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同じ頃、都の端。
メアリー博士は家の前で一人の婦人と話をしていました。
「メアリーさん、これ娘さんに食べさせてあげて」
婦人はいろいろな野菜をメアリ-博士に渡しました。
「まあ、こんなにたくさん。ありがとうございます」
「私の代わりに書き物をしてくれたお礼。おかげで本当に助かったよ」
メアリー博士は家に入ると野菜を棚に置き、シェリーの寝室に行きました。
寝台でシェリーが静かな寝息を立てています。寝台の枕元には北畠からプレゼントされた人形がちょこんと座らされていました。
「ご近所の奥様からお野菜を頂いたわ。スープに入れて柔らかく煮込みましょう。きっと美味しいわよ」
メアリー博士はシェリーに話しました。もちろん、シェリーが返事をすることはありません。それでもメアリー博士は明るい声でおしゃべりを続けました。
「この町には親切な人が多いわ。きっとシェリーをかわいそうに思って優しくしてくれているのね。町の人たちも最初は肌の色が違う私たちを怖がったり、怪しんだりしたけど、お互いを理解することで友人になれたのだわ。きっとシェリーにもたくさんの素晴らしい友達が出来ますからね。だってあなたは私たちの娘だもの」
メアリー博士はシェリーの髪を撫でてから椅子に腰掛けました。そして両手を組んで目を瞑り神様にお祈りしました。
「神様。夫と私をお許しください。夫と私が作ったフランケンシュタインは鬼達を傷つけるでしょう。傷つけるどころではない、きっと何人もの命を奪ってしまうに違いありません。こんなはずではなかった。でも、シェリーの病気を治すためには仕方が無いのです。神様、どうか、どうか、どうか、私たちをお救いください」
メアリー博士の祈りは懺悔でもあったのです。




