18-10
夕暮れ、内陸の街道の町のはずれ。
役人が五人も弥平の家にやって来ました。
「弥平、出てこい。狩尾様のお屋敷から米とあずきを盗んだのはお前だな!」
役人の一人が言いました。ですが家の中からは返事が無く、代わりに
「うー!うー!」
とうなり声だけが聞こえました。
「なんだ、今の声は?」
役人達は顔を見合わせました。家の扉を開けると、弥平とお千代が縄でグルグル巻きにされているではありませんか。声を出せないように猿ぐつわまでされています。
「これはいったいどういうことだ?」
役人の一人が弥平の猿ぐつわを外しました。
「お役人様。大変でごぜえます。恐るべき泥棒が狩尾様のお屋敷を狙っておるんです!」
弥平は言いました。
「恐るべき泥棒だと!?」
「奴こそは世界を股にかける大泥棒、ピーチ・ザ・セカンド!」
「ピーチ・ザ・セカンド!?」
「去年の秋、オラは旅の者を家に泊めました。そいつはお礼にと、米とあずきをオラにくれたんです。その男こそ大泥棒のピーチ・ザ・セカンドでした。狩尾様のお屋敷に盗みに入り、米とあずきを奪ったのは奴であることはもはや明白。ですがそれは下見に過ぎんのです。狩尾様のお宝を根こそぎ奪っていくのだと今度は仲間を連れて来たんでごぜえます!」
「なんだと!その話、まことであろうな!?」
「間違いありません。今日、お千代があずきまんまを食べたことを手毬歌で歌ったときに、狩尾様にばれるのをおそれたピーチ・ザ・セカンドはお役人様に恐怖のポルターガイスト攻撃を加えました!奴は妖術を使いよります!さらにはオラとお千代をこのようにグルグル巻きにしたとです!」




