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「幽霊なのにシェリーはいい子だ」
桃太郎は感心しました。
べルナドットが茂みに落ちていた木の枝を見つけて
「ねえ桃ちゃん。これ」
と咥えて来て桃太郎に渡しました。
桃太郎は枝をポキッと折って手ごろな長さにすると
「それっ!」
と投げました。
「わー!」
べルナドットは大喜びで木の枝を追いかけて走って行きました。
一方その頃、都の端。
典成とウィリアム博士はそれぞれ馬に乗り都の中心部へ続く道を進んでいました。
ウィリアム博士は前を行く典成に
「典成様、将軍様と謁見の際に気を付けることがあったら教えてください」
と言いました。
「型通りの作法をなされば大丈夫です。上様と拙者の師匠である喜一和尚の推挙です。上様も悪いようにはなさらないでしょう」
「ありがたいです。私は将軍様にお願いしたい事があるのです」
「娘さんの薬ですね」
「はい。貴重なもので巷ではまず手に入らないと聞いております。将軍様であればお持ちではないかと」
「あらかじめ拙者からも上様に伝えておきましょう」
「典成様、感謝いたします」
都の中心部に向けて二人は進みました。人も建物も多くなっていきます。南から吹く風が人や建物や木々を撫でていきました。
ウィリアム博士は青空を見上げて目を細めました。
「春の風も太陽の日差しも、本当に心地よいものだ…シェリー、待ってておくれ…」
ウィリアム博士は小さく独り言を言うのでした。




