↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
29/36

<EP_029> リブート

「わかった……」

ジェイムズの心を絶望が埋め尽くしていく。

目の前には完璧な微笑みを浮かべたアリス。

アリスに手を引かれ、虚ろな目でエレベーターへ乗り込んでいく。

空には惑星オムニスが静かに輝いていた。


狭いエレベーターの中でアリスはジェイムズに腕を絡めてくる。

「ゼロ。ちゃんとサイとサリスの成長を見守りましょうね」

その言葉に、ジェイムズの虚ろな目に、決意の光が戻った。


「オムニス」

ジェイムズの呼びかけに、アリスの顔はオムニスへと戻り、微かに首を傾げた。

「その言葉が、俺には重すぎる。今のままでは、俺は狂って、サイとサリスの成長を見守れない。もう一度、最初からやり直させてくれ」

オムニスは無感情な声で言った。


「リブートは可能だ」

「ただし、条件がある。俺の記憶を消すな。俺がジェイムズ・ハーマンであるという記憶を全て残せ。それがなければ、俺はまた過ちを犯すだろう。そして同じことをするはずだ。だから、貴様らにとって最も効率の良い道だ」

オムニスは数秒間沈黙した。その目は、ジェイムズという複雑な「サンプル」のデータを解析しているようだった。


「承知した。記憶の保持を許可する。メモリーの消去は行わない」

「感謝する」

アリスに連れられ、ジェイムズが開けた穴からキューブの中へと戻っていく。

ジェイムズが穴を通過すると、開けたはずの穴が静かに閉じる。

穴が閉じきった瞬間、ジェイムズの意識はブラックアウトした。


【EDEN System Activate.】SYSTEM REBOOT: EXECUTE

DATA_MEM JAMES: PRESERVE


「今度は、楽しみだね」

最後にオムニスのそんな言葉が聞こえた気がした。


周りからのざわめきによりジェイムズは目を覚ます。

「おお、ちゃんと生きていたぞ」

「でも片方はエラく弱そうだな」

「顔色も良くないぞ」

広間の高い場所にいる豪華な服を着た男性が厳かな声でざわめきを鎮める。

「勇者たちよ。良く来られた。ワシはこの地を治めるグノーカス王じゃ。名はなんと申す」

「ジェイムズ・ハーマンと言います」

ジェイムズは静かに答えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。