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南条は怪訝な顔でダツバ法師を見つめ、小声で
「おぬしの謀ではあるまいな」
と聞きました。
これにダツバ法師も小声で
「まさか。もし謀であれば南条様に隠すはずがございませぬ」
と返答しました。
下侍たちの長がやって来て南条に
「申し訳ございません。逃げられたようです」
と報告しました。
「姿は見たのだろう!追っ手を出せ、必ず捕まえるのだ!」
南条は怖い顔で下侍の長に命令しました。
「ははーっ!」
と下侍の長は慌てて向こうに走って行きました。
南条は苦い顔でダツバ法師を振り返り
「ダツバ、話がある」
と言いました。そして近くにいた別の下侍たちに
「誰も部屋に近づけるな。見張りを厳重にしろ」
と命令してダツバ法師と二人で部屋に入って行きました。下侍たちが部屋の入り口に立って見張りをしました。ダツバ法師に置き去りにされた暁童子は廊下を一人で歩き、中庭に下りて一人で月を見上げました。
美しい月が明るく夜の世界を照らしています。
暁童子が胸に紐で吊り下げている丸い鏡が月明かりを受けてキラキラと光っていました。




