↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
26/36

<EP_026> 反物質

ジェイムズは元魔王城の荒野へとたどり着く。

数日前に流したマグマが表面上は冷え、割れた隙間から赤い火が見えている、まるで地獄のような光景であった。


(同じ石を変えるなら高エネルギー状態のほうが生成される量は多いだろうしな)

マグマの地表へと逆さまに落ちていく。

「黄金錬成(ゴールド・クリエイト)」

地表に手が付いた瞬間に魔法を発動させると、ジェイムズを中心に周囲のマグマが黄金へと変化し、またたく間に周囲が黄金の大地へと変わっていった。

「これだけあると、ありがたみも何も無いな」

ジェイムズは黄金の大地を眺めて呟くと、服のボタンを引きちぎり、更に握りつぶして細かく砕いた。


「極大消滅破」

米粒ほどのボタンの欠片に魔法で創り出した小型ブラックホールを閉じ込め、黄金の大地に落として、上空へと舞い上がる。

十分な高度を取ると欠片に閉じ込められた魔法を解放する。

異音を放ちながら小さなボタンの欠片に周囲の黄金が落ちていく。

欠片に落ちた黄金は原子核を崩壊させ、飛び出した陽子と電子がプラズマ化しモノポールを形成する。


ジェイムズが再び大地へと降り立つと、地面には巨大なクレーターが形成されていた。周囲には黄金が少し残っているだけ。

クレーターの中心には、手のひらに乗る程度の小さなザイリチウムの白い結晶だけが残っていた。


ジェイムズはその大きさに満足して、拾い上げると周囲の残った金塊へと飛んでいく。

「物質変化(モルフェウス)」

一部をソフトボール大の円環へと変化させると、中央にザイリチウム結晶を置く。

そのまま浮遊魔法をかけて空中へと浮かせた。

次に、近くの土を摘むと、その中の一粒に極大消滅破の魔法を閉じこめ、ザイリチウム結晶の上に置く。

再び金の円環を作りだし、円環をソフトボール大の球体のように組み合わせていく。

円環で球状の物体が作られると、円環に高速移動(アクセル・ムーブ)の魔法をかけて回転させていく。

全ての円環に魔法をかけていき、限界まで加速させると円環が光り輝きはじめた瞬間に、土の一粒にかけておいた魔法を解放した。

一瞬、円環が強烈な光を放ったかと思うと円環内部は漆黒となり、円環を引き込もうと蠢く。

(頼む。少しだけ保ってくれ)

ジェイムズが祈るように見つめていると円環にヒビが入っていく。

「空間凍結(スペース・コフィン)」

円環が壊れる瞬間にジェイムズは円環内部を空間凍結で閉じ込めた。


野球ボール大の大きさの透明な球体が生まれる。

(この中には反水素が生成されているはずだ。これで……全てを終わらせる)

ジェイムズは球体を大事そうに抱え、元グノーカス城跡地に作った大穴へと飛び立った。


大穴の上に到達すると、ジェイムズは、一瞬、自宅のある方向を見る。

今頃はアリスがサイとサリスを連れて戻ってきているだろう。

サイとサリスを囲む、三人の笑顔が思い浮かんだ。

想像を振り切るように強く目をつぶり、穴の底へと目を向け、手の中の球体をそっと離した。


透明な球体が穴の底へと落ちていく。

球体が穴の入口を通過すると、ジェイムズは自宅に背を向けるように地面に降り立って穴の入口を空間凍結の魔法で塞ぐ。

次の瞬間、地響きが起こり、穴に光の柱が立った。

超硬チタン合金の底に反水素を詰めた透明な球体が触れ、割れたのだ。

光の柱が消えると空間凍結を解き、竜巻の魔法で溜まっていたガンマ線を超上空へと飛ばす。

しばらく竜巻を起こした後、穴の底へと降りていった。


穴の底へと降り立つと、超硬チタン合金の壁には穴が空いていた。

「さあ、この先には何がある……」

ジェイムズは穴の先へと進んでいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。