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そこに、典成がお屋敷の廊下をのしのしと歩いてきました。典成は経行のじゃまにならないよう何も言わずに縁側に正座して待つことにしました。
経行は木刀を右後ろに下を向けて引いたかと思うとブンッと左上に振り上げた一振りをもって鍛錬を終えました。
「坊主どもから報告がありました。南条殿に仕える陰陽師のことです」
典成が報告を始めました。
経行は縁側に座って小姓が差し出した湯飲みを受け取ると、
「さがっておれ」
と小姓を向こうの部屋に下がらせました。
「どうであった」
「手下の坊主が南条殿の宿場をさぐっていると、くだんの陰陽師が声をかけてきました。自分が南条殿を警護しているから見回りの心配はいらん、と。おそらくけん制でしょうな」
「探られていることに気付いたか」
「ただのペテン師ではないのかもしれませんな。腕のほどはまだわかりませんが、会った坊主はかなり妖しげな気配を感じた、と言っておりました」
「そうか。引き続き頼む」
「承知しました」
部屋の入り口で小姓が
「那須様が来られました」
と経行に伝えました。
小姓に案内され那須がきました。彼は腰を下ろし正座すると、
「この度の戦、先鋒をウィリアム殿のカラクリ人形に任せるという噂を耳にしましたがまことでしょうか?私にこそ先鋒を、ご再考いただけないでしょうか」
と経行に頭を下げました。
「さて、こちらもどうするかの」
経行はちらりと典成を見てわずかに苦笑いをするのでした。




