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オルガンのペダルと鍵盤がひとりでに動いて、「ファーン!」と大きな音を鳴らしました。同時に、オルガンから、大きな瞳と褐色の肌を持った少女が飛び出してきたのです。彼女の姿は半透明でした。幽霊に違いありません。
少女の幽霊は天に向かって両手を突き上げながら
「URAMESI☆YA-ッ!」
と元気な声で言いました。
「きゃあああああああ!」
桃太郎は悲鳴を上げてしまうのでした。
深夜、山の中にある桃太郎の山小屋の中から、たどたどしく演奏されるオルガンの音が漏れていました。
「ドレミファソラシド。これが基本なの。ゆっくりでいいから一つ一つていねいに鳴らして」
褐色の肌をした幽霊の少女が桃太郎にオルガンを教えています。彼女はまだ幼く、桃太郎よりも何歳も年下に見えました。
桃太郎は木箱を椅子代わりにしてオルガンに向かい、幽霊少女のレクチャーを受けながら鍵盤に指を置いていきました。
「なぜ僕が幽霊に楽器の手ほどきを受けなくてはならないのだ」
と桃太郎は不満そうに言いました。
幽霊少女は
「あなたがわたしのオルガンを盗んだんじゃないの。泥棒は牢屋に入れられるんだよ。わたしはあなたの罪を許してあげて、しかも音楽の先生になってあげるの。あなたはわたしに100回感謝しても足りないくらいよ」
と言いました。幽霊少女は見た目の年齢よりもませたものの言い方をするようでした。




