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第二十一話

 第五階層に潜ってから二日が過ぎた。

 ……予想通り、ゴブリン亜種狩りはてこずった。それでも、今では集団相手でも戦えるようになった。


 ステータスの上昇がなくなったので、俺たちは第六階層……第七階層を目指すことにした。

 第六階層で戦う必要はまったくないと俺は思っている。魔物が複数種出てくるため、単純にやりにくい。


 おまけに、すでにどっちの魔物を倒しても、ステータスへの影響は数値上では見えない。もしかしたら、内部の経験値的なものはたまっているのかもしれない。けど、見えないからな……無理に狩る必要はないと思う。


 それに、仮にあがっていても微々たるものであるのは明白だ。

 なら、もっと先にいって新しい魔物で稼いだ方がいい。

 というわけで、第六階層を移動していく。

 スラスラとゴブッチも、かなり頼れるようになった。


 まずはスラスラだ。第五階層で何度か戦ったときに、スラスラもレベルアップした。これには俺も嫉妬した。スラスラがゴブッチにやっていたように、嫉妬のパンチを何度か浴びせてやったが、嬉しそうであった。


 新しくエンチャント魔法を覚えたので、これでスラスラがスライム種の魔物を相手できるようになった。ちょうど、これから挑む予定の第七階層にはうってつけだ。

 

 スラスラのレベルアップによって、自分の亜種を倒すのではなく単純に魔物を多く倒して経験値を稼ぐことでレベルアップが可能ということもわかったしな。


 ゴブッチもレベルアップに合わせて新しいスキルを覚えていた。

 それは、ハイ・ゴブリンが使っていたあの咆哮だ。

 ……あれにくらべれば、いくぶん威力は弱かったが、例えば囲まれたときに周囲を吹き飛ばす程度の威力はあった。

 これにより、近接アタッカーとしての価値があがった。


 俺も、ゴブリン亜種との戦いを通して、ステータスが大きくあがっている。

 ただ、レベルアップは未だなしっ! すべてのステータスがSSSである150を超えたというのに、何もない。


 みんながスキルや魔法で戦っているというのに、俺だけ剣で殴り、かわし、そして斬る……という動きしかできないでいた。

 これだと俺が脳筋みたいだ。なまじ、物攻のステータスが高いのもそれに拍車をかけているようだった。


 第六階層は最低限の戦いだけで切り抜け、俺たちは第七階層へと向かう。


「ここに出現する魔物がスライム亜種だよな?」

「ええ、赤色のスライムよ。火をはいてくるから気を付けてね」


 ……それは厄介だな。

 今まで、そういう防ぎにくそうな攻撃をしてくる奴はほとんどいなかった。

 スライム種とはあまりやりたくないな、というのが俺の本音だ。


 俺は攻撃スキルを持っていないから、誰かのエンチャントが必要というのもな。

 しばらく歩くと、第七階層についた。


 現れたのは、事前に聞いていた通りの魔物だ。

 スライム亜種たちはのそのそと移動している。体は赤色……まさに火を吐いてきそうな奴らだ。


 スラスラと実紅がエンチャントを行い、俺とゴブッチの武器に属性が付与された。

 これで、攻撃が通しやすくなったな。

 すぐに俺たちは地面を蹴って、距離をつめる。


 スライム亜種もさすがの反応だ。

 俺たちに気づくと同時、体を分裂させ、弾丸のように打ち出してきた。


 目でその動きを追うことができた。以前までにはできなかった芸当だ。

 だから、余裕をもってかわせた。俺のステータスがそれだけ向上したということだ。


ゴブッチとスラスラはさすがに反応できていなかったが、それでも直撃は避けている。

 スライム亜種が体を丸め、突撃してきた。弾いてやる、と思ったが――嫌な感覚がした。


 それに従うように、俺は横に跳んでかわす。と、先程まで俺がいた場所を火がばらまかれていた。

 スライム亜種めっ、突撃に合わせて火を吐いたことで、回るように炎が宙を舞っている。

 こいつは、面倒な相手だ。スライム亜種は、恐らく水か氷魔法が苦手なはずだ。


 だが、実紅は火魔法のエキスパートだ。

 それに近い属性の魔法は得意らしいが、それ以外はどうにも扱いにくいそうだ。

 

 というのも、人間の魔力というのは決まった属性がある。

 火が得意な人はその真逆である水属性が苦手、なんてことは珍しくない。

 稀に全属性が使える人もいるそうだが。


 そうして、時間をかけつつ、スライム亜種と戦い――最後はゴブッチの咆哮で仕留めた。

 手に入った素材を回収しつつ、とりあえず思ったことは……面倒くさい相手だということだ。


 素材も特別珍しいものではない。

 とりあえず、初めの一体はステータスの上昇が馬鹿にならないので、倒したが……さっさと八階層におりてしまおうか。


 というのも、八階層にはウルフが出現するからな。

 ウルフをステータスがあがらなくなるまで狩ってから、スライム亜種狩りに戻ってもいいだろう。


「ゴブッチ、スラスラ。予定通り、八階層に行こう」

「ゴブ!」

「スララ!」


 二体が先行し、魔物を索敵していく。

 実紅とともに俺は後ろから道案内を行う。


 ステータスカードを取り出しつつ、スライム亜種の素材、魔石を吸収する。

 ステータスの伸びはかなりいい。それは他の階層の魔物と同じだったが、やっぱり駄目かぁ。


 ある程度予想していたが、スライム亜種もスキルとして獲得できなかった。別にスライム亜種じゃなくとも、俺も攻撃系のスキルがほしいものだな。


「ウルフ、仲間にできるといいわね」

「そう、だな。ていうか、めっちゃ期待してる?」

「だってウルフって柴犬みたいで可愛いのよ?」


 ……ペット感覚のようだ。

 実紅が珍しく子どものように目を輝かせているのを見て、俺も癒やされる。やっぱり実紅は心臓が飛び出しそうなくらいカワイイ。見ていると魂が抜け落ちそうだ。


 恐らくだが、ウルフは仲間にできるだろうと、実紅から聞いていた。

 だからこそ、先にウルフを一度倒しておきたかった。


 実紅がそう予想した理由は簡単だ。

 サーヴァントカード。それが、俺の能力に近いからだ。

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