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アレキサンダーの路上ライブを、建物の陰からのぞき見ている少年がいました。昨日の夜に南条の屋敷に忍び込んだ少年です。鋭く凜々しい目つきの彼は、手拭いを頭に巻き頭巾にして角を隠しています。そして背中には白い布でグルグル巻きにされた金棒を背負っていました。
少年は通りの左右に目を配って、向こうから下侍数人がこちらに歩いてくるのを見つけ、慌てて建物の影に隠れました。
下侍の一団は長い棒を杖のように突きながらやってきました。彼らは桃太郎たちに気付いて立ち止まりました。
「まさかこんな目立つようなことはしていないだろう」
先頭の下侍が言いました。
「だが怪しい奴には違いない。確かめよう」
と後ろの下侍は桃太郎のそばに行きました。
「おい、お前。ここで何をしている」
下侍は顔をのけぞらせて桃太郎の頭に角が無いかを確認しながら言いました。
「ご覧の通りお猿のアレキサンダーによる路上ライブなのだ」
「猿まわしか」
下侍は桃太郎たちを猿まわしの大道芸人だと思ったのです。
「人が猿を操っているようで実は人の方が猿の奏でる音楽によって操られているとも言える。いや、もしかしたら音楽によって解放されているのかもしれない。そして実は僕が人では無くフルーツ的な存在だとしたらあんたたちは人類の過ちに気付くのかしら?うふふ・・・」
「お前、赤いキノコやっちまったのか?」
下侍が眉をひそめました。当然です。いま下侍の目の前にいるのは純度100%の不審者でした。
「道草をしている暇は無いぞ。さっさと鬼を探すんだ」
下侍の一団の中で班長らしき男が、桃太郎に詰め寄っている仲間に声をかけました。




