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ももレヴォ  ~桃太郎が世界に対し革命を目論むお話~  作者: 有限よしみ


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7-6

夕暮れ、都の端、学校の近くにある一軒の家。

そこは学校校長のウィリアム博士の家でした。

ウィリアム博士の妻であるメアリー博士が寝台の横のイスに座って本を読んでいると、ウィリアム博士が帰ってきました。

「おかえりなさい、あなた」

メアリー博士が本を閉じてウィリアム博士に言いました。メアリー博士も、ウィリアム博士と同じように褐色の肌をしています。

「ただいま。オルガン泥棒の正体がわかったよ。隣の村に住む少年がやったらしい」

とウィリアム博士は厳しい表情で言いました。

「まあ。あなたの見間違いではなく本当に少年だったのですね」

「桃太郎と言う少年だ。戦災孤児で身寄りがなく、村の老夫婦に育てられたらしい。そのような素性のためかずいぶん腕白で粗暴なところがあるようだ。悪さをして村を飛び出し、今は山の中で一人で生活しているという。昨日の夜、山小屋の中でオルガンとギターが鳴っているのを薪売りの村人が聞いたそうだ。彼が犯人であることは間違いない」

ウィリアム博士の説明に、メアリー博士は笑顔になって

「山小屋の中でオルガンを弾いているのね!」

と言いました。

「メアリー、なにを喜んでいるのだ。シェリーの大切なオルガンなのだぞ」

ウィリアム博士は不機嫌そうに言いました。ですがメアリー博士はますます嬉しそうに

「あなたこそ、その少年をずいぶん可哀想だと思っているのでしょう?芸術は心を豊かにします。きっと音楽が少年を慰めてくれますわ。シェリーも喜ぶでしょう」

と言い返しました。

「たしかに。そうかもしれない」

「だからシェリーが元気になるまでオルガンは彼に貸してあげましょう。そしていつかシェリーと一緒に演奏するのです。素晴らしいことですわ」

メアリー博士は寝台で小さな寝息を立てている少女の髪を優しく撫でました。眠っている少女はシェリーでした。



第7話 おわり

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