19-10
「なんじゃお前らは?キイナはどうした?遊びに来ておらんのか?」
少女の胸の辺りに吊された丸い鏡が行燈の明かりを受けて鈍く光りました。
ナクラは少女を見て息を飲みました。そして彼の頬はみるみる赤く染まったのです。そんなナクラの異変に気付かない桃太郎は、
「お前が蛇の妖怪か?」
とバールを握って立ち上がりました。
「妖怪?失礼な。我はラミア、蛇神の一族だ。お前は武器を持っておるな。まさか人間どもは我を退治するためにお前らをよこしたのか?」
ラミアの目が怒りで吊り上がりました。
「キイナはお前に丸呑みに喰われると怯えていた」
桃太郎が言うと
「キイナを丸呑みじゃと?」
ラミアはびっくりした顔を見せました。
「聞き捨てならん、誰がそのようなことを言った?」
ラミアの上半身がぐんぐん天井に向かって上がって行きました。彼女の腰から下の蛇の胴体が上半身を高く持ち上げたのです。そして、ラミアの上半身はもう拝殿の天井すれすれまで高くなり、桃太郎たちを見下ろす格好になりました。
「我はさみしい。人間どもは我の姿を見ると化け物じゃと言って恐れて逃げていく。やっとこの村が我を仲間に迎え入れてくれたと思ったのに!人間の子と友達になれると思ったのに!」
ラミアの口から鋭い牙が二本覗きました。
「桃ちゃん、もしかしたらこの子、悪い子じゃないかも」
シェリーが桃太郎に言いました。桃太郎は頷きました。そして桃太郎は
「蛇神のラミアよ。僕らのナチュラル同盟軍に加わって一緒に・・・」
とラミアをナチュラル同盟軍に誘おうとしたのですが、その言葉をナクラが遮りました。
「待て、桃太郎!」
ナクラは桃太郎の前に手を広げて彼を止めました。ナクラは頬を赤くしています。




