします。

 次の日

 今日も天気はよく晴れている。そういえば夏休みまであまり日がないことに気がついた。これだったら学校を沢山休むことなく仕事ができそうだ。借金だらけで生きていくより少しでも自分で稼げるならちょっとは肩も軽くなるものだ。

 僕はいつも通り教室の扉を開けた。今日は遅刻はしていない。最近怪異を見かけないから夜もちゃんと眠れる故に遅刻することが減ったのだろう。

「瑠雨、おはよ。」

「瑠雨くんおはよう。」

 異変が解決して以来僕が変な目で見られることは減った。というか教室の人たちが媚を売っているようにも見える。何故だかはわからないが気狂い扱いされるよりはずっといい。しかしチート漫画の主人公のように人はよってこないし、特別扱いされることもない。

 そうだ、変わったことで少し面白かったのは教員達がなんだかツンデレのようになったことだ。どんな感じかというと『別にお前を認めたわけじゃないし、変なことしたら追い出してやるかな』という感じ。文章だけで見るとただ敵対視されてるようにも見えるが言い方がツンデレのそれで面白い。

「瑠雨、クラスの奴らから変な目で見られなくなってよかったな。」

 僕が席に座ると目の前の席に座ってそういった。

「青花...本当によかったよ。あのままだったら学校やめてたね。」

 軽く冗談めかして言う。青花は軽く笑ったあと

「お前が無事でよかったよ。」

 ほっとした、そう告げた。

 青花は僕が周りから変な目で見られた時も、友達が皆んな話してくれなくなった時も、そして今も、全く態度を変えない。彼は怪異のことをちゃんと知らない。ただおかしなことが起きたとしか多分思ってないんだと思う。仕事のことを話したり、特別に大事にしたりしたら今度は僕のように彼が狙われるかも知れない、だからあの異変のことも仕事のことも詳しくは言えない。

 彼は僕に隠し事をしないし、なにがあっても僕のことを信じてくれる。なのに僕は全部を言えないことがもどかしかった。

「ありがと。」

 僕はこの時ちゃんと彼を見て言えただろうか。

 丁度同時にチャイムが鳴る。

「ホームルームだからまたな。」

 青花は手を振って自分の席へ向かっていった。

 僕の友達はあれ以来青花だけになってしまった。実は異変を解決した後日離れていった友人が僕に向かって「俺も気の所為だと思ってたんだ。な、だからちょっと前のことは忘れて仲良くしてくれよ。」とすり寄って来た。勿論例外無く他の友人たちも、

 けれどそれで許したとして本当の友達と言えるのだろうか。

 本当じゃないかもしれない噂を信じて勝手に離れて誤解だとわかったらまた戻ってきて。また同じことになった時きっと彼らは同じ行動を取るだろう。そんな人達を友達とは僕は思いたくない、だから全員突っぱねた。

 その時から彼らとは気まずい関係になってしまったがクラスも違うし大した影響は無い。それに僕は本当の友達を知ることができた。だから、もういいんだ。


 先生が入って来て起立してそれからまた一日が始まる。この平穏がずっと続けばいいと思った。けれど、もう僕は足を踏み入れてしまったからそれはきっと叶わないんだろう。


 それから時間が経って夕方。学校が終わって帰る時間になった。

「瑠雨、今日一緒に帰らないか?」

 青花で僕の前に来て、よう、と言った。

「うん、そうだね。嗚呼、でも職員室に寄ってから行くから先帰ってていいよ。」

「なぁ瑠雨、最近バイト先に行ってばっかりで全然帰れてねぇじゃん。たまにはいいだろ?」

 確かに最近は異変解平社に行ってばかりで青花とは全然一緒に帰ってなかったな。

「わかった。じゃあ職員室の前でちょっと待っててくれ」

「おっしゃあ!了解」

 青花が楽しそうな顔をした。なによりである。

 僕達は荷物を持って教室を出た。それから職員室へ向かって歩き出す。

「そういえばさ、海と美寿付き合ったらしいぜ」

「え!?ほんとに?まぁあいつらならありえるか...。」

 海と美寿は僕の元友達だ。あの時以来会っていないからどういう経緯でそうなったかまではわからないが確かに思い出してみればあの二人だけ距離が近かったような気もする。関係を切っても離れていった悲しさもあるし、もう話せないもどかしさもあるけれどまずはおめでとうと言いたい。まぁもう言うことは叶わないが。

「青花は今もあいつらと話してるのか?」

「えっまぁちょこちょこ?それがどうかしたん?」

「いや、なんでもない」

 なんだかちょっと羨ましい。僕はもう前みたいに話せないしもしあの時許して一緒にいたとしても一度裏切られた悲しさがあるから、完全に昔みたいに話すことはなかっただろう。

 そんなことを話していたら職員室に着いた。

「じゃあ僕はちょっとこれ出してくるから待ってて。」

 青花にそう告げて僕は職員室に入る。


 話は簡単に終わった。職員室で校長を見かけたけれど、前より丸くなったというか、優しくなっていた。

 案外簡単に許可が出て拍子抜けしてしまった。もっとなんでだとかそんなの認めないとか言われるかと思った。

「ただいま。」

「おかえり、早かったな。」

「うん、じゃあ帰ろっか。」

「おう」


 僕達は久しぶりに一緒に校門から出た。そのまま歩いて大通りの信号で待つ。


「てか好きなバンドCDが出てそれで当たり券入ってたからめっちゃ大量買いしちまってさぁ、よかったら一枚要らないか?」

「えーでも僕バントとか興味無いし...」

 道路の反対側丁度僕のいる反対の位置、見覚えのある姿があった。

「喪模...?」

 遠くからなので朧げだが濃いピンク色の髪でツインテール、背格好も似ていて一見それは喪模に似ていた。しかし服装の雰囲気は違う。

「モモ?嗚呼、こないだ学校に着てた人達の一人か?」

「わかるの?」

「俺結構視力良いし、でも、あれなんか違う...?」

 青花が不思議そうに目を細める。少し見を前に出しているので車に引っ掛けられないか心配だ。

「なんか違うよな...。」

 青花も同じことを思っていたようで僕もそれに頷く。でもどこが違うかはわからない。

「なんかっていうか、目が...」

 その瞬間ぴよぴよと音が鳴って信号が赤から青に変わる。

「同じ職場なんだろ?声かけなくていいのかよ、」

「あ、嗚呼、そうだな...」

 僕たちは喪模らしき人を見ながら歩き出した。段々と距離が近くなる。するとピントが合って姿が鮮明に見えた。

___喪模じゃない?

 その少女は口元は貼り付けたように笑顔なのに目は全く笑っていなかった。それに目が、瞳孔が、真っ黒だった。あまりじろじろ見るものじゃないがその中に黒いになにかが渦巻いているようにも見える。

「喪模...なのか?」

 姿形は似ていても明確に違うなにかがあった。僕は信号で立ち止まる。少女は立ち止まることなくこちらに歩いてきてふと僕と目が合った。

「ふふっ」

 少女らしい笑い声が一瞬聞こえる。その瞬間だけ時が遅くなったようだった。

 気がつけば彼女はすれ違っていて僕たちは慌てて後ろを振り返る。

 けれどそこに彼女はいなかった。

「消え、た...?」

 青花が目を見開いた。

「消えた...。でも喪模はそんな能力じゃなかったはずじゃ、」

 僕達は怖くなって一緒に抱き合って。全力で走った。知人に似た、なにかと遭遇してしまった。なんだかとても怖かった気がする。ある程度走って僕達は立ち止まった。

「いっ今のなんだよ!?」

「わっわかんない」

 僕は怯えながら全力で首を振った。

「そっくりさん?なのか、それにしても似すぎだろ」

「お化け?それとも半人外?」

「そうだ、喪模に似た半人外だ!そうだ、それなら大丈夫。お化けじゃない、多分。」

 この時はまだ知らなかったんだ。まさかあれで____なんて。

 その後は肩を寄せ合って帰った。取り敢えずはさっきの結論で行くことにしたが、どうにも疑問が残る。そうだ明日喪模に聞いてみよう。

 青花と別れて僕は足早にその場を去った。

 

 家に帰ってから喪模から『今日はこっち来ない?』と連絡があることに気がついた。

『うん、今日は家帰った。』

『わかった。明日なんだけど七時に事務所集合でよろしく。』

 明日依頼があったことはすっかり忘れていた。記憶ができてから東京から出るのは初めてだ。少しだけわくわくする。

『そういえばなんだけど今日、林上の交差点に来た?』

 一応聞いておく、僕的にはあれは別人であってほしい。もしあれが喪模だというのならちょっとばかり怖すぎる。

『いるわけないじゃない、今日はちょっとこっちの仕事あったから出払ってたし』

 どうやら僕がいない間にも仕事をしていたらしい。社会人は大変だなとつくづく思う。

『そっか、ありがとう。じゃあまた明日。』

 OKと書かれたスタンプが送られてきた所で僕はスマホを閉じた。

 遠出するのは初めてだ。早い気もするけれど今から支度しておこう。別に大した荷物もないが、要は遠足に行く前にわくわくする小学生と同じだ。

 

 その日は興奮して眠れなかった。本当に小学生のようである。

 

 次の日少し寝不足だが僕はなんとか起きてリュックを持って玄関から出る。

 電車の中の人は多くもなく少なくもなくといった感じで渋谷に近づくほど乗客は増えていった。運良く吸われた僕は何駅か電車に揺られて渋谷についた。

 未だに地図を見ないといけないのでスマホに睨み合いながら向かう。多少なりとも慣れてきたのか途中からはなんとなくで行くことができる。

 事務所の眼の前までついて僕は階段を登って二階まで上がる、インターフォンをならすか迷ったが流石にもう大丈夫だろうと思ってドアを開けた。


 ドアを開けて僕は固まった。なぜならすごい状況になっていたから、

読んでくださってありがとうございました。喪模のそっくりさんは一体誰なのでしょうかね。

瑠雨が事務所で見た光景とはなんなのか、次の異変はどんな場所なのか次回も宜しくお願いします。

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