17-16
「明日も朝早うございます。酒もほどほどになさいませんと」
と典成は言いました
経行は酒をちびりと一口飲むと、目を伏せてまた物思いに耽ったような顔になりました。
「桃は、戦は好かん、と言っておった。先代が天下を争ったときの戦で父親と兄を亡くしておる。ワシは何度謝らねばならんのだろうな。・・・典成、お前にも」
と経行は言いました。
典成は胡坐をかいた格好で両手の拳を畳に着けて経行に頭をぐっと下げました。
経行は暗い町を見下ろしながら独り言のように
「また戦が始まる。すまんな、桃よ」
と言うのでした。
同じころ、内陸の村。
桃太郎たちは村長の家に招かれていました。
「小さな村なのでこのくらいしかもてなしができませんが」
と昌幸と信之は精一杯の食事や酒を桃太郎たちに準備してくれました。
「桃ちゃん、お礼を言うのよ」
とシェリーが桃太郎に耳打ちしました。
「村長さん、ご丁寧なおもてなしありがとうぞんじます。手前、果物の端くれなれど光合成などといった植物の化学反応が不得意ゆえ、このような飲食物はエネルギーを得るために必要不可欠なのです」
と桃太郎が言いました。
信之は
「桃太郎さん、赤いキノコは本当に気を付けなければなりません。キノコ狩りをする時にはどうかキノコに詳しい専門家と一緒にすることをお勧めします」
と心配そうな顔をしました。
村人たちに姿が見えないシェリーが
「なんだかわたしが恥ずかしくなっちゃう」
と頬を赤くして桃太郎の散らかりぶりを恥じました。




