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ゼクス魔導工房の異世界ギャンブル配信 ―異世界をギャンブル漬けにする救済の物語―  作者: ituswa


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掲示板回(第23~25話)

【王都中央広場】ゼクスの新作、ただの鉄箱と馬の映像だった件


1:名無しの博打打ち

おい、一週間も待たせてこれかよ。分配機の横に並んだあの重苦しい鉄の箱、何だありゃ。

銀貨を入れても景品が何も出てこねえ。壊れてんのか?


2:名無しの商人

>1

俺もさっき見てきたが、目録の一枚すら貼ってねえ。ゼクスの野郎、ついにボケたか。

魔導四輪の次は、もっと凄まじい武器か生活に役立つ魔導具が来ると思ってたのによ。

期待してた自分が馬鹿みたいだぜ。


5:名無しの新人

受像水晶に映ってるのも、ただの馬が走ってるだけの光景だしな。

あんなの北の街道に行けば毎日見られるっつーの。

わざわざ一週間も焦らして、動物の観察記録を見せられる身にもなってほしいぜ。


8:名無しの魔導師

あの箱、銀貨1枚で馬の名前を選べる仕組みみたいだぞ。

だけど当たっても何が出るか書いてない。銀貨が吸い込まれるだけで、画面には登録完了って文字が出るだけだ。

あんなの、ただの集金箱だろ。


12:名無しの商人

>8

登録完了って、何に登録されるんだよ。

そもそも、遠い草原の馬が勝った負けたなんて、王都の俺たちに何の関係がある。

あんなもん、暇を持て余した貴族の道楽だ。


18:名無しの運送屋

景品が出ないなら、もう分配機あっちは用済みか。

せっかく新しい術式を仕入れて商売に繋げようと思ってたのに、あてが外れた。

草原の馬が走るのを見るために銀貨を投じるほど、俺たちの生活は豊かじゃねえんだよ。


25:名無しの博打打ち

もういい。俺は酒場に行くわ。

ゼクスも、もう案が尽きたんだろうな。

さらば一週間の期待。さらば俺の昂ぶり。


31:名無しの若手商人

……おい、画面に新しい文字が出たぞ。

「近日、草原にて最初の競走を開催」だと。

それから、一番下に「的中配当に上限なし」って書き加えられた。


38:名無しの商人

>31

配当に上限なし?

何だそりゃ。銀貨を投じた奴らだけで、集まった分を全部分け合うってことか?

いや、それでもたかが知れてるだろ。参加してる奴なんて、今の広場に100人もいねえぞ。


45:名無しの新人

上限なしって、響きだけはいいけどな。

100枚集まって、100人で分けたら元通りじゃねえか。

時間の無駄だぜ。俺は寝る。




【アグライア】草原の出走表が出たが……【馬】


1:名無しの博打打ち

広場の鉄箱、また画面が書き換わったぞ。

今度は馬の名前だけじゃなく、妙に細かい術式の数字がびっしり並びやがった。

「脚の運び」だの「血筋」だの言われても、俺たちにゃさっぱりだ。


5:名無しの新人

俺も見てきた。相変わらず銀貨を吸い込むだけで景品は出ねえ。

受像水晶に映ってる馬たちも、のんびり草を食ってやがる。

本当に明日、ここで何かが起きるのかよ。


12:名無しの商人

>5

ただの馬の駆けっこに銀貨を投じる奴なんて、物好きの極みだろ。

騎士団の連中が「あの馬は毛並みがいい」とか偉そうに語ってるが、それで腹が膨れるわけじゃねえしな。


15:馬に人生を賭けるギャンブラー

お前ら、何も見えてねえな。

あの鉄箱に並んでいる数字は、単なる飾りじゃねえぞ。

俺は元は王宮の厩舎番だ。馬の筋肉の付き方を見れば、その馬がどれほどの速度を秘めているか、手に取るように分かる。


20:名無しの博打打ち

>15

なんだ、変な名前の奴が出てきたな。

元厩舎番か。だったら教えてくれよ、どの馬が一番速いんだ?


25:馬に人生を賭けるギャンブラー

>20

決まっている。一番人気の「風の王」だ。

部族の長が乗っているあの名馬を見ろ。前肢の筋肉が異常に発達し、大地を掴むような歩法をしている。

あれこそが、この草原の王者に相応しい。他の馬とは術式の練り込み方が違う。


30:名無しの商人

>25

確かに、あの馬だけは素人目に見ても強そうだな。

だけど、さっきから一部の奴らが端っこの痩せた栗毛を話題にしてるぜ。

ゼクスに近い連中が構っていたから、何か仕掛けがあるんじゃないかってな。


35:馬に人生を賭けるギャンブラー

>30

笑わせるな。あの栗毛を見たか?

あんな細い脚では、草原の起伏に耐えられるはずがない。

誰が手入れをしていようが、馬の本質は変えられん。あれはただの数合わせだ。

王宮の馬を見てきた俺の目に狂いはない。


42:名無しの新人

>35

あんた、ずいぶん自信満々だな。

まさか、本当に賭けるつもりか?


50:馬に人生を賭けるギャンブラー

当然だ。俺は明日、この「風の王」に持てる蓄えのすべてを投じる。

銀貨数枚の端金じゃねえ。俺がこれまで泥水を啜って溜めてきた、人生そのものをあの鉄箱に叩き込む。

配当に上限なし、か。俺の見立てが正しければ、明日の夕方、俺は王都で一番の幸福者になる。


58:名無しの博打打ち

>50

蓄えのすべてって……正気かよ。

もし外れたら、お前、路頭に迷うぞ。


65:馬に人生を賭けるギャンブラー

構わねえよ。退屈な日常を繰り返すくらいなら、あの王者の脚に運命を預ける方がマシだ。

お前らも、せいぜい指をくわえて見てるがいい。

知識も勇気もない奴らに、新しい風は吹かねえよ。


72:名無しの商人

……何だか、あいつの気迫に当てられたな。

俺も、銀貨1枚くらいなら試してみるか。

的中配当に上限なし、か。もし本当なら、とんでもねえことが起きるぞ。


80:名無しの新人

広場に人が集まり始めたな。

みんな、文句を言いながらもあの鉄箱の画面を覗き込んでる。

明日の正午、草原で何が起きるのか。

俺も、少しだけ楽しみになってきたぜ。



【速報】アグライアの競走、決着!【阿鼻叫喚】


1:名無しの博打打ち

おいおいおいおい! 見たか今の!

広場の鉄箱がガタガタ鳴り出したと思ったら、一人の男の前に銀貨が滝みたいに溢れ出してきたぞ!

「風の王」はどうしたんだよ! なんであんな痩せた馬が一番に走ってるんだ!


5:名無しの新人

信じられねえ……。最後の一直線、あの栗毛の若駒が弾丸みたいに飛んできやがった。

騎士団の連中が「あんなのは数合わせだ」って笑ってた馬が、王者の脚をぶっちぎりやがったぞ。

広場中が静まり返って、そのあと悲鳴の嵐だ。


10:馬に人生を賭けるギャンブラー

…………。


12:名無しの商人

>10

おい、厩舎番。息してるか?

あんた、さっきまで「風の王」に人生のすべてを預けるって豪語してたよな。

大丈夫か? 画面を叩きすぎて警備兵に引きずられてたみたいだが。


15:馬に人生を賭けるギャンブラー

>12

嘘だ……何かの間違いだ。

あの脚の筋肉、あの蹄の運び。私の目に狂いがあるはずがない。

ありえない……あんな、何の変哲もない痩せた馬が、王宮の血統すら凌駕するなんて……。

私の蓄えが、すべて、あの鉄の箱に呑み込まれた……。


20:名無しの博打打ち

>15

おい、しっかりしろ。人生を賭けた結果がそれかよ。

お前が絶望してる横で、隣の汚ねえ格好の労働者が腰を抜かして座り込んでるぜ。

銀貨1枚をあの栗毛に投げたら、**銀貨55枚**になって返ってきたってよ。

おい、たった1枚が、俺たちの数ヶ月分の稼ぎに化けやがったんだぞ!


28:名無しの商人

55枚……。嘘だろ、たった数分の駆けっこで、そんな額が動くのか?

さっきまで「ただの映像だ」って馬鹿にしてた奴らが、今は血眼になって鉄箱に並び直してやがる。

「次はいつだ」「出走する馬の情報を出せ」って、暴動寸前だぜ。


35:名無しの冒険者

ゼクス、あいつはやっぱり悪魔だ。

ただの馬の走りを、人生をひっくり返す「猛毒」に変えやがった。

今までは「便利な道具」を売ってたが、今度は「他人の人生を買う権利」を売り始めたってわけか。

俺も……銀貨1枚くらいなら、試してみたくなってきた。


42:名無しの若手商人

アグライアの部族の方にも、今回の収益から手数料を引いた分が送られたらしいな。

銀貨数枚程度らしいが、あの何もない草原の連中からすりゃ、大金だ。

これで馬の餌が良くなりゃ、次のレースはさらに予測不能になるぞ。


50:馬に人生を賭けるギャンブラー

>42

予測不能……? 違う、私の知識が足りなかっただけだ。

あの栗毛、ゼクスの近くにいた連中が世話をしていたと言っていたな。

あいつが目をかけた馬に、何か「秘密」があったのか……。

くそ……くそおおお! 終わってたまるか!

俺は、明日のレースで必ず取り戻してやる! 銀貨1枚さえあれば、俺はまだ終わらねえ!


58:名無しの新人

>50

あんた、全財産スったんじゃねえのかよ……。

だけど、広場にいる連中の顔はみんな同じだ。

冷めてた空気が、一瞬で「銀貨の熱」に塗り替えられちまった。


65:名無しの博打打ち

次の案内が出たぞ! 明日の正午だ!

的中配当に上限なし。

ゼクスの野郎、不敵に笑いやがって。

さあ、俺の運命、次こそは誰の四本脚に預けてやろうか!


72:名無しの隠居

一週間待たされた退屈を、こんな形で爆発させるとはな。

王都の銀貨が、アグライアの速度と結びついた。

もう、誰もこの熱狂からは逃げられん。

ゼクスという男が仕掛けた「新しい理」は、俺たちの精神そのものをハックしやがった。



---


【アグライア】アグライア草原競走、鉄箱の数字を解読するスレ【馬】


1:名無しの博打打ち

おい、さっきの払い出しを見たか。鉄箱から銀貨が一度に溢れ出すのを見て、心臓が止まるかと思ったぜ。

ゼクスの野郎、あの重苦しい鉄の箱に何を仕込みやがった。

どうすればあんな額を手にできるのか、誰か詳しく教えろ。


5:名無しの商人

>1

俺も知りたい。さっきの労働者は、一番人気のなかった馬を選んだだけで人生を変えちまった。

鉄箱の画面には、ただ馬の名前が並んでるだけじゃねえ。

何やら選び方がいくつかあるみたいだが、複雑すぎて素人には手が出せん。


15:馬に人生を賭けるギャンブラー

……教えてやるよ。

全財産を失った俺の、これが最後の無償提供だ。

あの鉄箱は、単に一番速い馬を当てるだけの遊びじゃねえ。

ゼクスは、運命の重なり方をいくつも用意していやがった。


18:名無しの新人

>15

お、さっきの元厩舎番か。

全財産スってまだ生きてたのかよ。

教えてくれ、あの鉄箱の数字や選び方は何を意味してるんだ。

さっきの労働者は単一選で当てたらしいが、他にもあるのか。


22:馬に人生を賭けるギャンブラー

いいか、基本は三つだ。

まずは「単一選」。これは単純だ。一番にゴールする馬を当てる。

さっきの労働者はこれだ。誰も見向きもしなかった、アグライアの王者にもなれないような最下位人気の馬に銀貨を放り込み、的中者が一人だけだったから、集まった銀貨を独り占めしやがった。

だが、ここから先が本物の地獄だ。


28:名無しの博打打ち

>22

地獄って、さらに複雑な選び方があるんだろ?


35:馬に人生を賭けるギャンブラー

二つ目は「二重連」。一番と二番に飛び込む馬の組み合わせを当てる。

三つ目は、さらなる深淵「三連極位」だ。

一番、二番、三番に入る馬を、その着順通りに完璧に当てる。

一頭当てるだけでも至難の業なのに、三頭の順位を正確に予言するんだ。

確率は天文学的だが、もし的中者が一人なら、広場に集まった全員の銀貨を独り占めできるどころか、アステリア中の鉄箱に溜まった富が流れ込んでくる計算になる。


42:名無しの商人

三連極位……三頭の順位を当てるのか。

そりゃあ、銀貨一枚が金貨の山に化けるわけだ。

だけど、そんなのただの運だろ? 狙って当てられるもんじゃない。


50:馬に人生を賭けるギャンブラー

>42

違う。これは運じゃねえ。

配信の窓に映る草原をよく見ろ。馬の筋肉の震え、草をなびかせるアグライアの風の向き、アグライアの騎手の表情。

ゼクスが用意した受像水晶は、嘘をつけねえ。

すべては画面の中に答えがある。

血統を知り、個体差を見抜き、草原の起伏を計算すれば、未来は読み解ける。

力強い名声に目が眩んだが、次は違う。

情報のすべてを、あの鉄箱の数字にぶつけてやる。


58:名無しの新人

……そうか。これ、ただの博打じゃねえんだな。

ゼクスから新しい発明が降ってくるのを指をくわえて待つんじゃなくて、これは自分の知恵で他人から金を奪い取る戦いなんだ。

アステリアの俺たちが銀貨を投じるたびに、アグライアの草原には富が流れて、さらに馬が強くなる。

そしたら次のレースはもっと面白くなる。ゼクスはとんでもない仕組みを作りやがった。


65:名無しの博打打ち

その通りだ。俺もさっきから画面を睨んでるが、あのアグライアの三番の馬、右足の運びが独特だぜ。

あの草原の坂道なら、あいつが化ける可能性がある。

俺なら……俺なら、あいつの可能性を見抜ける気がする。


72:名無しの商人

俺もだ。フェルディナの商人たちだって、こんな面白い商売は知らねえだろ。

商売で培った先読みの力があれば、適当に賭けてる連中よりは勝算があるはずだ。

ゼクスが用意した盤面の上で、俺たちの知恵が試されてるってわけか。

銀貨一枚で自分の目利きが証明できるなら、安いもんだ。


80:名無しの若手商人

広場を見てみろよ。みんな、自分の予想を熱心に語り合ってる。

俺ならこう選ぶ、あの馬の癖は見抜いた、ってな。

みんな、自分が他の奴より賢いと思いたがってるんだ。

そして、その自信を銀貨に変えて、あの鉄箱に叩き込んでる。


88:名無しの冒険者

アステリアの退屈な日常が嘘みたいだ。

今は、早くアグライアの次のレースが始まってほしくてたまらねえ。

自分で選んで、自分の運命を決める。

この感覚、一度味わっちまったら、もう元には戻れねえな。


95:馬に人生を賭けるギャンブラー

そうだ。その熱こそが、ゼクスの狙いだろう。

知識は武器になり、欲望は燃料になる。

さあ、草原の速度を読み解け。

次こそは、俺の知恵が運命をねじ伏せる番だ。


105:名無しの博打打ち

俺も並ぶぜ!

次の三連極位は、俺が獲る!

自分の目で選んだ馬がゴールを駆け抜ける瞬間を想像しただけで、手が震えてやがる。

自分の知恵を銀貨に変えてやるよ!


118:名無しの商人

広場の熱気が昨日までとは別物だ。

アグライアの風を感じ、アステリアの銀貨を投じる。

ルナールの連中が美食にうつつを抜かしてる間に、俺たちはこの鉄箱で世界を変える富を掴んでやる。

不気味なほどの自信と、それ以上の熱狂。

この国が、たった数枚の銀貨をきっかけに、とんでもない怪物に変わり始めてるぜ。



【全土接続】アグライアの競走、配当の桁がおかしい件について【震えが止まらん】


150:名無しの博打打ち

おい、広場の鉄箱の画面、さっきから接続先の表示が増え続けてるぞ。

アステリアだけじゃねえ。フェルディナ商盟の自由都市からも、美食で浮かれてるルナール公国からも、さらにはセレスティア教皇国の連中まで銀貨を投げ込んでるらしい。

これ、プールされてる総額、一体いくらになってるんだ?


155:名無しの商人

フェルディナの商人が一枚噛んでるなら、動く金が銀貨単位なわけねえだろ。

あいつら、海の外から船一隻分の利益をまるごと突っ込んでくるような連中だ。

さっきの払い出しが「たった銀貨55枚」に見えるくらい、次のレースはとんでもねえことになるぞ。


160:名無しの新人

さっきから画面を睨んでるが、これまでのゼクスの発明とは決定的に違う。

今までは「何が出るか分からないガチャ」だったが、これは自分の意志で、自分の知恵で、どの馬が勝つか選べるんだ。

俺はアグライアの馬の脚運びを三時間観察した。あの二番の馬、右後ろ脚の蹴りが他とは違う。

これならいける。俺の知恵なら、フェルディナの金貸し共を出し抜いて大金を掴めるはずだ!


165:名無しの冒険者

全くだな。ただ待つだけの時代は終わった。

俺はダンジョンで培った直感を信じるぜ。

あの馬の瞳に宿る野生の鋭さ、あれは間違いなく草原の覇者のものだ。

自分の手で運命を選び取れるってのは、こんなにも昂るものなんだな!


170:名無しの労働者

昨日まではゼクスのことを「俺たちから銀貨を奪う悪魔」だと思ってたが、今は違う。

俺たちに「知恵を試すチャンス」を平等に与えてくれた神様だ。

銀貨一枚で、あのルナール公国の豪華な宿に一生泊まれるだけの金が手に入るかもしれない。

俺ならできる。俺の読みなら、この鉄箱の頂点に立てる気がしてならねえんだ。


175:先を読むギャンブラー

ククク……相変わらず、この広場に漂う無知な熱気は最高の酒の肴だ。

銀貨数枚で「全能感」という名の猛毒を煽り、自分が世界の中心に立ったと錯覚している。

滑稽だな。お前たちが鉄箱に叩き込んでいるのは銀貨ではなく、自分こそが他者より優れているという浅はかな自尊心だ。


180:名無しの商人

>175

またお前か。全能感だの何だの、小難しい理屈はどうでもいい。

俺たちは自分の知恵で馬を選び、現に的中者が出ている。

これは運任せのガチャじゃねえ、選んだ奴が勝つ実力主義の戦いなんだよ!


185:名無しの博打打ち

そうだぜ。俺は元厩舎番のあいつから解説も聞いたんだ。

単一選、二重連、三連極位。

自分の知識を総動員して、一番期待値が高い組み合わせを導き出した。

これは俺と、大陸中の連中との知恵比べだ。俺が勝つに決まってる。


190:先を読むギャンブラー

ククク、それがゼクスの仕掛けた最大の罠だとも知らずにな。

「自分で選べる」という要素を与えただけで、凡俗どもは自分が神にでもなったかのように錯覚する。

「俺なら見抜ける」「俺の知恵なら勝てる」……。

その全能感こそが、大陸中の財布の紐を緩め、アグライアの荒野へ富を流し込むための潤滑油だ。

ゼクスは馬を走らせているのではない。お前たちの「自分が特別だと思いたい欲望」を走らせているのだよ。


195:名無しの新人

>190

御託はいいんだよ。だったらお前は賭けないのか?

お前なら、どの馬が勝つか、どの組み合わせが一番跳ねるか、簡単に見抜けるんだろ。

それとも、負けるのが怖くて高みの見物か?


200:先を読むギャンブラー

俺は参加しない。ククク、なぜこの美しい完成された盤面を、わざわざ汚れに行く必要がある?

いいか、素人ども。ただ「勝ちそうな馬」を選ぶのは、ただの動物愛好家だ。

この遊戯の本質は、期待値の歪みにある。

誰もが勝ちそうだと思う馬が勝っても、戻ってくるのは雀の涙。

一方で、誰もが来ないと思う馬に、一握りの可能性を見出す。

だが、その「可能性」すらも他人の予想と被れば、配当は一気に薄まる。


205:先を読むギャンブラー

これは馬との対話ではない。大陸中に散らばる何万という強欲な凡夫たちとの、醜い読み合いだ。

人気を加味し、他人の裏をかき、それでいて結果を的中させる。

その針の穴を通すような作業を、熱狂の渦中にいるお前たちが冷静に遂行できるわけがない。

お前たちが知恵だと思っているものは、単なる願望に過ぎないのだ。


210:名無しの商人

うるせえよ!俺の商売敵がさっき銀貨10枚分も賭けやがった。

あいつにだけ良い思いをさせるわけにはいかねえ。

俺の商売の勘を信じて、さらに上の倍率を狙ってやる。

三連極位だ。これでアステリア王都の歴史を塗り替えてやるよ。


215:名無しの労働者

俺もだ!銀貨一枚で、フェルディナの商人の一生分を奪い取ってやる。

自分で選べるんだ、負けるはずがねえ。

俺の選んだあの栗毛の馬が、俺をこの掃き溜めから連れ出してくれるはずだ!


220:先を読むギャンブラー

ククク……さあ、次の号砲が鳴るぞ。

自称天才たちが、そのプライドと共に銀貨をドブに捨てる様を見守るとしよう。

俺は、お前たちが全能感の果てに絶望し、すべてを失って市場に吐き出す「本当の価値ある品」を、底値で拾う準備をさせてもらうよ。


225:名無しの博打打ち

締切だ!画面が止まったぞ!

アステリア、ヴォルガ、フェルディナ、ルナール……大陸中の金が、今あの草原の一点に集約された!

見てろよ、俺の知恵が、俺の全能感が、世界をひっくり返す瞬間を!


230:名無しの新人

始まった!受像水晶が震えてる!

いけ!走れ!俺の人生を乗せて、地平線をぶっちぎれ!


ここまで読んでいただきありがとうございます!

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