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宝箱と 恋の再契約

焚き火を 囲み、人びとは 満足げな 吐息を漏らす。

ただ 一人、不機嫌さを 一層ました 若者は 黙り込んだまま 10匹めの

魚に 手を 延ばそうと していた。


ぺしっ。


その手を 赤髪の 美丈夫が いさめる。


ーニイチャン、いい加減にしろよ!

 腹 減ってたからって、ちったあ 遠慮ってものを しちゃどうなんだい?


ぎろりと 睨み返し、伸ばした手で びしっと 相手を 指差して 一言。


「うるさい!お前に いわれる 筋合いは ねえんだよ!」



みると、諫めた 青年の前には、食べ尽くした 魚の骨が 累々と 積まれている。

こんな 大食い、ひとであったならば 見上げるほどの 大男であるはずだが、

なんせ 彼は ひとではない。


そう、

彼の 正体は 炎を 自在に 司る “光の精霊 フィラリエラ”そのひとで あった。


獣形を とっていたときは、気に ならなかったのにー

ひと型である彼を 目の前にして 依然感じていた 疑念が 再燃する。


(サロの 守護精霊は、彼女に対して 守護以上の 感情を 抱いているのではないか・・・)


その 感情を 読みとったかのように、精霊は にや~と 笑うと 一言。


ーあおいんだよ、ニイチャン


「えっ、なになに?

 元旦那様の 髪のこと?」


突然 会話に 割り込んできた 乙女は、さっきまで 向かいに座り 女子会に興じていた 

想いびとだ。


「サロ、その 呼び方 止めろ!

 ラヴィで 構わないから」


「いやああねえ、男の 嫉妬は。

 みっともないったら ありゃしない」


今まで 想いびとの 女子会参加者が 茶々を 入れる。


「うるせー、黙ってろ!アニーアングレイシア!」


わざと フルネームで 呼び、嫌みで 返す。


「えっ、アニィちゃんは そういう名前だったの?」


「・・・・・・サイフェリアローズ、もう少し 人の話を 聞いたらどうだ?」


がっくりと 肩を落として、脱力する。

しばらく ポカンとしていた 顔を とびきりの 笑顔にかえ、

想いびとは 爆弾を 落とす。


「す♡て♡き♡

 フルネームで 呼ばれると、どこかの国の お姫様みたい!!

 もっと 呼んで呼んで!!」


精霊をも 落としたその笑顔で 嬉々と せまってくる 彼女を前にして、

ーおまえ お姫様じゃんか

という ツッコミさえ 出来ない ラヴィなのでした。

 


 

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