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町の外へ

 ギルド近くで、もう会えそうにないなと思っていたらシェルが姿を現した。

 しかも、この前のウソがばれたらしい。

 確かにミミと一緒に居るのを見れば、関係ないとは言えない。


 そこでシェルが笑った。


「丁度いいわ。ミミがここに戻って来たという事は、宝玉を手に入れた可能性があるわよね。だったらこのまま倒して宝玉だけもらってしまえばいいわ」

「……そんな簡単に私を倒せると思っているのですか?」


 ミミが怒ったようにそう告げると、


「だって兎族の里で倒したじゃない。そもそも私は猫耳だよ? 私に魔力で勝てるわけないじゃない」


 ふふんと笑ったシェルだがそこで、ミミが僕の手を引っ張った。


「残念ですがここにアラタがいます。アラタは貴方よりも強いですよ」


 といったように突然僕が、話の中心に連れてこられた。

 どう考えても今の会話はミミとシェルの一騎打ちになるように聞こえたのだ。

 そう僕が困惑しているとそこでミミが僕の耳元で小さな声で、


「このまま挑発してこの町から外に連れていきましょう。それから集団で戦います」

「そ、それって卑怯なんじゃ……」

「あの子の被害が尋常じゃなく大きくなります。しかも今は“魔物使い”もいないので倒してこちらに引き込める絶好の機会です」


 確かに今ならば戦力も分散して倒しやすくなっている。

 ならば大変なことに手を貸そうとしている彼女を、こちら側に連れ戻せるかもしれない。

 それだったら僕も協力しようと思って、小さく分かりましたとミミに頷くとミミがシェルに、


「ここは人通りが多いですから町の外に出ましょう」

「……まあいいか。全員で襲ってきても私勝てる自信あるもん」


 と、シェルが言って、町の外はこっちだね、と言って走り出したのだった。

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