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ベルナドットは尻尾を振りながらお千代に手毬を差し出しました。
「ありがとう!これ、おっかあの形見なんだ!」
お千代は手毬を大事そうに抱えました。
「うちの家に来てくれ。おとうにお兄ちゃん達を紹介する」
お千代は町から少し離れたところにある彼女の家に桃太郎たちを案内しました。彼女の家は粗末な田畑の中に建っている粗末なぼろ屋で、桃太郎の育った家と同じようなものでした。
お千代は家に着くと、父親の弥平に
「おとう。うちがあずきまんま食べたのを役人に聞かれた。捕まりそうになったのを、このお兄ちゃん達が助けてくれた」
と説明しました。
「なんだって、あずきを食べた事を役人に知られたのか!?」
弥平は頭を抱えました。
「話がわからん。あずきが何だというのだ?」
ナクラが聞きました。
弥平はお千代を抱きしめて、桃太郎たちに話をしました。
「オラとこのお千代は二人で暮らしとります。去年の秋お千代はひどい風邪ひいて、熱も下がらんし飯も喉を通らん。オラの家は貧乏だから、医者も呼べん。そん時にお千代が、むかし一度だけ食べたことのあるあずきまんまを食べたい、言うので、オラは地頭の狩尾様の屋敷から米とあずきを盗んでお千代に食べさせたとです。お千代はあずきまんまをおいしいおいしい言うて食いよった。おかげで、お千代はすっかり元気になった。だがオラがあずきと米を盗んだことがばれたとあっては、逮捕されるに違いない」
地頭とはその土地を管理する偉い役人のことです。地頭は民から年貢を集めて幕府に届けたり、泥棒などの犯罪者を捕まえたりするのを仕事としているのです。




