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「師匠、痛いです」
桃太郎は目に涙をにじませながら言いました。
「剣の道は人の道。鍛錬に努めなさい」
「あい、わかりました」
喜一は桃太郎の頬を離してあげると、肩に手を置いて
「気をつけてな」
と優しく言いました。
「はい」
桃太郎はもう一度喜一に頭を下げてお寺を出ました。
桃太郎が山小屋に戻ると、シェリーも到着していました。
「シェリーはもう大丈夫か?」
桃太郎が聞くと
「うん」
とシェリーは頷いた。
ナクラは桃太郎から渡された山伏の梵天袈裟に着替えました。鬼の金棒はこれまでと変わらず白い布を巻いて背中に背負っています。
「似合ってる似合ってる」
桃太郎はナクラの変装を褒めました。そして次に喜一からもらった地図を広げて仲間に見せました。
「ナクラはここまで、この海沿いの街道を来たんじゃない?」
「そうだ。海を右手に見ながらここまできた」
「こんどはこっちの内陸の街道を行く。こっちのほうが大きい町が少ない分、関所や奉行所も少ない」
「おお、助かる」
ナクラがうんうんと頷くのとは対照的に、シェリーは地図を見て
「漢字ばっかりで読めない」
と不満そうな顔をしました。




