17-12
桃太郎がバールで攻撃すると、もう一人の桃太郎が木槌で防ぎました。木槌の方の桃太郎が妖術を解いてコンスタンティノープルの姿に戻りました。
「今の問答って必要か?」
ナクラが桃太郎に言いました。
「自分を俯瞰して見ながら自我というものを考える貴重な瞬間でした」
桃太郎は答えました。
「桃ちゃんは桃ちゃんよ。何も悩むことはないの!」
シェリーが言いました。
桃太郎がちらりと見ると、シェリーは心配そうな顔で彼を見つめていました。桃太郎はシェリーに微笑んで見せてからコンスタンティノープルに突撃しました。
「変身の妖術を使わなくとも俺は強いのだ。くらえ!」
コンスタンティノープルは迫りくる桃太郎に向かって木槌をブンッと振り回しました。桃太郎はバールで受け止めようとしましたがはじき返されてしまいました。コンスタンティノープルは体勢を崩した桃太郎に木槌を突き出しましたが、突如現れた桃色の靄がその攻撃をふわりと受け止めてしまったのです。
「お前も手出しするか!」
戸惑うコンスタンティノープルにすかさずナクラが金棒を振り下ろしました。コンスタンティノープルは木槌を振り上げてこれもはじき返しました。確かにコンスタンティノープルは力持ちの妖怪だったのです。
桃太郎とナクラがコンスタンティノープルの木槌に苦戦しているのを見て、動物たちは一生懸命応援しました。
「フレー、フレー、桃ちゃん!フレー、フレー、ナクラ!ゴー・ゴー・レツゴー・レツゴー、シェリー!」
シェリーはコンスタンティノープルの茶釜鎧に両手を当てて
「URAMESI☆YA―ッ!」
と思い切りポルターガイストをお見舞いしました。
「あ、あ、あ!き、も、ち、わ、る、い!」
コンスタンティノープルは全身を小刻みに震わせながら言いました。この隙に、ナクラが金棒を手放してコンスタンティノープルの木槌をつかみました。
「むうっ!」
コンスタンティノープルは木槌を振りかざそうとしましたが、ナクラにががっちり掴まれて動かすことができません。
「力持ちはお前だけじゃない」
ナクラが言いました。




