第11話 『反逆者たちの邂逅』
夜、都にある大きな武家屋敷で騒動が起きていました。
「曲者だ!裏手へ逃げたぞ!」
と長い棒を手にした下侍たちがわらわらと走り回り、屋敷の周りを右往左往しています。
「いたぞ!」
と下侍の一人が屋敷の塀の暗がりに向かって棒を突き出しました。わずかに人の輪郭が見えたからです。
たしかに、その暗がりに曲者は潜んでいました。彼は下侍が突き出した棒を逆に掴むと、グイっと強い力で引っ張りました。下侍がたまらずよろめくと、彼は素早くその横を走り抜けました。
「逃がすな!」
数人の下侍が棒で行く手を遮ろうとしました。しかし曲者の彼が振り回した、棘がいくつもついている細長い鉄の棒によって、下侍たちの木の棒は叩き折られました。
「うわあ!」
棒を折られた下侍たちは思わずひるみました。その隙に曲者は下侍を突き飛ばして暗い通りに逃げていきました。松明に照らされて曲者の顔が一瞬下侍たちに見えました。眼光の鋭い男で、まだ若い少年のように見えました。その頭、髪の毛の間から二本の短い角が姿を覗かせていました。
逃げ去った少年を追って下侍たちが慌てて駆けていきました。
屋敷の中では南条が
「者ども見たか!?あれは鬼であったぞ、わしを狙っておった!」
と周りの下侍たちに言いました。
「確かに鬼でございましたな」
南条の背後から茶色の法衣姿の男、ダツバ法師が答えました。ダツバ法師の斜め後ろには彼の弟子である白い法衣を着た子供、暁童子が付き従っています。




