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【BL】僕を奴隷にしてください イケメン高校生がSM志願  作者: H016


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第8話 服を買いに行く

 俺は起きている間中、ずっとアナン君の連絡を待っていた。

 部屋を片付け続け、過去一きれいになっていた。

 彼が深夜いきなり家に遊びに来て、二人でシャワーを使い、ベッドになだれ込む展開になってもいいように、水回りも、ベッド周りもきれいにした。


 トイレには新しいタオルをかけた。


 しかし、結局、連絡は来なかった。

 諦めて寝たのが午前3時くらいだった。


 そして、翌朝、目が覚めたのが午前9時。

 俺はいつも8時くらいに起きているから、いつもよりちょっと遅かった。

 カーテン越しに届く朝の光がいつになく明るかった。


 俺はすぐにスマホをチェックしたが、LIN〇の返信は来ていなかった。既読にもなっていなかった。普通なら、朝、学校に行く前にスマホを見ると思うが、見ていないということは脈がないのか…。俺は恋愛経験0の童貞で、友達も片手で数えるほどしかいない。だから、相手の気が変わったかもしれないということを理解できずにいた。


 平日だから夕方になったら電話してみよう。


 俺の彼氏(仮)は今高2で進学校に通っているから、夕方は塾に行っているかもしれない。またはバイオリンのレッスンだ。学校と放課後の予定の合間に電話するんだ。着信があれば掛けなおしてくれるかもしれない。


 もしかしたら、放課後にアナン君からLIN〇が来る可能性だってあるから、もう少しだけ待った方がいいと思った。


 俺はアナン君に連絡を取りたくて仕方なくなっていた。


 いや、もしかしたら、俺のLIN〇が他のに紛れてしまって、見落とされているのかもしれない。俺のLIN〇画面もダイレクトメールで埋め尽くされていた。時々、親族からの連絡に気が付かないこともあった。


 俺は、念のため昼頃にもう一回LIN〇を送った。


『何回もごめんね

 今日は学校?』


 普通の高校では、校内でスマホ取り出し禁止だと思うが、トイレでなら見られるんじゃないかと期待した。しかし、反応は全くなかった。既読にもならない。

 何となく暗雲が垂れ込めて来ていた。


 こりゃだめだな。

 俺はうすうす気が付き始めていた。


 俺は初めての彼氏ができると思い込んでいたのに、肩透かしをくらったようだった。自分から誘っておきながら何なんだ。俺は怒りがこみあげて来た。


 くそー。

 あのガキ…。

 俺をからかいやがって。


 しかし、一方で別の考えも浮かんできた。


 これは人生を変えるきっかけなんだ…。

 そうだ。


 俺はそろそろ恋人を作らないといけない。22歳で彼女いない歴年齢の童貞は痛い。陽キャは高校くらいで恋人がいるもんだ。2人の兄たちはどちらも中学から彼女がいた。22歳で童貞は珍しくはないが、年を重ねるほど相手にキモがられる可能性が高まる。俺みたいなのがかわいい子と付き合うのは、ほぼ無理だろう。


 かわいい女の子がずっと一人でいることはないから、年が若ければ若いほどフリーである確率は上がる。女子校でおとなしい子なら彼氏がいない場合だってあるんだ!だから、男も年齢が若ければ若いほど、かわいい子と付き合えるという可能性が残されている。


 俺は変わるんだ…。


 早くぼさぼさの髪を切り、新しい服を買って、マッチングアプリで彼女候補を物色するんだ!そうしないと、かわいい子が売り切れてしまうじゃないか!


 だから、まずは髪型をどうにかしないといけない。今まで1000円カットの店で切っていたが、今後は美容院に行こう。俺はこれから清潔感のある爽やかなイケメンになるんだ。ダサいけど顔は《《いい》》と言われたことがある。


 俺はネットで美容院を調べ始めた。

 カット代が高い…。

 カットだけで4500円くらいする。

 1000円カットに4回行ける。

 いや、美容院には絶対行った方がいい。


 それから、服も買おう。自慢じゃないけど俺は服には興味がない。一年中ジーンズで、上は夏はTシャツ、冬はパーカーなんかを着ている。それが一番安上がりでコーディネートいらずだからだ。しかも、今まで自分で服を買ったことがなく、実家に帰った時にここぞとばかりに親や祖父母に買ってもらっていた。実家が田舎だから、安い服しか売っておらず、センスがいいとはいいがたかった。


 親や兄たちは東京で服を買った方がいいと言って現金をくれることもあったが、ケチな俺はその金を貯金に回していた。大学院まで勉強を続けていけるように、ずっと節約して貯金をして来たのだ。金がかかるサークルには入らず、ほとんど活動していないサークルに入って、何かイベントがあってもほぼ参加しないで来た。そういうサークルだと飲み会に行っても盛り上がらないし、学食で喋っているのと変わらないからだ。


 俺にずっと彼女がいない原因は、行動範囲の狭さ、会話を盛り上げようという努力をして来なかったこと、見た目を気にしないせいなのだと思う。俺は見た目は普通だし、取り敢えずコミュ力さえあれば…と思う。


 しかし、本当はカウンセラーなんかにも向いていないと思う。よく顔が怖いと言われる。笑うのが苦手で、人と目を合わせられない。俺は果たして人を相手にする仕事なんかできるんだろうか。


 俺は昨日からラブレターに振り回されっぱなしだった。



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