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「はえー。何言ってるかわかんないけど、かわいそうだねえ」
犬がビックリしながら言いました。
「同情は無用です。僕は植物界が桃を通して人間社会に遣わした種的な存在であることが推察されます。今日、僕という種は人類への復讐心で芽吹きました。人類赦すまじ。僕の胸に宿る情熱はやがて世界に花を咲かせるのです」
桃太郎は目を細め思慮深く考えているような、ぼんやり夢を見ているような、どちらとも受け取れる表情で言いました。
雉が
「なにをしようというのですか?」
と聞きました。
桃太郎は遠くを見ながら
「革命」
と短く言い放ちました。
犬は首を傾げ、猿はニヤリと歯をむき、雉は首をぐいっと伸ばしました。動物たちには桃太郎の目指すところは理解できませんでした。桃太郎自身にも理解できていませんでした。
少しの沈黙の後、猿が
「で、俺たちは何をしたらいいんだい?」
と聞きました。
桃太郎は
「僕と一緒に人類に復讐をしてもらいたいのです。お給料にこのキビ団子をあげましょう」
とキビ団子を犬と猿と雉に配りました。
動物たちはキビ団子をモグモグと食べました。野生動物の彼らは本能に従い空腹を満たすために食べたにすぎません。ですが桃太郎にとっては雇用契約が完成したということになったのです。
「仕事内容と報酬がまったく釣り合っていませんね」
と雉が言いました。




