episode12 冒険者
この世界での奴隷とは、首に『隷属の首輪』と呼ばれるものをつけている者の事を奴隷と呼ぶらしい。
『隷属の首輪』というものは、奴隷商人という職業の者だけが取り扱うことができ、それ以外の者は扱うことが出来ないアイテム。
主に、借金の肩代わりや戦争が起きた時に捕虜となり捕まった人や決闘で負けたものが奴隷となり『隷属の首輪』を着けられる。
しかし、奴隷となる理由で一番多いのが人攫いであるとのこと。 王国では人攫いは禁止されており、それを犯した者は厳罰に処されるのだが、裏取引などが多く国側もすべての対応が出来ない状況のようだ。
奴隷との契約というのは、奴隷商人ではなくても可能で主人となる者の血を首輪に付けるだけで契約は完了される。
一度された契約は、契約が破棄されるか主人が死なない限り継続され他者の契約での上書きが出来ないようになっているようで、契約の破棄は奴隷商人でなくては出来ない。
首輪を着けられた奴隷は、二つの制約が課せられる。
一つ目は、主人を殺すことが出来ない。二つ目は、命令には絶対に服従というものであり二つ目の制約には例外も存在し直接命を絶つような命令は服従しなくてもよい。
この二つの制約を破った者には懲罰が与えられる。
「以上が奴隷についての説明になります」
ギルドの受付に行く前に、主人となるのにこの世界での奴隷というのがどのようなものなのかを知らないのは、ヤバイのでは?と思ったので、部屋でミリナに説明して貰っていた。
こちらの世界での奴隷と元の世界での奴隷とではあまり違いはなかったのだが唯一違うと言い切れるのは『隷属の首輪』というアイテムの存在と直接命を絶つ命令を受けなくても良いということ。
昔を思い出すのであまり聞きたくないというのが正直な気持ちだったが、主人となるのだから知っておかなければならなかった。
「説明もして頂きましたし、そろそろ行きましょうか」
「かしこまりました」
「了解!」
「ご主人!手っ!」
金銭が入っている布袋を持ってから、手を伸ばすエレナと手を繋ぎ部屋を出て先頭をエレナと手を繋ぎながら歩き、後ろからミリナとアルカと続いている。
ロビーに着くと受付嬢がこちらに気づき駆け寄ってきた。
「クラウン様。お待ちしておりました!」
「遅くなってしまい申し訳ございません」
「いえ、問題ございません!それでは冒険者についての説明をしてもよろしいですか?」
「はい。お願いします」
「では、説明させていただきます!」
冒険者とは、魔物と呼ばれる生物の討伐。薬草、鉱石など様々な物の採集。護衛や見張り等をやっていくのが冒険者と言われる者。
それは、ギルドや様々な人や場所から依頼されたものであり、ギルドがクエストとして掲示板に貼り出され冒険者がそれを見てクエストを受けていく。
冒険者は、鉄級、銅級、銀級、金級。そして白金級というランク付けされており自分と同じランクのクエストしか受注することが出来ない。
冒険者と同じようにクエストにもランク付けがされており、星の数が1~3までが鉄級冒険者が受注できるクエスト、4~5が銅級、6~7が銀級、8~9が金級、10が白金級冒険者が受注できるというように分けられている。
これには主に出現する魔物の強さや数などが関係しており、星の数が多いクエスト程報酬が高くなっていくが比例して、死亡する可能性も高くなっていく。
上位のクエストを受けるためにはランクを上げなくてはいけない。
「以上が冒険者についての説明になります!なにか質問などはありますか?」
「ランクを上げるためにはどうすればいいのですか?」
「ランクを上げるには昇格試験を受けて頂くことになります。昇格試験を受けるにはギルドカードにあるGPが上限までたまると受けることが出来ます」
「そのGPというのは何でしょうか?」
「GPはクエストを達成した際に付与されるポイントのことです。ポイントはクエストによって異なりますので依頼書でしっかり確認してくださいね」
報酬が多いクエストを受けるためには、ランクを上げなくては受けることが出来ず、ランクを上げるためには同ランクのクエストを達成していきGPを貯めて昇格試験に合格しなくてはならない。
生活していくためには多くクエストを受けるか、ランクを上げて報酬の高いクエストを受けるかしなくてはならないのだ。
「ありがとうございます。では、早速クエストを受けたいのですが」
「はい!その前に冒険者となったクラウン様にこのアイテムを差し上げます!」
「これは……リュックですか?」
「はい!でも、ただのリュックじゃないいんですよ!魔法のリュックなのです!」
受付嬢が差し出してきたのは何の変哲もないリュック。
見た目は茶色一色で、大きさも普通のリュックとあまり変わらずむしろ少しだけ小さく見える。
「魔法のリュック……ですか」
「信じてないですね?本当ですよ!そのアイテムには、二種類の物でしたらいくらでも入れられるのです」
「はぁ……」
「もう!では今お持ちのお金を入れてみてください!」
受け取ったリュックの中に半信半疑で持っていた布袋を入れてみると、すんなりとリュックの中に入っていった。
入れたはずの布袋の重さもなく、リュックの重さだけしか感じない。本当に魔法のアイテムのようで受付嬢が自信満々に魔法と言ったのも納得がいく。
「どうですか!信じてもらえましたか」
「凄いですね。正直どうしようかと思っていたので、とても助かります」
「ふふんっどうやら信じて頂いたようですね!それでは、クエストの受注でしたね、クラウン様は鉄級になりますので、難易度1から3までのお好きなクエストを選んでいただいて受付に持ってきてください」
受付嬢の自信満々の顔がちょっと気になったが、気にせずクエストボードと言われているクエストが貼られている掲示板を見る。
クエストボードには、様々なクエストが貼られており⭐1個から⭐7までのクエストがあり、周りの冒険者もクエストを見ながら色々と話している。
「最初は⭐1のクエストの方が無難ですか」
「ご主人!これがいい!」
⭐1~⭐3のクエストを見ながら迷っていると、エレナが私の袖を引きながら薬草の採取クエストを指さしている。
最初のクエストなら魔物の討伐よりも比較的に難易度の低い薬草の採取クエストのほうがいいのかもしれない。それに⭐1なら問題なく出来そうだ。
「では、このクエストにしましょうか」
「んっ!!」
エレナが選んだ薬草採取のクエストが書かれた紙を取り、受付にいる受付嬢に渡す。
採取クエスト
薬草30個の納品 ☆
報酬 100G 付与GP 10GP
「薬草の採取クエストですね。簡単なクエストだからって油断しないでくださいね!」
「はい。では、行ってきます」
「行ってらっしゃいませ!」
受付嬢がクエストの書かれた紙を受け取った後に、笑顔で手を振っているのを尻目にギルドの出入り口へと向かっていく。
御覧頂きありがとうございます。
長期休載していましたが、また再開することとなりました。
活動報告にて詳細を書かせていただきました。
これから編集と平行して次話投稿もしていきます。
編集は未だに終わっていないので、前の話しとの違和感を感じるとは思いますが御容赦ください。




