第20話 『ネコと和解せよ』
内陸の街道。
「もう少し行くと村がある。村を過ぎたらまた関所」
桃太郎が地図を見ながら言いました。横から地図を覗き込んでいたナクラが頭巾の中に手を突っ込んで、
「今日はなんだか妙に頭がかゆい」
としきりに掻いています。
「きちんとシャンプーしなきゃダメだよ」
桃太郎はナクラに言いました。彼らの背後で、シャンプー、というワードに心がざわついたベルナドットが静かに牙を剥きました。ベルナドットの背中に乗っているコペルニクスは嘴でベルナドットの耳元を掻いてあげましたし、横を歩くアレキサンダーはベルナドットの背中を撫でてあげました。ベルナドットは鼻をペロリとなめて牙を引っ込めました。
シェリーとラミアはみんなの後ろをおしゃべりしながら歩いていました。
「ラミアちゃん、せっかくだから強プロポーズもしてもらったほうがいいよ」
「そうじゃな。プロポーズは何度受けても良いものじゃ」
「恋の駆け引きよ。だから弱とか中のときは、ごめんあそばせ、するの」
「わかったのじゃ」
シェリーとラミアは楽しくなって
「ごめんあそばせっ、ごめんあそばせっ」
と声をそろえて歌いました。
やがて桃太郎たちは小さな村に到着しました。
お日さまはまだ高いので桃太郎たちは村に泊まること無く通り過ぎることにしました。
桃太郎たちが進んでいると、道の脇にある家の前で夫婦がなにやら話をしています。
「おい、オラの手拭いを知らないか?」
「父ちゃんの手拭い?わたしゃ知らんよ」
「この辺に置いといたはずなんだが、盗まれたんじゃなかろうか」
「手拭いなんか誰が盗むもんかい」




