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桃太郎は一人で典成のもとに行きました。
「もしもし、お坊さん。このあたりに桃の木はありますか?」
「桃の木?この辺で桃がなっているという話は聞いたことが無いな」
典成はお祈りを止めて桃太郎を振り返りました。そして
「おや?」
と桃太郎と、彼の背後にいる不思議な集団に少し驚きました。
桃太郎は典成の戸惑いにかまうこと無く
「ではもっと上流の方にはないでしょうか?」
と聞きました。
「この辺りと同じで、上流も桜の木が植えられているばかりだ。桃もなければリンゴ畑も梨畑もないはずだ」
典成は答えました。
「さようですか。どうもありがとう」
桃太郎は残念そうに言って、仲間たちのところに戻りました。
「どうやら桃の木はないようだ。もしかしたら母さんの桃は他の場所からやってきて川に落ちて流されたのかもしれない」
桃太郎は言いました。
「なんだか僕、おなかが減っちゃった」
べルナドットが言いました。
「じゃあ桃の木を見つける作戦は中止としよう。かわりに川で魚を捕まえるのだ」
桃太郎は川を指さしました。
こうして桃太郎たちは川の土手を下って行きました。その姿を眺めながら典成は
「不思議な連中だ」
とつぶやきました。典成の目には幽霊のシェリーも見えていたのです。ですが典成は桃太郎たちに構うこと無く川の上流、都の方に向かって歩いて行きました。
一方、桃太郎たちは川の浅い所に石を積んで魚を追い込む水路をつくり、そこに細い枝や蔓で作った網を仕掛けていました。




