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「そーれ、そーれ」
上流から桃太郎とべルナドットがバシャバシャと大袈裟に水しぶきを立てて魚を網に追い立てます。アレキサンダーとコペルニクスは川に沈めた網を持って魚が入るのを待ち構えました。
シェリーはアレキサンダーの横で魚たちが網に入っていくのを珍しそうに眺めました。
手応えを感じたアレキサンダーとコペルニクスは
「よいしょっ!」
と網を持ち上げました。何匹も魚が獲れました。
桃太郎たちは河原で焚火を起こして魚を焼いてお昼ご飯にしました。みんなが食事をしている間、シェリーは川の中をのぞき込んだり茂みの中に隠れている小鳥を見つけたりして遊んでいました。
お昼ご飯を食べ終えると、シェリーとコペルニクスは一緒に水際で小さな生き物を探し、ベルナドットとアレキサンダーは昼寝を始めました。桃太郎はシェリーとコペルニクスが遊んでいるのを眺めていましたが、自分も混ざろうと思い立ち上がりました。そしてシェリーたちのところに向かおうと数歩踏み出した時、不意に、めまいに襲われ立ち尽くしました。
桃太郎の視界に青と黒と白い泡、そして桃色の小さな点たちがもみくちゃになっている不思議な光景が現れたのです。それは激しい水の流れの中にいるような感覚でした。
「あっ…」
桃太郎は手で頭を押さえました。
「大丈夫ですか?」
コペルニクスが心配して桃太郎の足元に来ました。
「うん、大丈夫だよ」
桃太郎はすぐに気を取り直して
「また沢蟹でも捕まえようか?」
とシェリーに声を掛けました。
シェリーは少し悲しそうな、困ったような顔をして
「桃ちゃん、おうちに帰ろう。この場所はあまり良くないんだよ」
と言いました。
「良くない場所?」
「うん。…なんとなく」
桃太郎たちのところに、ベルナドットとアレキサンダーも起きてやって来ました。
「今日は大漁だったな。こいつらは晩飯だ」
アレキサンダーは蔓に縛った魚たちを持ち上げて見せました。
「うれしいね。晩ご飯お腹いっぱい食べれるね」
ベルナドットも言いました。
こうしてみんなで元来た道を戻りました。
「今日って何しに来たんだっけ?」
桃太郎がみんなに聞きました。
べルナドットが
「お散歩」
と答えるのでした。




