<EP_031> アホモス討伐
玉座のある広間に入ると、アホモスは玉座に座っていた。
前回は後ろにいたはずのアリスはいない。
ジェイムズは姿隠しのコマンドを解いた。
「よぉ、三流魔王。暇そうだな」
突然、広間に現れたジェイムズにアホモスは驚いた表情を浮かべる。
「何奴だ。どうやって、ここに入った」
「そうだな。”勇者”とでも名乗っておくよ。さて、魔王アホモスさんよ、ちょっと相談なんだが、地上の侵攻を止める気はないか?止めてくれるなら、命は助けてやるぜ」
ジェイムズは口角を片方だけ上げる。
「フッ、何を言うと思えば、戯言を。どうやって入ったかは知らんが、魔王の前に丸腰で現れた度胸だけは褒めてやろう。この魔王アホモス様に逆らうなど身の程をわきまえぬ者たちよ。ここに来たことを悔やむがよい。再び生き返らぬよう、そなたらのハラワタを喰らいつくしてくれるわっ!」
前回と同じセリフを吐くと、アホモスは襲いかかってきた。
アホモスが生み出した衝撃波をジェイムズは片手で受け止める。
アホモスの両目が開かれ、再び腕を振るって衝撃波を放つが、ジェイムズは微動だにしなかった。
「どうやら、交渉決裂みたいだな……仕方ない。アホモス、覚悟!」
ジェイムズは手刀に光を集めアホモスへと飛び込んで腕を振るう。
アホモスの腕は光刃に簡単に斬り飛ばされた。
「おのれ、勇者め!」
掴みかかるアホモスの腕を返す刀で斬り飛ばす。
「くそっ、ここまでとは……」
「てめぇが悪いんだぜ……」
恐怖に歪み後ずさるアホモスの首を、ジェイムスは手刀で斬り落とした。
アホモスの死と同時に魔王城が激しく胎動する。天井にヒビが入った。
(これも強制イベントなのか……)
落ちてくる天井を見上げ、ジェイムズは【楽園】スキルを発動する。
【EDEN System Activate.】 Function: Teleport_Entity (ID: 000). Destination_Vector: [315.8, 218.0, 99.4] (Devil Castle sky). Status: Execute_Force.
ジェイムズのつぶやきに周囲を光る球が現れ、そのまま上空へと飛び出していった。
魔王城を見下ろすと、瓦礫と化した残骸が広がっていた。
(さて、ひとまずお仕事終了っと)
ジェイムズはそのまま【楽園】スキルを発動させる。
【EDEN System Activate.】
>> set: Global_Conflict_Parameter = 0
>> exec: Overwrite_World_State(World_Condition: PEACE)
[SIMULATION_PHASE: 09 (End_of_Hero_Journey) - STABLE]
[NEXT_PHASE: 10 (Eternal_Paradise_Loop) - STANDBY]
ジェイムズは半透明の画面に、そう書き込むとグノーカス国へと飛んでいった。




