18-4
「桃ちゃん、この子を連れてここから逃げて!」
シェリーは桃太郎に言いました。
「えっ?幽霊?」
お千代にもシェリーの姿がうっすら見えたのです。
桃太郎は理由を尋ねたりすることもなく、素早くお千代を抱き抱えて走り出しました。ナクラや動物たちも急いで追いかけます。ベルナドットはお千代の手毬を咥えて逃げました。
「ま、待て・・・」
男は地面に倒れたまま手を伸ばしましたが、桃太郎たちは振り返りもせずに言ってしまいました。ぎっちょうをしていた子供達は遊ぶ手を止めて突然の騒ぎを眺めましたが、それが何の騒ぎなのかはわかりませんでした。
桃太郎は町を抜けるとお千代を下ろしました。
「ねえ、大丈夫?」
シェリーが体に色を戻しました。
「やっぱり幽霊」
お千代は目を丸くしました。桃太郎が彼女に
「話すとややこしいが、こちらの幽霊のシェリーは本当は生きているんだ。そして僕たちは人類を滅ぼすべく旅をしているナチュラル同盟軍なのだ。君を尋問した男は役人のようだった。役人に尋問されると言うことは、もしや君も人類に仇をなす反人類フレンズなのかしら?」
と言いました。桃太郎の説明は結局の所ややこしかったのでお千代は理解できませんでした。
「お兄ちゃんは何を言ってるの?もしかして赤いキノコを食べちゃったのか?」
お千代はポカンとして桃太郎に聞きました。
アレキサンダーがニヤリとしながらお千代の頭をポンポンと撫でました。




