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伝えたか

 どうやら魔物使いは一人で行動できるだけの様々な能力があるようだった。

 魔法使いという意味でもかなり高度な能力を持っているらしい。けれど、


「そんな人物が一体何をしようとしているのか……普通にアンの妹の病気の治療、というわけではなさそうです」


 ミミがそこで黙り、僕も何かヒントがないかと考えてみたけれど、分からない。

 そこでサナが、


「でもどうして宝玉の力を知ったのでしょうか? 以前使われた現場にいた人の子孫がいた、といった所でしょうか?」

「その場にいたのは、おそらくは我々の長達だと思うのですが、その力を徹底的に隠していたがために誰かに見られることはないと思いたいです。ですが、それでも見ようとするならば……その聖剣を壊したという魔剣にまつわる者達でしょうか? ……そういえば三百年ほど前、魔剣を持つ者達は、魔物を操ったと聞いています。もしかしたなら、破壊した魔剣の再生が目的なのでしょうか?」


 そこまでミミは呟いてから少し黙って、


「ですが宝玉の正確な使い方を彼らは知らないはず……でもアンはしっている。だから話しているかもしれない」


 ミミが真剣に悩んだように黙ってから、次に気絶しているアンを見て、軽く揺さぶる。と、


「んんっ……な!」

「気絶させて今はこんでいる最中です。そして、リリの呪いは解除した、だから貴方が私達と戦う理由はありませんよ」

「嘘です。あの呪いはそう簡単には……」

「女神様の客人で、魔法に秀たアラタ様が治してくださいましたよ。お礼を言っておいた方が良いのでは?」

「……」

「もっとも口で言っても信用できないですよね。それで、その話は置いておくとして私が聞きたい事が一つあります。アン、貴方は宝玉の使い方を“魔物使い”にしましたか?」


 そう、ミミはアンに問いかけたのだった。

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