5.『売春夫』1のKY降臨。
おいおいおいおい、何か俺帰れなさそうな雰囲気だよ。
しかももうこれ5話って、まじで?
俺どんだけ巻き込まれてんだよ。
「…ところで」
「ん」
ディオ(さん)が俺を見る。
「お前の知り合いか」
「……レモイ?」
レモイがそこに、今にも吐きそうな体勢で居た。
「おい、大丈夫か?ここで吐いたらきっととんでもない事になるぞ」
「ぁ…イン」
俺はいきなり、レモイに抱きつかれる。
「ちょっと待て…レモイって」
お前こんなキャラじゃなかっただろ?
俺とお前は同じ店で働くっていう、ただの友達だったハズだ。
「いいんだよこれはBLだからね」
「耳元で怖い言葉囁くんじゃねーよ」
何てやつだ。
俺以外に、この物語の事を知っている奴がいたとは。
「…誰だ」
「レモイ」
「それ以外の説明はしようがないな」
俺はディオに睨まれるが、本当に説明できないからな。
大した奴じゃない。
(はっきり言わせてもらうと、いつの間にか影が薄くなってる、たまに影役で重宝するようなタイプだ。)
「本名は東条 亜狩」
「ちなみにインの本名は―――」
「言うなバカ」
「もう知っている」
俺はショックを受けた。
ディオがもう知っているなんて…。
俺、何のためにレモイの本名教えたと思ってるんだよ。
「…何者だ?」
「人間」
「それ以外の説明はしようがないな」
またディオに睨まれた。
ていうか今回も、本当この説明しかできないよ。
別にレモイ特別な奴じゃないから。いたって普通の人間だから。
「帰るがいい鼠」
ディオは威圧的にレモイを見る。
…が、やはり予想通りだった。
「何、鼠って俺のこと?」
レモイは全く気にしていない。
(ある意味こいつは究極のKYだった。)
「…消えろ」
ディオの一言に、空気が凍りついた(ように感じたのは多分俺だけだった。)




