表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
里見八ニャン伝  作者: ワタベミキヤ
東野郡大戦争編
50/54

第13話 乱の巻

東野橋の戦いが終わり伏夜と八ニャン士が大和田村に入ると、そこには不気味な五重塔がそびえ立っていた。

塔の1階には怪力のガチャポンとマジシャンのスッポン、そして2階には機関銃を持つ怪しいウエポンが待ち構えていた。


その八ポン士の相手はそれぞれニャン平・ニャン斗・ニャン吉に任せて、伏夜と八ニャン士は3階へと登って行った。


伏夜と八ニャン士が塔の3階に上がると、そこにはチャイナ服を着た女狸のチャンポンがカンフーの構えをしながら待っていた。


「わたし 八ポン士の中国狸 チャンポン。 わたしの相手 だれあるね? アチョー!」


まるで香港映画のようなカンフーの構えをするチャンポンを見た八ニャン士は、ドン引きしながら一歩後ろに下がる。


「チッ、機関銃を持った狂った狸の次は、チャイナ服を着た変な女狸かよ」

「カンフー狸と言えばブルースポンかジャッキーポン?」

「大和田村にはいろいろクセが強い狸がたくさんいるんですね」


すると3階の部屋の電気が急に消え、その暗闇からスポットライトが当たった。そして派手な花魁姿したニャン子が、太鼓の音に合わせながら華やかに登場した。


ポンポンポンポン・・・


「ホーッホッホッホ、やっとあたいの出番だね〜。 お前さんの相手は、このセクシーニャン子さんだよ〜!」


伏夜と八ニャン士 目が点になる。


「ハ・ハ・ハ、里見村にもクセの強い猫がいましたね」


派手な花魁姿のニャン子を見たチャンポンは、カンフーの構えをしながら闘志に燃えていた。


「フン ニセ花魁め。 わたしのカンフー 痛いあるよ!」

「だまれ、小童こわっぱ! あたいの足蹴りをナメんじゃないあるよ〜!」


ニャン子は叫びながらチャンポンに攻撃すると、2人の足蹴りが激しくぶつかり合った。

ニャン子は足蹴りをしながらニャン太郎に叫ぶ。


「さぁ太郎ちゃん! このサモハンキンポン狸はあたいに任せて、早く伏夜様と最上階へお行きっ!」

「ニャン子ちゃん、ありがとう。 じゃあここはニャン子ちゃんに任せましょうか」


こうして伏夜と八ニャン士は、さらに階段を登って塔の4階へ向かった。



伏夜と八ニャン士が塔の4階に上がると、暴れ狸のデコポンが長槍をブンブンと振り回していた。


「フッ、ワシゃあ槍の名人のデコポン様じゃあ。 ワシの相手は誰なんならぁ、このアホンダラぁ!」

「チッ、うるせぇ! オメェの相手は、この暴れ猫のニャン丸様に決まっているだろうがぁ!」


ニャン丸はシュンと素早く八ニャン剣を青く光らせ、いきなりデコポンに襲いかかる。


「なんじゃあコイツはぁ。 いきなり叫びながら出てきやがって、こすい真似しよるのう。 おどれが、あのチンピラ猫のニャン丸ってヤツかぁ!」

「チッ、うるせぇ! タイマンのケンカに、こすいもクソもあるか! テメェはあの東野橋で会った時から、なんだか気に入らねえんだよ!」

「あぁん? おんどれぇなんか、✖️✖️✖️してブチまわしてやるけぇのぉ!」

「黙れ、この大和田村のチンピラ狸がぁ! テメェこそ✖️✖️✖️にしてやるぜぇ!」


※今の不適切な発言は放送禁止の為、この物語では控えさせていただきます。


伏夜と八ニャン士 目が点になる。


「ねぇ、ニャン蜜ちゃん? あの2人のチンピラが言っていた✖️✖️✖️って、一体何んなのことなの?」

「清くて純粋にゃ伏夜様は知らにゃい方がいいにゃ」


ニャン丸はデコポンと激しく戦いながらニャン太郎に叫ぶ。


「ニャン太郎! このクソチンピラ狸は俺に任せて、伏夜様と早く最上階へ上がれ!」

「分かった、ニャン丸。 気をつけてね!」


そして伏夜と八ニャン士は急いで階段を登り、いよいよ最上階にたどり着いた。



伏夜と八ニャン士が塔の最上階に上がると、そこには剣の達人のユズポンが正座して、八ポン士軍師のガンポンが仁王立ちをしていた。そして後ろには春花が玉座に座り、足を組みながら不気味に笑っていた。


「フッフッフ。 ようやくここへ着たようだな、伏夜」


最上階に張り詰めた空気が漂うと、伏夜と八ニャン士は緊張のあまりゴクリと息をのんだ。

そして春花は玉座からスッと立ち上がり、伏夜と八ニャン士を見下ろした。


「各階で八ポン士と八ニャン士が戦っているみたいだな。 伏夜、お前は後で私がタップリと可愛がってやるから楽しみにしてな」

「やめて、春ちゃん! 私は戦いじゃなく、あなたと話しをしにここへ来たんだよ。 もうこんなくだらない争いは止めようよ!」

「くだらない争いだと? ハッハッハ、私はこの戦いに勝利して東野郡を支配するのだ!」

「東野郡を支配するなんて、私は絶対許さない!」

「では私と戦うまでだ、伏夜!」


春花がパチン!と指を鳴らすと、タキシード姿のガンポンが一歩前に出る。


「初めまして、私は八ポン士軍師のガンポンです。 さてさて、私のお相手をする方はどなたなのかな?」


するとニャン蜜が睨みながら一歩前に出た。


「私は八ニャン士軍師のニャン蜜にゃ。 私があにゃたの相手をしてやるにゃ!」

「おやおや、八ニャン士の軍師はこんな可愛い子猫ちゃんでしたか。 しかし、私は女性にも子供にも手加減しませんよ」


ガンポンは床に向かってムチをパチン!と叩くと、ニャン蜜は八ニャン剣をシュンと抜いて紫色に光らせた。


「私だって一応里見山で修業したんだからにゃ、この八ニャン剣でお前と戦うにゃあ!」


ニャン蜜は八ニャン剣を強く握りしめ、ガンポンに向かって行った。



そして正座をしていた侍姿のユズポンは立ち上がり、ゆっくりと剣を抜いてニャン太郎に剣先を向けた。


「で? 最後に残ったのはおぬしが私の相手でござるな、八ニャン士リーダーのニャン太郎。 おぬしに恨みは無いが、ここで死んでもらう」

「うるさい、僕だって毎日剣の稽古しているんだ。 僕はお前に絶対負けない!」


ニャン太郎は八ニャン剣をシュンと抜き、赤色に光らせた。


「ではいくぞ、ニャン太郎!」

「来い、ユズポン!」


ニャン太郎とユズポンの剣が激しく重なり、パキーンという金属音が最上階の部屋中に鳴り響いた。



その4人の戦いを見ていた春花は、満足げに高笑いしながら細長い剣を抜く。


「ハッハッハ、伏夜。 では私たちも戦おうではないか!」


春花はそう言いながら細長い剣をキラリと光らせると、伏夜に向かって突き出した。何も武器を持っていない伏夜はジリジリと後退りすると、春花の攻撃から逃げ回った。


「伏夜、私はお前の苦しむ顔が見たい。 さぁ、逃げろ逃げろ!」

「キャー!」


春花は剣を振り回し追いかけると、伏夜は何も抵抗出来ずに部屋を逃げ回っていた。



一方1階で戦っているニャン平は、ガチャポンの鉄の棒に押し潰れそうになっていた。


「おらおら、どうしたってか! 里見村の怪力猫は、こんな簡単な攻撃でお終いってか?」

「く、くそ。 俺は腹が減って、だんだんイライラしてきたっす!」

「ヘッ、このバカ大食い猫野郎。 お前との遊びはお終いだってよ」


ガチャポンが持っている鉄の棒が光り出すと、たくさんの鉄杭(てっくい)が棒から出てきた。そして悶え苦しんでいるニャン平を、さらに力強く床に押し潰そうとしていた。


「ガッハッハ、貴様は俺より弱いんだってよ! あぁ眠い眠い!」

「ちっくしょう、こいつはさっきよりパワーを出しやがったっす! ああ腹減った!」



同じ1階で戦っているニャン斗は、マジシャンのスッポンが飛ばした多くのトランプで顔や手足が切られて負傷していた。


「フフフ。 イケメンはねぇ、トゥー(2人)もいらないんだよ、ブサイクくん!」

「ちくしょう、よくも俺のイケメンの顔に傷をつけたなぁ。 あと何度もブサイクって言うんじゃあねえ、このスッポンポン」

「だからスッポンポンって言うんじゃねえ! もうすぐユーを楽にダイ(ころ)してあげるよ。 フフフ」


スッポンは不気味に笑いながら、手の中から白い蜘蛛の巣を投げてニャン斗の体を縛り付けた。


「何だ、この蜘蛛の巣は? なんだか危険な予感」

「ハハハ! これからユーは少しずつフェイスをカットされて、スーパーブサイクになっていくんだよ!」

「イヤだぁ! イケメンがスーパーブサイクなるのはイヤだぁ!」



2階にいるニャン吉は機関銃を乱射してくるウエポンに何も手出しが出来ず、部屋の中を必死で逃げ回っていた。


「ウヘヘヘ、このクソチビがぁ! 猫のくせに、いつまでもネズミみたいに逃げてんじゃねぇぞ! ウヘヘヘ!」

「くそぉ、あの機関銃はあと何発あるんだよ」

「ウヘヘヘ! おいチビ、俺の武器はこれだけじゃねぇぜ! ウヘヘヘ!」


ウエポンはそう言うと2丁の機関銃を投げ捨て、さらに大きな機関銃を出してきた。それはさっきの弾よりも大きく、しかも連続で早く撃てる大型機関銃だった。


「ウヘヘヘ! これは史上最強でヘビーな機関銃だぜぇ! ウヘヘヘ!」


ドババババ・・・


ウエポンが出した新しい機関銃は、先ほどの機関銃よりも速さとパワーが違っていた。ニャン吉はさらに加速しながら早く走ったが、機関銃の弾がニャン吉の足をかすめた。

足をケガをしたニャン吉は、転がりながら柱の影に隠れる。


「ウヘヘヘ! お前はこの機関銃でお終いだぜ、チビ猫! ウヘヘヘ!」

「ええん、足が痛いよぉ! 早く家に帰りたいよぉ!」



3階にいるニャン子とチャンポンは、火花を散らしながら激しく蹴り合っていた。


「わたし そろそろ 本気だす あるよ」


チャンポンはそう言いながら後ろから酒が入った瓶を取り出し、それをグビグビと飲み始める。


「さ、酒だって〜? まさかお前さん、アレをやるんじゃあないだろうね〜?」


酒を飲み切ったチャンポンは瓶を床に投げ捨て、フラフラしながら酔拳の構えをした。


「ヒック! わたしの酔拳 とっても強いあるよヒックヒック!」

「こりゃ参ったね〜。 あたいもお酒とツマミを持ってくりゃよかったよ〜」

「さぁ 来るあるよ お下品 花魁」

「あたいの足蹴りをナメんじゃないよ〜!」


ニャン子が素早く足蹴りで攻撃しても、チャンポンは酔拳で軽く交わしていく。逆にチャンポンの素早い蹴りによって、ニャン子は蹴られて転がりながら床に倒れた。


「ヒック! あなたの蹴りには 無駄があるよ。 まだまだ 中国の拳法に 勝てないねヒックヒック!」

「へっ、べらぼうめ! あたいにも、ちょっとお酒おくれよ〜」



4階にいるニャン丸は、デコポンの素早い長い槍で苦戦している。


「おどれぇは口ばっかりで、まだまだ弱いのう。 ただ無駄な剣を振り回して、無茶苦茶に暴れとるだけじゃ意味がありゃあせんぜ!」

「チッ、うるせぇバカやろう。 テメェこそ、吐いたツバ飲まんとけよ!」


するとデコポンの長槍の下からもう1つ刃が出てきて、さらに回転が加速していった。


「お遊びはお終めぇじゃ、チンピラ猫。この2つ刃の長槍が、おどれの体を切り刻んでやるけぇのぉ!」

「ケッ、極悪非道のニャン丸様をナメんじゃねえぞ!」


ニャン丸は必死で八ニャン剣を振り回して抵抗していたが、デコポンによる長槍の攻撃で服がボロボロになっていった。



5階にいるニャン蜜はガンポンが持つムチに打たれ、もて遊ばれていた。


「私の相手が可愛い子猫ちゃんだなんて、何だかイジメているみたいですね」

「うるさいにゃ! 私だって、風ニャン神様から修業してもらってるにゃあ!」

「そうだ、可愛い君にハンデをあげましょう。 私はここから1歩も動きません。 そして片手だけであなたと戦いましょう!」

「にゃんだと? バ、バカにするにゃあ!」


ニャン蜜は怒って飛びかかったが、またガンポンの鋭いムチに叩かれる。


「ハッハッハ、比較的弱めに叩いたから安心したまえ。 女の子の顔や体に傷をつけたら、僕のプライドが台無しになるからね」

「比較的弱めって十分痛いにゃあ! 私の体が傷ついてお嫁に行けにゃくにゃったら、あんたに責任取ってもらうからにゃあ!」


ちなみにニャン蜜は可愛いニューハーフである。



そしてニャン太郎とユズポンは激しく剣で戦っていた。


「ハッハッハ、八ニャン士のリーダーはこの程度でござるか。 おぬしの剣は弱いでござるなぁ」

「ちっくしょう、僕は弱くない!」

「フッ、もうこれでおぬしを楽にするでござる」


パキーン!


ユズポンが持っていた太くて長い剣は縦に半分に割れて、2本の鋭い剣となった。


「剣が2本?」

「本当の私はニ刀流でござる。 悪く思うでないぞ」

「二刀流だと? こんなの敵と戦うのは初めてだ。 でもヒーローの僕は負けるわけない!」


八ニャン剣を振り回して攻撃したがユズポンの二刀流の方が早く、ニャン太郎は激しく床に倒れてしまった。


「ハッハッハ、弱いおぬしが私の最強の二刀流に勝てる訳がない! 早く降参しろ!」

「くっそう、どうすればあの二刀流に勝てるんだよ? 考えろ、ニャン太郎!」



そして伏夜は春花が持つ細長い剣からの攻撃に、部屋の周りを逃げ回っていた。


「ハッハッハ、逃げろ逃げろ! これで八ニャン士も里見村も皆んなお終いだ。 そして私が春花始皇帝になるのだ!」

「八ニャン士の皆んな・・・」


八ポン士の意外なパワーに、必死で闘う八ニャン士はなす術が無かった。

さぁ、大変なことになってきましたよ!

八ポン士の圧倒的なパワーに、八ニャン士は勝つことができるのでしょうか?

ところでセクシーニャン子ちゃんがお酒を飲んだら、どうなってしまうんですかね?


次回「声の巻」をお送りします。

八ニャン士絶対絶命の危機にあの声が!


お楽しみニャン!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ