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<EP_030> 二周目

グノーカス王に名前を名乗るとジェイムズは近くの近衛兵へ走りよって、腰に刺した剣を奪うと自らの首に突き刺した。

ジェイムズの意識がブラックアウトし、目を覚ますと、同じ様に目の前にはグノーカス王がいた。

(俺には死ぬ自由すら無いってことか……)

ジェイムズは、この偽りの世界で生き続けるしかないことを悟る。

再び、グノーカス王に「ジェイムズ・ハーマン」と名乗り、ジェイムズの物語が始まった。


ジェイムズは前回の時と同じようにグノーカス王から追放を言い渡された。

(このイベントは必須イベントってことか)

ジェイムズはグノーカス王の空虚な言葉を黙って聞き入れた。


グノーカス国を出ると、ジェイムズはすぐさま魔王城の場所へと飛び立つ。

魔王城の門には、それぞれ馬と牛の頭をした。二人の巨人が立っている。

無造作にジェイムズが歩み寄ると、二人の巨人は手に持っていた長柄武器を交差させた。

「我が名はメズキ。ここは魔王アホモス様の居城である。人間風情が通ることまかりならん」

「我が名はゴズキ。もっとも、この門は封印されておるから、開けることすらままならんがな」

(前回も同じようなこと話してたよなぁ……この封印を解くためには魔王軍四天王を倒さないといけなかったっけ。にしても、コイツら、同じ言葉しか言わねぇなぁ)

それぞれの巨人の言葉に笑いすら込み上げてくる。


ジェイムズは交差された武器を持ち上げると門へと手を当てた。

「スキル【楽園】起動」

眼の前に現れた半透明の画面に向かって、スクリプト呟いていく。

ジェイムズの言葉に画面にはスクリプトが書かれていき、フラグが解放されると、前回は像を嵌めることにより光っていた場所が、何もないのに輝く。


【EDEN System Activate.】def force_open_KoryuGate():

flag_Suzaku = True

flag_Byakko = True

flag_Seiryu = True

flag_Genbu = True

KoryuGate_Status = "OPEN"

trigger_Animation("KoryuGate_Open_Sequence") trigger_Sound("Heavy_Gate_Sound")

force_open_KoryuGate()


ジェイムズが最後のスクリプトを書き込むと、門は光り輝き重々しい音を立てて開いていく。

「なっ、何っ……」

「ま、まさか……」

「じゃ、通らせて貰うぜ」

驚愕の表情を浮かべる門番たちを横目に、悠々と門の中へと歩き出す。

すぐに門番二人がジェイムズの前に立ち塞がった。

「何者か知らんが、ここを通すわけにはいかん」

「どうしてもか?」

「当たり前だ」

ジェイムズの殺気に門番は怯んだ顔を見せたが、そのまま武器を構えて襲ってきた。

(ちっ、仕方ない……)

そっとため息をつくと、腕を交差させ両手の手刀が光に包まれる。

そのまま無造作に両手を振るうと光刃が門番二人の首元へと伸び、二人の首が飛んだ。


「さてと……【楽園】スキル起動」

ジェイムズが現れた画面にコマンドを呟いていく。


【EDEN System Activate.】

>> exec: Conceal_Entity_Property(Target:Self, Priority:Global)

>> set: Perception_Filter = False


最後のコマンドが画面に表示されると、彼の存在そのものが世界の「認識レイヤー」から切り離された。

まるで最初からそこに誰もいなかったかのように、ジェイムズの姿は周囲の風景に溶け込んでいく。意識を向けようとしても、視線が滑る。彼を認識しようという脳の回路そのものが、プログラムによって「NO」と弾かれてしまう。

ジェイムズは気配すら消し去り、血の匂いを振りまく門番の死体を踏み越えて、魔王城の深淵へと足を踏み入れていった。

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