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里見八ニャン伝  作者: ワタベミキヤ
東野郡大戦争編
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第11話 爆の巻

里見村へ少しずつ突き進み、そして八チョウ士のホクがケロイチの長い舌に引きずられて、八チョウ士のホクが人質となってしまった。

槍ヶ岳の陣が里見村へ少しずつ前進してくる八ケロ士に対し、イーグは様子を伺いながら上空をグルグルと回り、クロはホクに当てないように機関銃を撃ちまくっていた。


はたして八チョウ士はホクを救出して、八ケロ士を倒すことができるだろうか?

里見村の河川敷に陣をはって東野橋を見つめている伏夜は、行進しながら里見村へ向かって来る八ケロ士をジッと見つめていた。


「ニャン蜜ちゃん、どうしよ? このままでは八ケロ士が里見村に入ってしまうよ」

「伏夜様、申し訳ございませんにゃ。 あの奇妙な陣形は私の兵法にはにゃく、計算外のことでしたにゃ。 しかもホクが捕まって盾にされたら、我々はにゃにも出来にゃいですにゃ」

「じゃあ、これからどうしたらいいの?」

「とりあえずこのまま八ケロ士を里見村に入れてですにゃ、まずはホクの救出を優先に八ニャン士で助けますにゃ。 せめて、八ケロ士のあの陣形がバラバラににゃってくれれば・・・」


それを横で聞いていた八チョウ士の軍師ホーホーは、なぜか余裕の笑みを見せていた。


「ホッホッホー、伏夜様とニャン蜜さん、大丈夫ですよ。 私はこうなることも予測して、密かに次の作戦を実行しているんですよ」

「にゃ、にゃんと! 次の作戦だってにゃ?」

「はい。 実はペリーとクロの機関銃やイーグとホクの空から攻撃は、あくまでも表むきの作戦なのです。 しかし、本当の八チョウ士の戦いはこれからですよ!」


ホーホーの目がキラリと光らせながら橋の下に指をさすと、ペリーが持っている機関銃の下でキツツキのコンコが橋に穴を開けていた。


「コンコン、コンコン! 急げ、急げ!」


コンコが橋の下で必死に穴を開けているのを見て、ニャン蜜は八チョウ士の意外な作戦に驚いた。


「にゃにゃ! コンコがあんにゃことをしていたにゃんて、全然気づかにゃかったにゃ」

「前進してくる八ケロ士は上からのイーグとホクの激しい攻撃に集中していたので、橋の下なんか見ていないんです。 しかもクロは銃の達人でホクに当たらないように機関銃を撃っているので、コンコの穴を開ける音なんて全く聞こえません」

「にゃるほど! だから今でもイーグが空をグルグル飛んで、クロが無鉄砲に機関銃を撃っているんだなにゃ。 でもホーホー、にゃんで我々に教えにゃかったにゃ?」

「ホッホッホー、決して意地悪じゃありませんよ。 もし作戦を八ニャン士さんが知って橋の下の方を見ていたら向こうの軍師にコンコの存在に気付かれますし、どこで忍び狸が聞いているか分かりません。 これは大事な作戦なので、八チョウ士が極秘で慎重に動いていたのです」

「でもホーホーさん、コンコが橋の真ん中に穴を開けてどうするの? 橋に穴をあけて、まさか八ケロ士を川に落とす作戦とか?」

「ホッホッホー、違いますよ伏夜様。 いよいよ八チョウ士の秘密兵器の出番でございますよ!」


少しずつ前進してきた八ケロ士が橋の中央に近づいてくると、ホーホーがいきなり大きな声で叫んだ。


「クロとペリー、機関銃をしまって後ろに下がりなさぁい! イーグ、お前も下がるのです!」

「クロ、里見村へ帰るザマスよ。 早く機関銃をしまうザマス」

「はいはいカー! ペリー、帰るかー!」

「チッ、まだまだ暴れたりへんけど、まぁええか」


ホーホーの声を聞いたクロは機関銃をペリーの口にしまいイーグも剣を納めて、空を飛んで里見村の方まで下がって行った。

その八チョウ士の不思議な行動を見ていた春花とガンポンは、少し嫌な予感をしていた。


「ガンポン、八ケロ士が橋の中央まで来た時に、八チョウ士の機関銃を下げたとはどういうことなのだ?」

「しまった! 今までの機関銃や空からの攻撃は、

八チョウ士の罠でした! しかし、もう八ケロ士の行進が止まらない!」


八ケロ士の陣形が橋の中央に入ったその瞬間、橋の下から小さな穴が開いた。


「コンコンコーン! 開いた開いた、穴が開いたよ穴が開いたよ!」


するとその穴から、八チョウ士のマスコットである可愛いピヨピヨがひょっこり現れた。


「ピヨピヨ〜?」

「ケロケロ〜?」


槍ヶ岳の陣形の中に突然入って来た可愛いピヨピヨに、八ケロ士は唖然とする。

その瞬間を見逃さなかったホーホーは、目を光らせてムチを高く掲げた。


「ピヨピヨ〜! 変身しなさぁい!」


八ニャン士と伏夜 目が点になる。


「へ? ピヨピヨちゃんが変身?」


すると八ケロ士の陣形の中から突然光り出し、橋の上が激しく爆発した。


ピッカーン、ドーン!


大和田村で見ていた春花と八ポン士は、橋の上で爆発するのを見て驚いた。


「な、なんだぁ? あの光と爆発はぁ!」


あの八チョウ士のマスコットである可愛いピヨピヨがたちまち大きくなり、スーパーマッチョのニワトリ『コケッコー』に大変身した。


「コケッコー、コケッコー! お前ら全員〜、叩き潰してやる〜!」


変身して巨大化したピヨピヨを見て、八ニャン士と伏夜の開いた口が塞がらない。


「あの可愛いピヨピヨちゃんがぁ、スーパーマッチョのニワトリに変身したぁ?」

「ホッホッホー! ニャン太郎さん、これが由美村の最終兵器であるコケッコーです。 ピヨピヨは光り輝くと、スーパーマッチョニワトリのコケッコーに変身するのです!」

「す、すごい! それじゃあ、初めからコケッコーを出した方が早かったじゃない?」

「伏夜さんそう言いたいところですがピヨピヨが変身出来るのは1日1回で、しかも10分しか使えないんです。 だから八チョウ士にとって、スーパーマッチョのコケッコーは最終兵器なのです!」


それを聞いた八ニャン士と伏夜は、イスから立ち上がりながらスタンディングオベーションした。


「おお、素晴らしい! 八チョウ士、ブラボー!」


そしてスーパーマッチョのコケッコーが橋の上で暴れだすと、慌てた八ケロ士の陣形が次々と崩れていった。


「ケロケロケロケロ・・・」

「コケッコー、コケッコー!」


八ケロ士はあらゆる武器を使って攻撃したが、コケッコーのマッチョな体には全く効かない。


八ニャン士 目が点になる。


「コケッコー、メチャメチャ強い。 今度ピヨピヨちゃんが里見村に帰ってきたら、皆んなでいっぱい可愛がってあげましょうね」


そしてホーホーはムチを持って立ち上がり、八チョウ士に司令を出した。


「これより八チョウ士は一斉攻撃をして、八ケロ士を全滅させます。 攻撃開始です!」

「おお!」


ホーホー以外のチョウ士は里見村軍の陣から飛び出し、八ケロ士に向かって一斉攻撃をした。


「イーグ! 八ケロ士が崩れているうちに、早くホクを助けて下さい!」

「よっしゃあ、任せときぃ!」


イーグはホクの縄を素早く切り2人は空に素早く飛ぶと、それを見ていたニャン太郎はホーホーに問いかける。


「ホーホー、イーグとホクが空を飛んでいたら、また八ケロ士の長い舌で捕まってしまうんじゃない?」

「ホッホッホー。 ニャン太郎さん、それは大丈夫ですよ。 次はスワロ、今度はお前の出番だよ!」


「はいはぁい! 可愛いスワちゃんはぁ、とってもとっても早いのですよぉ!」


八チョウ士の中で1番早く飛べるスワロは、八ケロ士の上を素早く飛び回った。

それを見ていたニャン吉は小声で呟く。


「鳥アイドルのスワロちゃんは、僕の足より早いかもしれないなぁ。 今度一緒に競争しようかなぁ?」


陣形が崩れた八ケロ士は慌てながら全員長い舌を出し、早く飛んでいるスワロを追いかけた。


「うふふ! 可愛いスワちゃんはぁ、そんな汚い舌にはぁ、捕まらないのでぇす!」


するとスワロを追いかけてた長い舌は絡まり始め、いつのまにか八ケロ士はグルグル巻きとなってしまった。


「ケロケーロー?」


長い舌がグルグルに巻かれて団子状態になった八ケロ士を見て、春花は立ち上がりながら冷や汗をかいていた。


「し、しまったぁ! こんな結末になるとは!」


そして再びホーホーはコケッコーに叫びながらムチを前に出す。


「今だよ、コケッコー! そのグルグル巻きのお団子状態になっているケロちゃんを、山の向こうへ投げちゃいなさぁい!」


スーパーマッチョのコケッコーは長い舌が絡まって丸くなっている八ケロ士を持ち上げ、グルグル回しながら遠くへ投げた。


「コケッコー! お前ら〜 飛んでいけ〜!」

「ケーロー!」


団子状態の八ケロ士が山の向こう側へ飛んで行くと、

それを見ていた八ニャン士と伏夜は喜びながら飛び跳ねていた。


「やったぁやったぁ! 八チョウ士の大勝利だぁ!」


その頃大和田村にいる春花と八ポン士は、東野橋での戦いに負けて悔しがっていた。


「くっそぉ、あのクソ鳥たちどもがぁ! 今度会った時は、全員焼き鳥にして食べてやるっ!」

「春花様、本当に申し訳ございません。 突然現れたあのマッチョのニワトリは、全くの情報不足でした」

「ガンポン、落ち込むのはまだ早い!」


一列に並んでいる八ポン士に、春花は喝を入れた。


「勇敢な大和田八ポン士よ! 次の戦いの為に準備をするのだぁ!」

「ははっ!」



八チョウ士が里見村に帰って来ると、皆んなで勝利を喜んでいた。伏夜は八チョウ士1人1人の手を握りながら、深く感謝を述べていた。


「八チョウ士の皆んな、本当にありがとう!」

「へへへ。 なんや伏夜さんに褒められると、ごっつ嬉しいなぁ」


八チョウ士 少し照れる。


そして里見村から見ていた八ニャン士は、東野橋の激しい戦いに勝利した八チョウ士に健闘を称えた。


「八チョウ士の皆さん、ありがとうございました。 とても素晴らしい戦いでした!」

「だからゆうたやないかい、ニャン太郎。 東野郡で1番最強の八チョウ士をナメたらあかんでぇ」

「おやおやイーグのお兄さん、それはこっちのセリフだよ〜。 お前さんたちも、あたいたちもナメんじゃないよ」

「まあまあ、ニャン子ちゃん。 とりあえず最初の戦いが終わったんだからさぁ、ケンカしないで仲良くやろうよぉ」

「そ、そうですよ。 ニャン斗くんと同じ、僕もケンカは嫌いです。 それより僕は、可愛い鳥アイドルのスワロちゃんと競争したいなぁ」

「ニャン吉さん、しましょしましょ! わたしはぁ、鳥アイドルも猫アイドルもぉ、大好きですぅ」

「ガッハッハ、それにしてもピヨちゃんの変身は凄かったすなぁ! マッチョの俺様もさすがにビビったっす! ああ腹減った!」

「そうですそうです。 ピヨピヨは凄いでしょでしょ。 でも僕の穴あけも凄いでしょでしょ。 でねでね・・・」

「コンコ、またお喋りはやめるザマス。 お前はうるさいから、私の口に入っているザマス」

「カッカッカ! 俺も疲れたからペリーの口で昼寝したいカー!」

「本当に八チョウ士の皆んにゃ、ありがとにゃん。 今回の軍師ホーホーの策は、とても勉強ににゃりましたにゃん」

「ホッホッホー、今度は八ニャン士軍師ニャン蜜さんの番ですよ。 頑張って下さいね」

「今度は八ニャン士の出番ぜよ。 ニャン丸、頼んだぜよ!」

「ヘッ、任せとけホク!」

「ニャン丸、また負けそうになったらいつでもワシらを呼びや! いつでも助けたるさかいな!」

「ケッ、うるせぇイーグ! その前にお前を潰すぞ、コラッ!」

「コラコラ、イーグとニャン丸さん、はしたない言葉をおやめなさい。 2人は後で私がお仕置きします」


ホーホーがムチを鳴らしながら目を光らせると、イーグとニャン丸の顔が青ざめる。


「す、すみません。 ホーホー、マジで怖い」


そして伏夜は大和田村に向かって、指をさしながら大声で叫んだ。


「じゃあ次は八ニャン士の出番だよ! 大和田村に向かって突撃だぁ!」

「おお!」


こうして伏夜と八ニャン士は東野橋を渡り、大和田村へ入って行った。

東野橋の戦いで、あのクローン蛙の中谷八ケロ士に大勝利した由美八チョウ士!

今度はいよいよ里見八ニャン士の出番ですね。

それにしてもあの可愛いピヨピヨちゃんは、とんでもない八チョウ士の秘密兵器でしたね。


次回「塔の巻」をお送りします。

大和田村に入った八ニャン士の目の前に、不気味で怪しい五重塔がそびえ立つ!


お楽しみニャン!

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