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「お師匠、今日はシェリーを紹介に来たのではないのです。剣術の稽古をつけてもらおうと思って」
と桃太郎が喜一に言いました。
「稽古を受けたいか。良い心掛けだ」
「僕が人類に復讐する為の作戦の一環なのです。剣術道場を開いてお弟子さんたちを反人類勢力に引きずり込みます。剣術を習っているだけのつもりがいつのまにか人類ディス界隈になっているという、恐るべき戦略です」
桃太郎は昏い笑みを作りながら言いました。
喜一は右手をおでこに当てながら
「さて、これはどうしたものか迷うところだ」
と言いました。
慌ててシェリーが口を挟みました。
「ちがうちがう!桃ちゃんは修行して剣術の先生になるの!人類に復讐なんておバカなことを言ってないで、きちんとお仕事を覚えるのよ」
「お師匠、このようにシェリーが僕に道場経営を迫るのです」
桃太郎は困り顔をしました。
喜一は笑いながら
「シェリーの方が年下なのにしっかりしている。剣術道場か、いいかもしれない。ワシはもう少しお経をあげなくてはならないから、待っていなさい」
と本堂の奥に戻ってご本尊に向かってお経を再開しました。
やがてお経を終えた喜一が竹刀を日本持って桃太郎たちのところに戻ってきました。本堂の前で喜一と桃太郎は剣術の稽古を始めました。桃太郎が鋭く打ち込む竹刀を喜一は軽々と受け止めたりいなしたりしながら反撃を返しました。喜一は涼しい顔でひょいと竹刀を繰り出すのですが、桃太郎にとってはよほど難しいらしく必死の顔でそれを防いでいます。
桃太郎が剣術稽古を頑張っている間、シェリーはべルナドットと棒を投げて遊び、アレキサンダーはお堂の中でご本尊に向かってギターを弾き、コペルニクスは本堂の屋根の上で日向ぼっこをしていました。
お昼になりました。
「お昼ご飯にしよう」
と喜一は竹刀を下ろして稽古を止めました。




