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桃太郎は激しく動揺しました。
「じゃ、じゃあ本当に僕のお母さんはフルーツの桃なのか!しかも僕のお母さんをジジイとババアが食べたのか!」
そんな桃太郎に、お婆さんは追い討ちをかけるように人差し指を彼の鼻先に押し付けながら
「ユー!フルーツ!」
と大声で言いました。
桃太郎のアイデンティティは崩壊しました。
「ぼ、僕は桃生まれのフルーツ少年だった!」
人間だと思っていたのに果実生まれを宣告されたのですから、トンビが鷹を生むどころの話ではありません。
桃太郎の脳裏に、人類の過ちの映像が駆け巡りました。伐採される森林。垂れ流される生活排水。広がり続ける砂漠。枯渇する資源。降り注ぐ凶悪な太陽光。地球は悲鳴を上げていました。
お爺さんはなんとか意識を繋ぎ留めながらよろよろと立ち上がって
「婆さんや。桃太郎が元服したらちゃんと話そうと決めてたじゃないか。そんなめちゃくちゃな言い方をしないで…」
とお婆さんを説得しようとしました。しかし
「消え失せろ!」
お婆さんは素早く体を回転させながらしなやかなハイキックでお爺さんのこめかみを撃ちました。お爺さんは糸の切れた操り人形のようにその場に崩れ落ちました。




