3.どうせお決まりの展開なのさ
何でそういう展開になるんだよ!?
…って俺が驚くと思ったら大間違いだ。
俺はこれが『ファンタジー』で、『バカ』な作者が書いていることを知っている。
だからこんな事、もう予想済みなのさ。
「あのー…降ろしていただけませんか」
「今急いでいる」
「それは俺も同じなので…」
大体ディオさん、俺を連れてどこに急いでるって。
「早くしないとトビラが閉まる」
「……は?」
何のトビラが閉まるって?
「帰れなくなる」
「あなたが…ですか?」
どこに?
どこに帰るって?
「向こうの、世界に…」
向こうの世界…?
この人、頭がおかしいのかもしれない。
「向こうの世界まで、お前を連れていく」
「え?ちょっ…」
いくらこれ『ファンタジー』ってカテゴリに登録してるからって、そういう展開はないんじゃないですか作者さん。
ちょっと無理やりすぎると思うよ。
大体俺ただの高校生。
「着いて来い」
「えっ…」
ディオさんは突然俺を降ろすと、更衣室のドアをあけた。
そこには――お決まりのブラックホールみたいなものが。
「あの、こういう展開もう飽きたんで…」
「もう、とは行った事があるのか…向こうに」
向こうって?
「私の住む世界…『ユース』に」
…そんな微妙な名前の世界、聞いたことないですよ。
ネーミングセンス悪。
「ない…です」
「なら着いてこい」
行った事あるって言ったら着いていかなくても良かったのかな。
「ほら、早く」
「あの…」
ディオさんの鋭い眼光に、俺は気圧される。
「俺、行けません」
まだ逝けません。
「私が決めた事に逆らおうというのか…」
とか言いつつも、ディオさんの瞳は一瞬も揺らがない。
「いい度胸だ」
そういうと、強引に俺の腕を引っ張り、お決まりの展開で異世界へととんだ。




