第14話 『鏡は呪いをつなぐ、そしてカエルちゃんにおしおき』
昼、山間の街道に桃太郎たちはいました。桃太郎とナクラが先頭に立っておしゃべりしながら歩いています。その後ろにシェリーが、そしてべルナドットとアレキサンダーが続きました。コペルニクスはいつも通りべルナドットの背中に乗せてもらっています。動物たちは時々お互いをつついたりちょっとだけ追いかけっこしたりして遊びました。動物たちがじゃれるのを見てシェリーも楽しい気分になりクスクス笑いました。
先頭を行く桃太郎が
「鬼というのはもっと大男で怖い顔をしているのかと思ってた」
とナクラの顔を覗き込みながら言いました。
「俺たちは角が生え代わってから体がでかくなるんだ。俺はきっと桃太郎の想像するとおりの大男になるぞ」
ナクラは大人の鬼達の姿を思い出していました。彼らは人間の大人よりも一回りは大きく逞しい体を持っています。中でもナクラの父親であり鬼の頭領でもあるパーンドゥは他の鬼よりも一回りも二回りも大きく、そして強い戦士でした。
「俺の父ちゃんは鬼の中で一番体も大きくて一番強い戦士なんだ。だから俺もでかくて強い戦士になるんだ。早く角が生え代わってくれないかな」
ナクラは頭巾の上から自分の角を撫でました。
「僕はフルーツ少年だから、たぶん将来、桃の木になると思うんだ」
そう言うと桃太郎は立ち止まりました。仲間もつられて足を止めました。
桃太郎はみんなを振り返ると
「もし僕が桃の木になったら、頑張って桃をいっぱい作るから、みんなでむさぼり食ってくれ」
と寂しそうな笑顔で言いました。
シェリーは哀れみの表情で桃太郎を見つめて
「桃ちゃん、正気になって」
と両手で優しく桃太郎の頬を包み込みました。




